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元上司・田端信太郎さんと、“マネタイズおじさん”のすごさ
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組です。
このnoteは音声番組の内容を読みやすく要約してお届けしています。第17回は「いままでに出会ったすごい上司(田端さん&川崎さん編)」です。
サマリー
田端信太郎さんはハッキリ進言するので上の世代に可愛がられる
マネタイズおじさんの実力に裏付けられたリーダーシップが凄い
記憶に残る上司はジェネラリストよりスペシャリスト
それでは、本編の内容をお届けします。
元上司、田端信太郎さんのすごさ
杉本:今回、私からは田端信太郎さんの話をしようと思います。
柳澤:しましょう、楽しみです(笑)。
杉本:僕は衝撃を受けたことがあって。2014年に社会人10年目くらいでLINEに転職した時のこと。
当時の田端さんは、上級執行役員でLINEの営業部門のトップだったんです。田端さんに同行してもらってお客さん先に営業に行った時の話。
メインで話すのは田端さんなんですよ。先方の偉い方が出てきて、向こうも役員かな。こっちも部門トップの田端さんを連れてきている。
LINEの広告の説明を一通り田端さんがして、先方の会社の話も聞くじゃないですか。で、そのときに衝撃だったのは、田端さんが途中で寝始めたんですよ….
柳澤:客先で? それはひどい(笑)
杉本:私がメインの商談で、田端さんが横で寝てしまうのならまだわかるんですけど、田端さんがメインの商談ですから。僕はびっくりして、「え、これ田端さんの商談だよね」って思いながら、横でつっついてみるんですけど。目の前にはお客さんがいますし、明らかに田端さん寝てるってわかるんです。
僕が代わりに受け答えをしていると、「田端さんお疲れですかね」みたいな感じで言われて。で、田端さんがたまに起きて、「ああ、大丈夫です、聞いてます」みたいな。いや、絶対聞いてないだろって思うんですけど。
それでもすごいと思ったのは、そのお客さんが、「いやいや、こんなすごい有名人の方にお忙しい中、わざわざ弊社にお越しいただいたことだけでも感激しております」と。
「こんなお疲れの時に、わざわざLINEのご説明をいただいて、非常に有意義な時間で、途中確かに疲れていたかもしれないですけれども、田端さんの言ったことが非常に的を得ていて、役員も非常に関心しておりました」って。
僕はびっくりしましたよ。普通、寝ないのは当たり前。これは当然なんですが、田端さんぐらいのインフルエンサーだと、それによってさらに何か希少性を増している状態になるんだと。
確かに田端さんはいい発言をしていたんです。北斗神拳でいうところの「秘孔をついた」発言をバンとして、お客さんも「あぁ確かに…!」みたいになったわけです。
だから1時間のうち半分ぐらい寝てても、1つの発言でお客さんの心を掴んだ。時間をかければいいわけでもなくて、結局、相手を納得させればいいんだなと。
仕事の成果って時間ではないし、非常識なことをやってもそれ以上に良いアウトプットをしていれば認められるのを目の当たりにして衝撃を受けたっていう話です。
そういう意味ではすごい上司だし、考えを変えられました。
直言するから、上の世代に認められる
柳澤:アクティビストとしてYouTubeでいろいろ言ってるけど、田端さん自信も色々やらかしてますね(笑)。
杉本:やっちゃってます。でも、面と向き合うと失礼のないように言うんですよ、うまく。
だから、上の世代にかわいがられる。田端さんははっきり直言するから。周りは言わないじゃないですか。だから、「あいつはなかなか活きの良い奴だ」みたいな感じになって、これがまたうまいなって思ってたんですけど。
田端さんのYouTube、まだ見てないんですけど、すごく評判が良いので、見なきゃなと思ってるんですけどね。
柳澤:すごいですよ、最近(笑)。
杉本:すごいですよね。田端さんの攻めが止まらなくて。大丈夫かな、巻き込まれないように、遠巻きに見ています。焚き火って近くであたると燃え移るじゃないですか。気をつけなきゃいけないなと思って、しっかりと遠目から眺めるようにしております。
マネタイズおじさんこと、川崎裕一さん
柳澤:僕がすごい人でパッと浮かんだのは、SmartNewsに勤めてた時の上司。川崎裕一さんっていう人なんですけど、Xだと「マネタイズおじさん」を名乗ってて、もともと起業家なんですよ。
起業する前は「はてな」という会社で副社長をやってて、その後に独立して、その会社をM&Aでミクシィに売却してグループ入りして、ミクシィがちょうど調子悪かった時にモンストのヒットでV字回復して、SmartNewsに入ったみたいな経歴。
僕がSmartNewsに入った時に川崎さんが営業部門のトップで、当時は営業が20〜30人はいたかな。まず僕が衝撃を受けたのが、営業がそれだけいて、4,5年誰も辞めてないこと。今どき珍しいじゃないですか。
杉本:すごく珍しい。
柳澤:営業職ってわりと流動性が高いっていうか、3年ぐらいで転職する人が多いのに誰も辞めてないのがすごいなと思って。別に仕事がぬるいわけじゃないんです。
「川崎さんと働きたい!」っていう人が集まった組織で、すごくエンゲージメントが高かった。
杉本:なんでそんな魅力があるというか、エンゲージメントが高いんですかね。
柳澤:まず、川崎さんは人格者なんです。今時こういう人いるんだっていう感じでしたね。
杉本:でも、ただの人格者だったら、世の中に結構いそうじゃないですか。人を惹きつける魅力が他にあったのかな。
コロナ禍でも「俺についてくれば大丈夫」
柳澤:あとはリーダーシップがめちゃくちゃありましたね。僕がスマニューに入社した直後にコロナになったんです。当然ながら広告業界も大打撃ですよ。大手のクライアントは全部広告止めます、みたいな感じになって。
2020年3月時点だと「この先どうなるかわからない…」みたいな状態。その時に川崎さんが広告部門のリーダーとして、この先の見通しみたいなのを彼なりの分析を元に解説してくれたんですよね。
その時は株価の動きを元に未来予測をしていました。株価は未来の動きを反映しているものだから、「俺の予測だとこの株価のチャートを見てると将来こうなる」みたいな。
「俺はミクシィもどん底の状態からV字回復してきたんだから、俺についてくれば大丈夫だ」っていうのを言い切った。
たぶん、本人も提示した未来予測が100%正しいかはわからないと思うんですけど、みんな不安でどっちに進んだらいいのかわからない、そもそも道すらも見えないみたいな状態で、「俺についてこい!こっち行くぞ!」って断言したんです。これがリーダーシップだなと感激しました。
杉本:人格者でありリーダーシップもあるけど、そこのベースになってるのは、ミクシィの経験もそうだし、単純に先を見通す力もあるのかもしれないけれども、ちゃんと実力の裏打ちがある感じがしますね、話聞いてると。
これって単純に「俺についてこい」だけのリーダーシップだったり、良い人格だけだったら、その状況は生まれてないですよね。
圧倒的にこの人は頼りになるっていうのが、みなさんわかってたし、それで「俺についてこい、安心しろ」って言ってくれるから。
実力があっても言わない人っているじゃないですか。わかってても言わないとか、表現が下手だとかあるかもしれないけど。それがみんなマッチしてるのがそのマネタイズおじさんなのかな。
柳澤:そう。やっぱりハードシングスを相当乗り越えてるからこそ出てくる言葉だなっていうのを、ふしぶしに感じました。
杉本:確かにミクシィって一時どん底でしたよね。でもモンストを当てて、いまもすごいじゃないですか。「みてね」もミクシィですよね?
はっきり言って一時のミクシィはオワコン感があった。周りから見てても、「ああ、昔mixiやったな、懐かしいな」って感じで、もう終わったものっていう認識だった。
それが、いま再び世界にチャレンジしてる。僕、本当にミクシィは大好きな会社なんですけど。
「みてね」は感情をやり取りしてまさにコミュニケーションする欲求を満たしてくれる素晴らしいアプリだと思います。僕はいまLINEより使ってますよ。
「みてね」は子供という被写体を通じて家族や親族をつないでいくことでコミュニケーションを生んでるじゃないですか。これはまさに人を幸せにするサービス。僕は課金してますけどさらに課金したいと思っちゃいますもんね。すごくファンです。
モンストでミクシィを復活させてくれてたから今の流れもあると思うし。だから今の話を聞いて、さっそく僕、マネタイズおじさんをフォローしました。
「0→1」フェーズのプロとして
柳澤:その光景を目の当たりにして、リーダーシップってこういうことを言うんだって思いました。誰もどっちに進んだらいいかわからない時に、「こっちに進めば大丈夫!俺を信じろ」的なことを言い切れる凄みがあった。
杉本:自信はあるけど本当にそうかって言われると、コロナは未曾有の危機だし、誰も経験したことない状況ですよね。
柳澤:そう。普通だったら、「どうなるかわからないけど、一旦こっちで頑張ってみよう」とかね。そういう枕言葉が入るところを、「こっちに行ったら絶対大丈夫だからこれやるぞ!」って言うんですよ。
杉本:そんな裏打ちができるようになるにはどうすればいいんだろうね。本を読んだり、学校に行ったりしてなれるものじゃないような気もする。
柳澤:川崎さんは、過去に何回もハードシングスをくぐり抜けてきたから自信があるんだと感じました。全く不安を感じさせなかったので。
杉本:いままでの上司の話をまとめたときに、私の軸だと振り切ったことをやってたり、尖ってるけれどもやりきっているような人が、私の中ではすごい上司だったけど、川崎さんの話を聞くと理想の上司な気がしますね。
ちなみに欠点とかはなかったんですか?
柳澤:川崎さんは自分でも言ってたんですけど0→1が得意だと。ただ90のものを100にするのはあんまり好きじゃないみたいです。適性が違うじゃないですか。だから事業立ち上げのスペシャリストなんだと思います。
杉本:なるほど。なんで聞いたかっていうと、上司っていろいろなものを求められがちだけど、六角形のチャートとかで全部が満点な人っていないじゃないですか。
だから、本当に誰も辞めなかったっていう川崎さんですら、絶対何か欠点があるはずだって私は思っていて、聞きたかったんだけど。
得意領域が明確にあるから、レイトステージのところは誰かに任せようとするだろうし、もしかしたらそういう状況になったら身を引いて他に移ったりもする。そういうことができるんでしょうね。
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