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金曜日単推し痛ファン同担拒否卍

金曜の夜だ。

土日休みの民にとって、金曜の夜はいつだって愛おしいものである。金曜の夜が、毎週くるというのは、実に贅沢なことだ。

そもそも、金曜日は、そのネーミングからして、見るからに価値がありそうな曜日である。もともと、1週間の曜日の名前はそれぞれ、太陽系の惑星の名前にちなんだものになっている。そのなかで金曜日は、金星という星の名前からきているのだ。金星は、太陽系のなかで最も地球に似た惑星と言われており、ただでさえ価値がありそうなのに、ここで更に親近感がプラスされた。これ以上ない付加価値である。

そして金星は、地球上からでは太陽、月の次に明るく見える星であるが、1週間という観点では、正直土曜や日曜とあまり差を感じさせないくらい輝いている。特に夜の輝きは凄い。これがかくいう、宵の明星である。


金曜日の最も素晴らしい点は、全国的にどの地域でも、夜には何をしてもいいことになっている、というところである。通常、取締りの対象とされていることも、金曜日の夜は解禁されているのだ。例えば、家に篭ってドラマを一気見してもよいし、街へ繰り出して酒を飲んで、店を何軒もはしごしてもよい。

けれどそれでは、錯乱状態のなかでいつの間にか金曜日が終わっていて、何をしてもいい時間が終了し、土曜の0時に突然取締りが発生して、何らかの罪に問われるんじゃないですか?と心配した人もいるだろう。しかしなんと、実は、土曜日は終日、何をしてもいいことになっているのだ。
だから、ドラマを一気見している途中や、はしご酒の移動中などに、うっかり土曜日に突入していても、怯える必要がまったくないのである。

正直、四六時中甘やかしてくれる土曜も好きだし、私を自由にさせながら緊張感もくれる日曜も好きだ。けれど、今ひとりだけ決めろと言われたら、楽しみを演出してくれる金曜日が好きだ。そう気付いた。

ここで私がドラマの主人公だったら、海外に飛び立とうとする金曜日を追いかけて、空港行きのタクシーに乗り込み、ギリギリ間に合って泣きながら「私、1週間後まで、ぜったいに待ってるから!!!」と伝えるだろう。

きっと私が、上手にいろんな絵が描けたなら、金曜日の素晴らしさを描くだろうし、もしもピアノが弾けたなら、もちろん金曜日のすべてを歌にしただろう。


とか言っていたら、土曜になっていた。

ごめん、やっぱり私、土曜が好きだ。私には金曜日は短か過ぎる。金曜日も土曜日がなければ成り立たないわけだし。担降りします。まじ土曜最高。土曜が週2日あればいいのに。ありがとう土曜。いつまでも私を甘やかしてね。


などと、情緒を乱すこともできるのだ。

それではみなさん、良い週末を。


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