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My本棚のその後と余談。
初のマイ本棚の続編を無事に公開できた。
仕事が年明け最初の佳境に入ったおかげでなかなか更新が滞ってしまっていたが、こうして日の目を見ることになりホッとしている。
昨年の7月に購入したサイズオーダーの本棚。
まずはその収納力に脱帽している。
分厚い単行本や図録が多いため当初100冊程度が妥当かと思っていたが、奥行きがあるのにも助けられ現在優に200冊は収まっている。
前回お迎えした日。
実際に部屋に搬入されると、展示会のサンプルで見た時以上に大きいサイズに見えた。「まずい、寸法を図り間違えたか…」とかすかに頭を過ぎった。
さらに2階への搬入だったため間取り的に厳しい場合は窓からの吊上げ方式も覚悟したが、何とか納品され、今もこうして部屋の片隅に鎮座している。
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たわむなどの問題はない。
左右段違いで組み立てができるので、本の大きさにより高さを変えることもある。
しかしここ最近は実家から引き上げてきた書籍もあり増えすぎたので、この限られた空間にいかに本を傷めること無く収納できるかが悩みの種である。
(現に写真でもわかるように溢れている…)
では、現在の姿を順に追って見ていこう。
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2022年に「群像」で読んで以来、
特に印象的だった多和田葉子作品。
連載「太陽諸島」を始め、
「地球にちりばめられて」からの3部作は
異世界に出たような感覚にトリップする。
河出書房が昨年創刊した「スピン」は、
330円という驚きの価格で、名のある作家らが寄稿した文章をまとめて楽しめる。
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司馬遼太郎、吉田健一、辻井喬と
その時代を駆け抜けた文士たちが、
世の中をどう感じて、考えてきたのかを文章を通じて垣間見ることができる。
かと思えば川村元気、向田邦子、
岸本佐知子訳の海外文学など、寝る前に読み心を落ち着かせることもある。
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ミステリー好きの彼女から入門編として綾辻行人「十角館の殺人」とアンソニー・ホロヴィッツ「カササギ殺人事件」を推されて以来、ミステリーやサスペンスがスラスラ読めるようになった。
山田詠美対談集「メン・アット・ワーク」は、対談相手がすべて男性。井上陽水から石原慎太郎、京極夏彦まで、濃い男たちとのディープな会話が繰り広げられていて大変面白い。
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海外サスペンス系は総じて分厚い。
先日作家の羽田圭介氏がYou Tube動画で語っていたが、「分厚くて値段の高い本ほどハズレるって事はない。」と語っていた。
日本の出版社がわざわざコストをかけて世に出すことは、絶対面白いに違いないという解釈は新鮮だった。また、児玉清が最も愛した作家:ジェフリー・ディーヴァー、ディック・フランシス、ジョン・グリシャムのサスペンスを、登場人物の関係図を逐次参照しながらコーヒーを啜りつつ読むことが至福の時間だ。
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氏の小説・エッセイ・紀行文は生涯を通じて心の支えとなるだろう。
また文壇屈指のインテリ夫婦。
佐保子夫人の随想集や本業の美術史書籍も論点が纏まっており読みやすい。
なお各書籍の詳しい書評などは、他の類稀なる愛書家の皆様が様々な媒体で発表しているので、そちらを参考にしてここでは割愛されたい。
愛書から三選
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美術屋時代に勉強のため手に入れて以来、その鮮やかな現代的風景にすっかり魅了されている。
休日にぼんやり捲って眺めているだけでいい。
今年は東京都現代美術館で大規模展覧会も予定している。今から非常に楽しみだ。
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2022年に始まってしまった戦争。
悲惨な現状が今も続くロシアに最近まで学籍を置いていた著者が実際の眼で見たロシアの光と影。
今もウクライナ情勢に関心を寄せ続けられるのはこの本のおかげである。
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ドイツに在住して40年。
言葉に敏感な著者は日本語とドイツ語の特異性に早くから着目して、日記風に言葉遊びを展開する。
海外文学に目を向けるキッカケとなった、
昨年読んだ中でもベスト3に入る傑作だった。
■余談
「文藝」2009年冬号にて青山七恵さんと磯﨑憲一郎さんの対談の中で興味深い話が触れられている。
磯﨑さんが川上未映子さんとお会いしたときのこと。
川上さんが言うには、人間は刺青を半分くらい入れると刺青をした部分の皮膚が呼吸出来なくなるから、残りの刺青をしていない部分の皮膚が活性化されて死んだ皮膚を補おうとする。
その原理と同様に、仕事をしながら書く人は仕事から開放された限られた時間の中で密度を高めて小説を書くことができる。
曰く「刺青効果」と呼んでいるらしい。
私も日々の仕事やプライベートに忙殺され書く時間が限られている分、今回はちゃんと書くと決めて4日間ほど推敲しながら完成にこぎつけた。
誰が読もうが読まれまいが、まずは書き上げたことが嬉しい。
めげずに書く。これも本に教わったことである。
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