第三セクターで干されている話
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第三セクターで干されている話

今、私は職場で干されている。
会社には出勤しているが本当にやることがない。

個人業などチラホラしているが、主な仕事は自治体から委託を受け、地域事業を行うことだ。
立場としては所謂第三セクターの関係者ということになるだろう。

昨年までで私は担当している地域事業で他地域にも誇れる、それなりの実績を上げてきた。ただ、委託事業は当然委託元が権限を握っている。委託先が単独でできる小手先のテクニックのみでは、ここらが一つ頭打ちだった。

図抜けた実績を残す為には、他よりシビアな取り組み、意思決定が必要になる。地域事業でもそれは変わらない。
委託元も昨年より実績を残していこうと口では言っている。

そこで私は「これ以上の結果を残す為には、委託元の自治体が舵取りをし、委託先である私たちがその期待に応えることがより重要になります。地域の為、これから改めて一緒に頑張っていきましょう!」という旨の提案をしてきた。

そもそも事業とは実現したいことがあるから実行されるものである。
本来、委託を受けた私たちは委託元の要望を叶えるのが仕事だ。
先述のように小手先だけである程度は何とかなるが、そこから先は叶えたい要望の程度に応じて共同作業も必要になる。
つまり、丸投げじゃ良い結果は出せませんよ、という当たり前のことを言ってきた。

「皆さんが叶えたいことを是非、聞かせてください!私たちはその実現の為に頑張ります!」
地域事業を次の段階に進める為、ヒアリングをし、意思決定に必要な道筋を整え、実行に移すための体制を整えていたところ…

「僕らも何か考えないかんの?今まで勝手にしてくれとったやん」
「何かよくわからんし、別にしてほしいこともない」
「アイツが動くと面倒やな」
と嫌がられて実質、干されてしまったという訳だ。

まともに業務を行えていないため、昨対比はモリモリ低下。
業務上の問題も噴出し始めているが、誰もが見て見ぬふりというよくわからない状態が数か月続いている。

このような事態に陥っている主な原因は委託元である自治体の事業に対する目的・目標設定の甘さ、ならびに成果に対する責任所在の不在と私は考えている。

事業に対する目標設定は一応存在しているものの、全く機能していない為、全ては担当者の思うがまま。
また、役所内の人事評価は「よほどのこと」が無い限りは全て横並びの為、責任者は肩書のみで置物状態。

事実、この数か月、業務という業務は行われていないが、先日ようやく自治体が主催した事業者向けの説明会は参加者わずか2人であった。
3ヵ月以上準備期間があったのに2人しか来なかったのである。どんなに忙しくて片手間でやったとしても10人は来るだろう。私の感覚では業務怠慢で絞られる案件だが、お咎めは一切ない。

それほど需要が無い内容かというとそうではない。昨年私が主催したものには約40人の参加者がいた。
昨対比がモリモリ下がっているのも含めて、どうやらこの程度は「よほどのこと」ではないらしい。

担当が握りつぶしているのかと思い、課長、さらには部長に働きかけても「あぁそうなんだ」で終わり。
誰もが問題に向き合いたくないし、向き合わなくて良い体制ができあがっている。これも税金という財源のなせる業だ。税金パワー恐るべし。

とはいえ私も当事者の一人。関係者である以上、自身にも責任があると思い、これまで矢面に立ち、責任感をもって主体的に事業を進めてきた。
ただ、本来委託先は委託元のやる気が無ければ、相応の成果しか残せない。実際問題、それを言い訳にしてもしょうがないので、可能な限り動くものの、やはり限界がある。
そして、いざ委託先から暗に「何もすんな」と言われれば、最早どうしようもない。

幸い個人業の方が、うまくいきそうなので、この職場にしがみつく気はサラサラない。ただ自身が取り組んだ事業が目の前で瓦解するのを見るのは、やはり気分の良いものではない。

事業主体として適していない自治体が旗振って事業を行おうとすると歪みが生じがちである。
目的・目標なく推進され、採算度外視で民間事業のパイを食いかねない。
現に地方では自治体主導の似たような失敗事例が次々に生まれている。
同じ失敗に陥らないよう、意識をもって主体的に取り組んでいたつもりだったが、残念ながら教科書通りになってしまったようだ。

前向きな失敗なら、巡り巡って地域の為になるかもしれないが、怠慢が原因なら話は別だ。それが意欲のある人の気を削いでしまっている場合なら、なおさらだ。
よくこのように地域外に人が出ていく事例を耳にするが、いつの間にか、私もそれを検討している者の一人になってしまっていたようである。


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ふるさと納税関連企業に努めています。個人業としてクラウドファンディングコーディネート、チラシ・広告作成、ライターなど展開中。「地域の為に」と頑張ってきましたが、何が地域の為になるのか迷走してきた今日この頃。