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あんまりないと思うけど、こんなことがありました

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あんまり体験することがないんじゃないかと思われることの体験談
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2020年8月の記事一覧

平和のための子育て

平和のための子育て

自己紹介を。

ハヤシヨーコです。基本的には、私は農家のヨメです。長野の山奥にある限界集落で暮らしています。旦那がバイオダイナミックという有機農業をやっています。そのおかげでボランティアが世界中から集まり(と言っても、ほとんどが欧米人)、おなじ屋根の下で暮らしています。(ほぼ鎖国状態の今年は、外国からのボランティアは皆無)ですから、日常は旅館の女将状態。ボランティアが居心地よく過ごせるように、慣れ

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行ってらっしゃい帰っておいで

行ってらっしゃい帰っておいで

第三子として生まれてきたわたしは、幼い頃から孤独でした。それもそのはず、わたしが生まれる前から兄と姉がいて、二人は年齢が近くすでに仲良しでした。人間関係が出来上がっているところに、歳の離れたわたしが生まれてきても、兄と姉の世界には入ることができませんでした。

きっと二人はわたしを仲間はずれにしようと意地悪なことをしていたのではなく、ただ、歳の離れた兄と姉の中には入れなかったのです。遊びも違うし、

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犬を土葬した8月2日のこと

犬を土葬した8月2日のこと

犬が死んで4日目。朝から私は丘の上で穴を掘った。死んだ犬を埋めるために。

土葬するには広く深く穴を掘らなければならない。狭い穴だと犬が窮屈そうな体勢になるし、浅い穴だと野生動物が犬の匂いを嗅ぎつけて、穴を掘りおこして犬を食べてしまうからだ。今朝は梅雨が明けたばかりの青空が広がっていたけれど、直射日光はさほど強くなく、穴を掘るには最高の天気だった。

2ヶ月ほど異常に長く続いた雨のおかげで土は柔ら

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犬と走馬灯

犬と走馬灯

いつか昔、おじいちゃんが「人が死んだら、生きていた時の一瞬一瞬の記憶がよみがえる」って言ってた。犬が死んでからの3日間、私の頭の中では、すっかり忘れていた犬との出来事が走馬灯のように駆け巡っている。私は死んではいなけれどね。

北海道のボロい青い家で鹿の足をひたすら食べていたこと。京都のマンションのベランダで赤くなったばかりのイチゴを食べられたこと。長野の里山で小さな子どもの歩調に合わせて歩いてく

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