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「The 消費者」に仕立て上げられ、人間性を壊されていませんか?

これは、オーガニックバーを経営しながら米を作り、後に完全移住した髙坂勝さんの著書です。

経済成長至上主義は、庶民を「盲目的に会社の言うことを聞く」「The 消費者」に仕立て上げ、大資本に都合がよい仕事をさせつつ、一生お金を使って大資本に奉仕させる制度です。


生きるために働いているはずなのに、死にそうではないですか?

売り上げのために、お客さんに嘘ついたり、体に悪いと分かっているモノを売っていませんか?

「そんな会社、やめればいいんです!」というのが本書。色んな名言があるので、ココでご紹介したいと思います。


経済成長を目指すからすべての不幸が生まれている(p17)

人口が減っているのに、売り上げだけが右肩上がりって変じゃないですか?

あと、「付加価値」って本当に必要ですかね?非常用ならともかく、ペットボトルやウォーターサーバーの水って、「マイクロプラスチック入りの、古い水」だと思いませんか?


湧き水や井戸水を飲めば、お金はかかりません。実際、私の実家は集落全体で湧き水を利用していて、水道料金は3000円/年です。

経済成長を目指せば、全世帯でウォーターサーバーを設置するのが正しいでしょうね。けれども、それって幸せでしょうか?


モノのために過分に働くハメになるし、所有が多いほど身軽さを失う(p33)

モノが多いと、置き場所を作らないといけません。つまり、モノのために家賃、固定資産税を払わないといけないんですよ。

モノを買うため、置くため、維持するために、余計に働かないといけません。

これって、豊かですか?


違うものには違う、と言おうと決めた。それが自由だ。(p36)

私の実家は有機農家ですが、私は仕事で農薬の毒性試験をしていました。

殺虫剤、殺菌剤、除草剤。生物を殺すんだから、絶対毒なんですよ。それを、「ここまでなら安全」って試験をするのが、本当に空しくて。


おまけに、実際試験をするのは、私のような派遣社員。農薬の原体を使いますから、かなり危険です。

派遣先の正社員は、快適な事務室で、私たちが解析したデータを見るだけ。実験室には派遣社員だけってことが常でした。



そんな時に、コロナ禍。派遣は毎日出社ですが、派遣先の正社員にはテレワークが導入されました。

派遣社員にも、データ解析のお仕事がありますから、テレワークは可能なはずなのに、「契約にないから」と認められなかったんです。


緊急事態宣言が出されたころ、舅が危篤に。夫は完全テレワークですが、私は毎日電車で通勤。私がコロナになれば、夫は病院に行けません。そこで、私は事情を説明して欠勤することにしたんですよ。

派遣先は「いいですよ。ご家庭を大切に。」といってくれました。けれども、派遣会社が「お金が入ってこないのは困るから、仕事に行け」と。

私は、上司の上司に「これは会社の意向ですか?」と確認しました。そしたら、「平社員のお前が、俺に直接メールを送ってくるとは何事だ?立場をわきまえろ」と返事がきました。

結局、「企業倫理ホットライン」を使って、本社人事部の意向を確認。「アナタが正しい」と言ってもらいました。会社は辞めましたけどね~。


給料を人質に取られると、「自分の正しさ」を貫けません。そのためにも、「The 消費者」から抜け出し、「経済成長のレールから外れること」をおススメします。



もはや、食べ物が食べ物でない、食べ物は工業製品なのだ。(p119)

最近の加工食品は、「食品サンプル」です。

見た目はキレイですが、素材の味が全くしないし、いつどこで食べても同じ味。これって、実は変なんですよ。

だってね、「このお米はモッチリしている。冷めても甘味が強い。」とか言うじゃないですか。素材には旬があり、特有の味がするんです。

けれども、今じゃ旬も味も、あったもんじゃありません。



たとえば、「トマト鍋」

トマトの旬は夏です。なのに「冬にトマト」って、変じゃないですか?

この鍋の素、生のトマトを5つぐらい入れないと、甘くて食べられないんです。「真冬でも生トマトを消費できる商品」として、トマト畑を持つカゴメが開発したんだと思いますよ。

冬に加温したハウス内で育てた夏野菜……。私には違和感しかありませんが、「はっきりした味が子どもに人気」で、売れているそうです。

これも、「The 消費者」「経済成長」の典型例ではないでしょうか。



少しでも自給しよう。そして「The 消費者」から抜け出そう。(p137)

GDPを減らそう。経済界と政界には怒られそうだ。でも幸福感は増すのだから。(p137)

お金を使わなくて困るのは、経済界と政界です。

お金に振り回されるのではなく、上手に使う「賢い消費者」を目指しませんか?

食べ物を自給して、自分でいろいろ賄えば、お金を使う場面が減ります。たとえば、加工食品を使わず、農家から野菜を直接購入、調理すれば、使うお金が本当に減ります。

都会にいると、完全にお金を使わないのは無理ですが、使わない方向に生活を持っていくのは可能です。


格差で暮らしが厳しくなるのも、ミサイルを落とされるのも、戦地へ派兵されるのも、みんな庶民である(p276)

戦争で古い兵器を消費、新しい兵器の試し打ち。復興景気で儲かるのは誰でしょう。ロシアのウクライナ侵攻で分かりましたよね。

経済成長を追求すると、格差が広がり、最後は戦争に行きつきます。そして、いつだって、振り回されるのは庶民です。


だから、経済界や政界の「経済成長しよう」に騙されてはいけないんです。



この本を読めば、イヤな仕事で経済的豊かさを求めるのが、アホくさくなります。同時に、「生きる事を楽しむ手段=ナリワイ」を見つけることができますよ。

「The 消費者」をやめたい方に、一読をおススメします。

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