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老人と風船 (短編小説)

ある日、小さな村に住む老人が、村人たちに対して不思議な言葉をかけました。

「人生は風船のようなものだよ」

「風船にはいくつもの色があり、それぞれが違った形や大きさを持っている。人生も同じで、私たちはそれぞれ違った色や形を持って生まれてくるのものなのだ」

「風船は一つの重要な要素がいる。それは空気だ。風船に空気を入れることで、形を保ち、浮かび続けることができる」

「空気は人生における情熱や夢、希望を表している。私たちは自分の情熱や夢を追い求めることで、人生の風船を膨らませることができるのだよ」

村人たちは考え込みました。老人は微笑みながら続けました。
「風船には限界がある。空気を入れすぎると、風船は弾けてしまうか、飛ばされてしまう。人生も同じで適度な情熱とバランスが大切だよ」

「風船は私たちの夢や希望を象徴する。私たちがそれを膨らませる限り、その可能性は無限大だ。だが、風船には限界がある。膨らみすぎると、強風や鋭い物に触れると破裂することもある」

村人たちは考え込みます。自分たちの夢や希望がいつも安全な範囲内で成長するわけではないことを理解しました。困難や試練がやって来るとき、夢は危険に晒され、破れてしまうかもしれないのです。

「風船が破裂してしまっても、それは失敗ではない。逆にそれは新たな可能性の始まりなのだ。破れた風船から、新しい風船を作り上げることができる」

村人たちは老人の言葉に励まされました。失敗や挫折が訪れても、新たなチャンスや成長の機会が待っていることを知りました。彼らは自分たちの夢や希望を持ち続け、逆境に立ち向かう勇気を持つようになりました。

老人は最後に言いました
「これを読んでいる諸君。夢や希望を持とうではないか。空気を吹き込み続けてさえすれば、いつかは必ず、叶うものだよ。ときには失敗しても良いのだ。自分を信じるんだ。困難や苦労も付いてまわるだろう。だが、それがどうしたというのだ。人生は一筋縄ではいかない。良いことも悪いことも含めて、人生を楽しもうではないか」

(終)

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