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クラフトビールを飲みに行こう ⑤ #Y.MARKET BREWING KITCHEN

名古屋に行く用事があったので、Y.MARKET BREWING KITCHEN に行きました。Y.MARKET の直営店は初めて!という話。

突然こんな話もナンなのだけれど、岡山県出身で首都圏在住の自分だが、愛知県民の知り合いが多い。某ナゴヤ球団のファンという繋がりで得た知人も多いし、親戚も愛知の人と結婚してその地に居着いたり、大学時代の友人、会社に入ってから同じ寮だった同期だったり、色々だ。人生における直接の関わりが無くても、なんだか縁のある土地というのはあるものだと思う。勿論そうでない人も多いが、吝嗇かつ見栄っ張り、一点豪華主義と言われる県民性が、自分の性向とも合うのかもしれない。

とはいえ、では同地の地理や街並みについて自分が熟知しているかというと、何度か訪れた際にもゆっくり動き回るような時間が取れず、正直なところ全然詳しくない。それは、年に何回かの国内旅行で偶々中京圏を選んでいないからであり、今いる会社が偶々中京圏に縁がなく出張等もないからでもあり、何より、一時の(正直、ここ暫くの)某ナゴヤ球団の戦いぶりが、偶々なのか黄金時代の反動による必然か、いまひとつ現地観戦の意欲を沸き立てなかったからでもある(ナゴ...某テリンドームの構造・設備にも色々言いたいことはあるが、それはまた別の話)。

訪れるときは大抵親戚関係の用事のため、自由時間が少ない」というのも、理由の一つだ。今回、コロナ禍が落ち着いた間隙を抉じ開けるようにした7月頭の旅行もその御多分に漏れず、哀れ既婚者、名古屋の繁華街近くに宿泊した私の自由になる時間は、夕方から夜にかけての三~四時間ほど。遠出はできない。美術館は既に閉まっていて、球場のチケットは持っていない。

遠い夜空にこだまする
竜の叫びを耳にして

というのは、某ナゴヤ球団の応援歌のフレーズだ。しかし、今日もまた自分には、竜の雄叫びは届かないのか。そういえば今季の展開にも大いに不満がある。シュウヘイが更に一皮剥けてくれれば。オオノが昨年ばりのエースぶりを見せてくれれば。ネオ君が期待値に相応しい打棒の冴えを見せてくれれば...!

徒然とそんなことを思っている自分の耳に、さっき新幹線を降りたばかりの名古屋駅の方面から、奇妙な音が聞こえてきた。それはまるで、エアロックから空気が噴き出すごとく、派手ではないが静かな力強さを感じるような。

ボコ、ボコ...。

これは、

ボコ、ボコ......。 

間違いない、

ボコ、ボコ.........。

ビールの発酵音だ。

そんな気がした。

今や名古屋、いや愛知、東海を代表するクラフトブルワリーである Y.MARKET BREWING が醸造を開始したのは、'14年の1月。いまもその醸造所は名古屋駅から程近い「柳橋中央市場< YANAGIBASHI MARKET >」の一角で営まれている('19年には名古屋市西区に新工場もオープン)。

ちょっと東京駅八重洲口に似ている名古屋駅桜通口から地下道をしばらく進むと、中央市場付近のエリアに出られる。年季の入った居酒屋や企業ビルに小洒落た今風のバル等も混在する一角に、これまたレトロモダンなステンシル調のロゴが施された無骨なビル。名古屋駅から伸びた地下道を出て入り口側に回り込むと、迫力ある醸造タンクがいくつも並んでいるのがガラス越しに窺える。

醸造所の二階、三階は出来立てのビールが楽しめるレストランになっている。二階はロティサリーチキンやメキシカンなど多国籍な料理を楽しめる Y.MARKET BREWING KITCHEN、三階は予約制のバーベキューレストラン、柳橋TERRACE。今回、自分は数年ぶりに再会した愛知の友人を伴って、二階の KITCHEN のほうを訪れた。

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カウンターとテーブル席を備えた広々とした店内は、ウッディかつ開放的な印象を湛えたモダン・アメリカンテイスト。束の間の自由をビールの黄金色で愉しむには、うってつけの空間に思えた。

Pilsner

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お店のメニューでも一杯目に推している、王道ピルスナー。

ノーブルホップらしい花模様なキャラクターを穏やかながら確として感じる、ザーツのシングルホップ。爽やかな草っぽさを伴った苦味、モルトの甘さも堅固に存在感を発揮している。炭酸は強くないが細やかな刺激。間違いなくスッキリしてるのに、印象濃くて飲み応えがある...!

たぶん時間が立つとホップよりモルトのほうが強くなってくるんじゃないかと思った。それが、とびきりフレッシュな状態で飲めたために、ホップの主張と良い塩梅のセッションになっている。

ボヘミアの風を感じる一杯。馬肉のカルパッチョをツマみながら楽しめた。

Abv. 5.0%

アロマ :★★☆☆☆
→ 花、ハーブ、レモン
フレーバー :★★★☆☆
→ 草、パン
テイスト
→ 苦味 :★★☆☆☆
→ 甘味 :★★★☆☆
→ 他 :-
炭酸 :★★★☆☆
ボディ :★★☆☆☆

Yellow Sky Pale Ale

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柚子の皮を使ったペールエール。

アロマはフレッシュなアメリカンペールエールそのもので、グレープフルーツのような柑橘の印象が強いフルーティな芳香。

一方で、フレーバーはかなり新味を感じた。香りから想像した強い柑橘感はスッと後景に移り、柚子皮の爽やかさ・ホロ苦さが鮮烈なアピール。全体像は淡白めでクリア。アロマとフレーバーで印象がガラリと変わるタイプのビールは、面白いなぁ。

食をドンドン進めてくれるタイプのフルーツエール。コッテリと繊細さが同時に味わえる、アナゴのフィッシュアンドチップスと一緒にいただいた。柚子なので、味噌系のナゴヤ飯にも合うかも。

Abv. 5.5%

アロマ :★★★★☆
→ グレープフルーツ、オレンジ
フレーバー :★★★★☆
→ 柚子、ライチ
テイスト
→ 苦味 :★★☆☆☆
→ 甘味 :★☆☆☆☆
→ 他 :-
炭酸 :★★★☆☆
ボディ :★★☆☆☆

Hysteric IPA

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これは、'10年代前半、つまり、おそらく今20代後半~30代前半のクラフトビールファンが「IPAを好きになった時期」の IPAを彷彿とさせる、そんな一杯。

柑橘アロマの先に、口に含めば松やストーンフルーツ系のキャラクターも出てくる、華やかかつ奥行きもあるホップの構成。IBU も 60台と高いが、数値の印象以上に苦味はガッツリと感じた。モルトも存在感があり、腰強さを感じる甘味に、香ばしさも健在。飲み応えバッチリの銘柄だ。

それにしても、現地のブルワリーの旗艦的な銘柄を新鮮な形で飲むのは、やはり素晴らしい。旅行に来た実感がヒトシオ。ハラペーニョを乗せたホットなピザと一緒に、グイグイ飲んだ。

Abv. 7.0%

アロマ :★★★★☆
→ シトラス、グレープフルーツ
フレーバー :★★★★★
→ シトラス、グレープフルーツ、松、ピーチ
テイスト
→ 苦味 :★★★★★
→ 甘味 :★★★☆☆
→ 他 :-
炭酸 :★★★☆☆
ボディ :★★★★☆

Oats Swamp Hazy IPA
(オーツ麦の沼)

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トロピカルさとオーツ麦のキャラクターを前面に出した Hazy. 

南国系フルーツの印象が強いアロマ・フレーバー、甘味あるテイスト。飲んでいくと、なんだか多幸感めいた感覚が沸き立ってくる(だいぶ杯を進めたからかもしれない)。

そして「」。Hazy 系において、まろやかさを引き出すためにオーツ麦はしばしば使われる。こちらのビールは、その名を冠するだけあって、特別に口あたりがマッタリとして堪らない。蒸し暑い時期はスッキリと軽いビールを...と世人は言う。当然一つの正解だ。しかし、あえてネットリムンムンとした暑気に対抗するような、濃厚なスタイルで応じるのも悪くない。そんなことを考えた。

一緒に食べたのはロティポーク(豚肉のロースト)。強めの味付け、パリパリの皮、ムッチリした肉質。ごちそう感が嬉しかった。

Abv. 7.0%

アロマ :★★★★☆
→ マンゴー、パッションフルーツ、オレンジ
フレーバー :★★★★★
→ マンゴー、パッションフルーツ、ピーチ
テイスト
→ 苦味 :★★☆☆☆
→ 甘味 :★★★☆☆
→ 他 :-
炭酸 :★★☆☆☆
ボディ :★★★★☆

ということで、美味しいビールをしっかり飲むことができたし、旧友とも会えて素晴らしいヒトトキを過ごした。名古屋を訪れる新しいモチベーションも作れたというものだ。贔屓球団の調子はどうにもできないが、自分の気分の調子ならば上向きにできる。大人だから。否、酒飲みだからだ。

Y.MARKET の店舗は他にも数店舗ある。自分が気になっているのは、岐阜の YELL!ALE!!GIFU というお店。歴史あるダンスホールを使ったクラフトビール × 肉バル × 中華のお店だそうだ。なんとも「行ってみないとわからない感」がすごい。

そういえば岐阜にも友人がいた。次の旅行プランが、浮かんできた気がする。

あんまり関係ない話。

ODD TAXI、最終話まで見ました。

キレイにオチたけれども、もっと噛み締めたいので再度一話から観賞開始。一話がバキバキに推進力があったことを改めて確認した...続き見ようかな...時間が......。

以上。


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