自分が読んで自分が楽しくなる/『読みたいことを、書けばいい。』を読んで
自分の病気に関する学びをアウトプットして病気に対する理解を深めたいな
→アウトプットすることで同じ病気で苦しむ他の人の役に立てたら嬉しいな
→また、日々の出来事や考えも発信していきたいな
→発信を重ねるうえで、あわよくば文章のテクニックも身につけたいな
→良い文章が書けるようになったら、あわよくばより多くの人に見てもらえる記事を書きたいな
→より多くの人に見てもらえる記事を書ければ、あわよくばアフェリエイトや有料noteで稼ぎたいな
→稼げるようになれば、あわよくば文章を書くことを副業にしたいな
→文章を書くことを副業にできれば、あわよくばお金持ちになりたいな
上記は、病気で自宅療養中の僕が、noteを始めた当初の気持ちから、現在の考えに至るまでの変遷です。最初は崇高な目標を掲げてnoteを始めましたが、だんだん欲望が肥大化しています。(さすがに初心を完全に忘れてしまっている訳ではありません。)
お金持ちになりたいというのは冗談ですが、多少は文章で稼ぐ方法も勉強したいなと思い始めていたのは事実です。そんな時に読んだのが、こちらの本です。
この本には、残念ながら文章を書くことでお金を稼ぐ方法は書かれていません。しかし、それよりも、文章を書く上で忘れてはならない大切なことが詰め込まれています。
文章を書く上で大切な心構え
本書は、世間によくある「文章テクニック本」ではない。わたしは、まがりなりにも文章を書いて、お金をもらい、生活している。だが、そこに「テクニック」は必要ないのだ。(P.4,5)
本書では、「自分が読みたいものを書く」ことで、「自分が楽しくなる」ということを伝えたい。(P.6)
読み手など想定して書かなくていい。その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。(P.99)
文章を書く際に、「自分が読みたいものを書く」ことで、「自分が楽しくなる」という視点は、僕には全くありませんでした。その視点がなかったため、冒頭で述べたように、僕の文章に対する気持ちはブレてしまったのでしょう。
また、同じ病気の人の役に立ちたいと、ターゲットを想定してしまっていたのも、どうやら良くないようです。さらに、文章のテクニックも身に着けたいと思っていましたが、文章テクニックとやらも、どうやら必要無いようです。
つまるところ、僕の文章に対する心構えは、根本的に間違っていたようです。「自分が読んで自分が楽しくなる文章」を書くことが、文章を書く上で最も重要なことであるようです。
自分が読んで自分が楽しくなる文章とは
では、「自分が読んで自分が楽しくなる文章」は、どうすれば書けるようになるのでしょうか。
僕はまず、自分なりにユーモアを盛り込んでみることが大切なのかなと思いました。実際、この本を読んだ人は誰もが感じると思いますが、全ての文章がユーモアにあふれています。そこかしこに笑いどころが散りばめられており、あっという間に読めます。
しかし、こうしたユーモアは、時には批判されることもあるそうです。それに対し、作者は、
「この人のギャグはすべっている」と批判してくる者もいる。しかし、すべるのがスキーだ。すべることもできない人間は、すべろうともしてないのだ。(p.114,115)
としています。強気の姿勢です。僕もこれからは、強気の姿勢で自分が面白いと思ったユーモアを文章に盛り込みたいと思いました。
しかし、「自分が読んで自分が楽しめる文章」とは、ギャグを入れることだけではありません。それは浅はかすぎます。もっと本質的なことが、この本には書いてあります。
書くという行為において最も重要なのはファクトである。ライターの仕事はまず「調べる」ことから始める。そして、調べた9割を棄て、残った1割を書いた中の1割にやっと「筆者はこう思う」と書く。(P.147,148)
筆者は、ライターとしての文章の書き方について、このように述べています。つまり、自分が思ったことを、ただ自分が面白いように書けばいい、という訳ではないのです。「調べる」という行為が、一番大切とのことです。
では、調べた内容が9割の文章で、どうやって「自分が読んで自分が楽しめる文章」が書けるのでしょうか。その点について、筆者は次のように述べています。
対象を「愛する」方法には2つある。(P.182)
A:資料を当たっていくうちに「ここは愛せる」というポイントが見つかる
B:ざっと見て「ここが愛せそうだ」と思ったポイントの資料を掘る。自論を強化するために良い材料をそろえる。(P.182)
調べることは、愛することだ。自分の感動を探り、根拠を明らかにし、感動に根を張り、枝をはやすために、調べる。(P.185)
例えば、映画の感想を書くときに、ただ自分が感動した部分を述べた文章はつまらないということです。本当の意味で、「自分が読んで自分が楽しめる文章」とは、9割の「調べる」という行為の過程で、自分が愛せる部分を深堀りし、感動を広げることで、初めて作ることができるということだと、僕は解釈しました。
自分の感動に、根拠を追い求めることで、さらなる感動を得ることができれば、とても素敵なことだと思います。これからの人生、多くの文章、映像、作品に触れ、その都度調べて文章を書くという行為を繰り返し、自分の心をより豊かなものにしていきたいです。
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