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【モンサントの除草剤】グリホサートとジカンバの関係 遺伝子組み換え誕生の裏側

モンサント社がつくり出した化学物質
グリホサート と ジカンバ

今回、グリホサートを使ったラウンドアップ、アメリカの家庭用には販売しません、とバイエルが発表しました。訴訟を起こされて、おカネがかかって大変だからです。毒性を認めて、ではありません。あくまでおカネ。

グリホサートとジカンバをもとにしてつくられた除草剤がたくさんあります。

製品名だと、グリホサートは
ラウンドアップ 
タッチダウン
サンフーロン
草枯らし
クサクリーン
クサころりん
除草剤 速効除草剤
ネコソギロングシャワー
根まで枯らす虫よけ除草王プレミアム
うすめて使う速効除草剤
草をトルトル アミノ酸 ジョウロでまくだけ安心・簡単除草剤
除草剤 はやうち(MCP入) 非農耕地用
草枯れ太郎(非農耕地用)
・・・・・・

ジカンバは
クズコロン
バンベルD
・・・・・・

グリホサート、アミノ酸系でやさしい、などと書かれていることもあります。

ジカンバ、MDBAと書かれていることが多いです。ネットなどでパッと見ると、ジカンバが入っているかどうかわかりません。

ココに掲載している農薬は、成分表、SDSをみて、グリホサート、もしくはジカンバが入っていることを確認しています。(2021年9月3日現在)

グリホサートは周囲に漂う被害が少なく、特許も切れているので、後発薬がたくさんあります。製品が多すぎて追いきれません。除草剤を購入するときは、裏の成分をよく読んでください。

グリホサートとジカンバは 切っても切れない関係があります。



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除草は大変な仕事

アメリカの農地 見たことありますか?

小麦畑 といったら、どこまでも小麦が続く畑。

画像1

日本では北海道…大きい畑がある感じがしますが、そんなモノではありません。あまりに広大。こんなところに雑草がわんさか生えたら。除草がものすごく大変です。

以前、北海道の農家さんから、こんな話を聞いたことがあります。

昔々、農家の仕事は 
馬の操作:夫
除草:妻

という役割分担がありました。
馬がトラクターになっても、その分担は変わっていないそうです。

北海道でも農業の大型化、機械化が進み、1つの畑が大きくなりました。大きくしないと、機械を動かすときに効率が悪いからです。

すると、除草も大変になります。

小さいクワのような「草かき」を使って、炎天下、草をかき続けなければいけないのです。北海道の畑、学校の運動場みたいです。ひょっとしたら、運動場より大きいかもしれません。そこを、作物を傷めないように、草をかき続ける日々。想像してみてください。

妻にしてみれば、トラクターも運転できるのに、なんで私だけこんな過酷な仕事をしなければいけないのか、となります。

それで、夫は 作物にちょっと影響があっても、除草剤を強めにして、妻の負担を軽くする。そうじゃないと夫婦険悪になるから。

というのです。

なるほど。納得しました。作物も大切だけど、家内安全のほうがもっと大切です。この二つの妥協点を 農家さんは日々模索しているのです。



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夢のような作物と除草剤が現れた‼

除草は大変、農家さんの悩みのタネです。そんな時、作物以外を枯らす除草剤と作物がセットで現れたのです。

ラウンドアップ
ラウンドアップレディ作物

です。

除草剤も土の中ですぐ分解される、といいます。おまけに人間に害はない、という触れ込み。耐性雑草はありません。

飛びつく農家さんがいても、不思議ではありません。

あっという間に世界中に広がりました。

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ラウンドアップ耐性雑草が現れた

それが、、、ラウンドアップ耐性雑草が現れたのです。

ラウンドアップとラウンドアップレディ作物が売られ始めたのが1996年。

アグリビジネスの市場調査会社、ストラタス(Stratus)の最新調査によれば、グリホサート系除草剤が効かない雑草が生えていると答えた農家は、2011年には米国の農家全体の34%だったが、2012年は49%と半分に迫っている。


これ、農林水産省のPDFです。
タイトルからいって、2016年9月にアメリカを査察、その報告をしたときの資料だと思います。

このPDFにもあるとおり、

3.新たな耐性雑草が発生しないための取組
この問題への対応策として、大手種子会社や研究機関では、通常の防除方法を組み合わせて複数の除草剤を使用することや、異なる除草剤とその耐性を持った作物の組み合わせを複数用いた輪作を提唱している。

もっと強烈な除草剤を使わなければ…

そこで、出てきたのが ジカンバ なのです。



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最強コンビ 現る

グリホサート耐性 かつ ジカンバ耐性 
そしたら、農薬も二倍売れます

グリホサートとジカンバ耐性の遺伝子組み換えタネをつくり、売り始めました。

グリホサートとジカンバ、こういう背景があるのです。


そして、ジカンバが事件を引き起こしました。


日本でもコメが出荷停止になり、賠償問題に発展したことがあります。

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科学技術 には限界がある

一見、夢のような技術 遺伝子組み換え作物化学合成除草剤

けれども、

①遺伝子組み換え作物 化学合成除草剤 をつくる

②除草剤が効かなくなる

③もっとすごい除草剤を作る 対応遺伝子組み換え作物 も開発する

④除草剤が効かなくなる

・・・・・・①~④の繰り返し 悪循環にはまるのです。

そうしているうちに、除草剤が周囲の植物を殺し、土壌微生物を殺します。種の多様性を破壊します。



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科学技術に頼った結果、地球の資産を食いつぶしているのが現状です

プラネタリー・バウンダリー という考え方。

農林水産省が発表した「みどりの食料システム戦略」でも取り上げられています。

農林水産省「みどりの食料システム戦略」関係資料を貼り付けました。
3ページ目にこの図が出てきます。

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遺伝子組み換え技術は 種の絶滅の速度 土地利用変化 窒素リン 新規化学物質 大気エアロゾルの負荷 と強い関係があります。

新規化学物質 大気エアロゾルの負荷 
この二つは定量する仕組みがないので評価できないのです。安全、という意味ではありません。

科学技術の多用で 地球の限界 を超えようとしている今

「みどりの食料システム戦略」では、科学技術を使って危機を乗り越える と言っています。

それでは、問題の先送りにしかなりません。
今までそうだったじゃないですか?

アインシュタインが言いました。

「ある問題を引き起こしたのと同じマインドセットのままで、その問題を解決することはできない」

私たちは、科学技術 というマインドセットを打ち破らないと、気候変動 環境破壊という問題を解決することはできません。

そのために何ができるか。

私たちの生活 根っこの部分から考え直す時期だと思います。

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