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森と樅
2019年2月12日 21:35
もうひとつの話を書こう。船の、進行方向の側の話を。雲がはいびすかす色に染まり始めた5時50分くらいに一旦話は戻る。船は、屋久島に向かって進んでいた。私は、懐かしいその姿を見ようとして船の進む方を幾度か確認した。けれども、それらしいものは見えなかった。開口一番、何と言おう? 屋久島は、私を憶えているだろうか・・・?そのうち、船の右後方では朝日が顔を出して、空が、海が、刻一刻とその表情