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入社半年だから書けた、ちいさくはじめるデザインシステム

こんにちは。2022年8月にSmartHRに入社した稲葉志奈といいます。
つい先日の3月16日に、こちらの書籍で著者デビューを果たしました。

私は主にコラムと2章の「デザインシステムを作るコツとステップ」を書いています。なんと著者の2番目に名前を並べていただいていますが、実はこの書籍を書き始めたタイミングは入社して2ヶ月くらいのタイミングでした。

振り返ってみると、入社2ヶ月で書籍の執筆を担当したことに意味があったなあと感じています。

「何も知らない」が生んだラッキーパンチ

入社半年が過ぎ、書籍の執筆過程を振り返ると「入社直後だったから書けた原稿だったのでは」という気持ちが大きくあります。

特に2章の「デザインシステムを作るコツとステップ」は、入社して数年経っている自分だったらあんなふうに書き上げられたかどうか、あまり自信がありません。

ちなみに、2章はもともと私の担当ではなく、コラムのみを担当する予定でした。

振り返ると、私が2章も担当できることになったのは、私が「ほぼ外部の人と同じくらい何も知らない」状態だったからだと思います。

コラムを書くにあたって、私はまずMiro上に年表を用意し、取材をはじめます。年表をたどる形で、関わりが深そうな人に取材をしながら、イベントやそのイベントに紐づく思いを年表上にマッピングしていきました。その中で新しい登場人物の名前が挙がったら、今度はその人に取材をしてMiroを更新して…というのを繰り返していました。

コラムを書くとしたときに、歴史の全体感や関わりのある人それぞれにとってのイベントの重み付けがわからないと、取り上げるトピックを選べないなという気持ちがありました。そのため、上記のようなスタイルの取材を続けていたのですが、気づけば1か月後手元には12時間分の取材音源と情報量大盛のMiroが…。

長すぎて引きで見るとなにもわからないMiro

さらに、SmartHRの場合、ドキュメンテーションの文化が根付いており、イベント1つとっても検討過程に作られた文書やMiroなどが大量に残されています。ほぼ外部の人と同じくらい何も知らないものの、社内の人なのでそういった情報にもアクセスし放題です。

正直に言います。完全に手探り状態でした(笑)
ある程度デザインシステムの歴史や背景を把握していたら正直ここまでやらなかったと思います(小声)

取材を終えたあとは、なにかメッセージとして抽出できることから探そうと思い、Miroを見つつ音源を聞き返しながら大事そうな要素を抜き出していきました。

私には、「要素を並べると因果関係を見出してループ図にまとめてしまう」という癖があり、そのときも抜き出した要素を因果ループ図に整理しました。すると、「デザインシステムを作るコツとステップ」のもととなった3つの好循環が見つかります。これも振り返ると、手探りでまとめようとしたから発見できた内容だな思います。

2章の「デザインシステムを作るコツとステップ」がそのままループ図の解説になってます

ループ図をもとに、主題が決まり、ようやく構成が出来上がりました。この時点ではまだコラムに書くつもりでいたので「コラムの構成ができたぞー」と思って企画者であり著者であるおおつかあぐりさんに見せに行きました。そして、あぐりさんからは「あ、それ2章に書きたいことだ」というコメントが返ってきます。私はそのまま2章を書くことになりました(笑)

よくよく考えると、入社2ヶ月の人が出してきた因果ループ図が書きたいことと重なっていたとしても、普通は任せてもらえないよな…と思います。私にとってはこれまたラッキーパンチでした。

こんな経緯で書くことになった2章目ですが、内容としては自信を持ってお届けできるものになったと自負しています。ぜひ、読んでね!

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