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田端信太郎ってどんなひと? 元部下が語る

40’s Biz talkは法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。

音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第18回は「誰も語らない田端信太郎伝」です。

サマリー
炎上で有名な田端信太郎さんは筋を通す一面も
2018年の著書「「ブランド人になれ!」はいまの働き方を予見
「秘孔を突く」一撃のキーワードを選ぶのがとにかく上手い


それでは、本編の内容をお届けします。


杉本:今日のエピソードは「誰も語らない田端信太郎伝」です。田端さんはよく炎上しているので危険人物というイメージがあるかもしれません。

柳澤さんも私も田端さんとは関わりがありますが、私は「田端信太郎ウォッチャー」でして、昔からTwitterで見ていました。

そして2014年からはLINEで部下として仕えた人物でもありますので、そんな私が身近に見た“田端信太郎”を語ろうというテーマです。

柳澤:最近、肩書きがアクティビストに変わりましたね。

杉本:そうなんですよ。何をやり始めたんだ、あの人は…って思ってるんですけれども。田端さんに関わった人は本当にかわいそうだなって思います(笑)。

たぶん、田端さんには悪気はないんですよ。悪気がないが故に困るんですけど、非常に筋の通ったことをしたいっていう思いと、面白いことをしたいって思いが強い方だと私は思っています。

一緒に仕事をするなかで思ったのは、筋を通すことをめちゃめちゃ大事にしている人なんです。「ここは武士の情けとして言わない」とかよくありました。

田端信太郎の人物像と、筋を通す姿勢

よく本人も言うんですよ。「ここまでしてくれたから、武士の情けとして俺はもうこれ以上は言及しない」とか。それを仕事相手にも、パートナー相手にも、部下にも言うし。

田端さんが仕える上司にも同じ。筋を通してくれる上司を慕っていく。そういうタイプです。これは僕の推測ですが田端さんがライブドアにいたことが、筋を通すことを大事にする人柄を作ったんだと思うんです。

なぜかというと、旧ライブドア系の人たちって、筆頭としてはホリエモンと呼ばれている堀江貴文さんとか、他にもLINEヤフーの社長になった出澤さんとか、他にもいろいろな方がいらっしゃいますよね。

ライブドアの方たちは、いまでもLINEヤフーに残られている方が多数いらっしゃいますけれども、その時にいた人がどんな境遇であってもまず話を聞くし、仕事として何か一緒にできたらいいなっていうことを考えたりする。

よくP&GマフィアとかPayPalマフィアとか、いろいろなマフィアっていますけど、僕はライブドアマフィアもいると理解しています。

むかしライブドアを支援していたコンサルタントの方がいたんですけど、その方が起業されたときには堀江さんも来たんですよ。

一升瓶を持って駆けつけて、「近くまで来たからさ、これで一杯やってくれよ」みたいな感じで、必ず関係者の晴れ舞台にはお祝いに行く。これは堀江さんの例ですけど、田端さんや他の人も結構大事にしていて、欠かさないんですよね。

「挨拶にスランプなし」っていう言葉あるじゃないですか。野村監督の言葉ですけど、やっぱり盆暮れ正月、ハレのお祝いの日には、そういう挨拶を欠かさないみたいなところ、その人たちからはとても感じるんですよね。

柳澤:義理人情を大切にする人たちなんですね。

杉本:そう。SNSでは面白いことを、愉快犯のように楽しむ田端さんしか見られないですけど、筋を通すというのはありますよね。

田端さんは愉快犯というか、面白くないことを面白くしようとしているようにしか思えないんです。サービス精神が旺盛なんですよ。観客の前で笑いを取ろうとするコメディアンみたいなところがあって、自己顕示欲とはちょっと違う。

ただサービス精神っていう感じで、みんな俺を見てくれ、笑ってくれ、みたいな。エガちゃんねるの江頭2:50さんが近いかもしれない。

柳澤:エンターテイナーなのかな。

杉本:そう、エンターテイナーなんだよね。それが周りの人に迷惑もかけてるって僕は思うんだけど、正直。

「そんなことねぇよ」って田端さんは言うでしょうけど。ちなみにどうですか。柳澤さんの距離感から見て、田端信太郎という人は。

柳澤:僕も田端さんとは何回か話したことはありますけど、皆さんよく言いますけど、礼儀正しくて優しい方ですよね。

杉本:そうなんですよね。

柳澤:SNS上だとちょっと危険な感じですが(笑)。

杉本:僕も2014年にLINEの面接で会う時までは、ファンだったんですけど、触ると危険っていう感じの人なんだろうなって思ってて。いまは金髪でゴツくてプロレスラーみたいな感じの風貌をしてますけど。

昔はビジネスマンだったけど、キレると怖いみたいな。触ると危険な印象があって。まあそれは当たってる部分もあるんだけど。でも実際会ってみると、「まともな人」って言われるよね。

「ブランド人になれ」の影響力

柳澤:独立してから、そのリミッターがさらに外れた感じはしましたけど。

杉本:LINEとかZOZOの時はやっぱりいい意味でリミッターがあったんでしょうね。「これはさすがに言うと会社に迷惑だ」みたいなね。

大前提として田端さんは、会社に迷惑をかけたいとは思ってないんですよ。迷惑をかけたら、それは申し訳ないと思ってる。

いまは独立して誰にも迷惑をかけないから、リミッターが外れているっていうのはありますよね。

柳澤:田端さんが2018年ぐらいに本を出したじゃないですか。サラリーマンとしての生き方みたいな本。田端さんみたいなキャリアの人が、当時は結構珍しかったんですけど、いまは増えてきたっていうか。

杉本:柳澤さんがおっしゃってる本は「ブランド人になれ」かな?

柳澤:そうです!

杉本:いまは普通になってきてると思うんですけど、会社に所属していながら自分のブランドを立てて、それで食っていくべきだよって言ったのは、田端さんが日本の中では初期の人だったんですよね。

他にも何人かいたと思うけど、会社員として上級執行役員までいきながら、フォロワーをめっちゃ増やして、ブランド人を体現するっていう生き方を示したのは、影響された方も多いんじゃないかと思うんです。

柳澤:そうですよね。あの頃はまだそういう人はあまり多くなかったけど、ここ2〜3年で急激に増えましたからね。

杉本:増えましたよね。2017年〜18年ぐらいに確かあの本が出たような気がするんですけど、その当時はまだ「営業」に関してSNSで語るアカウントは少なかったと思うんですよ。

マーケティングもそうだし、ある特定分野でフォロワーを増やしていって、ブランド人になっていって、それでビジネスをしたり、影響力を高めていくっていう考えはまだ一般的じゃなかった。

ここ数年でそれがなにも珍しくないところまできてますよね。田端さんの影響もかなりあると思います。先見の明が本当にあったなと思っています。

柳澤:そんな感じはしますよね。

杉本:例えば橘玲さんっていう方がいまして。いろいろな本を書いていて、「幸福の『資本』論」とか、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」とか、大好きな本があるんですけど。

彼がもともとマイクロ法人を語っていた。つまり会社に所属しながら自分で法人を立てて、それでビジネスをしていく働き方って普通なんだよ、みたいなことを、当時の海外の事例とかから語っていました。

いまや私たちもそういう生き方してるじゃないですか。柳澤さんは会社を作ったらすぐ独立したし。

私は会社に所属しながらマイクロ法人を持つという働き方をしている。これって昔から言っていた人もいたけど、それをうまく著書で「ブランド人になれ」と翻訳したのが田端さんだと思います。

柳澤:田端さんが本を出した目的は果たされつつあるんでしょうね。

杉本:そうですよね。昔からの田端ウォッチャーだった私からすると、非常に先見の目があったと思う。

メディアに関する知見とかは今でもある。それを語っている時の田端さんってやっぱり鋭いなと思ってて、メディア人だなって思うんだよね。

アクティビストとしての一面、その動機

杉本:田端さんのアクティビストとしての活動も面白いですよ。最近出している動画は前よりも全然おもしろい。ビジネスマンが企業をどう見ると良いか勉強になる。

田端さんはめちゃめちゃわかりやすく話そうと意識してると思うんですよ。どれくらいの人がついてこれるのか常に気にしているはず。

そういうところは外さないですから。周りの人に聞かせて、難しくなりすぎないように、簡単になりすぎないように良い塩梅を測っていくのが非常にうまい。

YouTubeで名前を出された会社はたまったもんじゃないでしょうし、お気の毒だなって思うんですけど、田端さんがアクティビストとしてどういう視点で会社を見ているのかがよくわかる。

私はあの動画、とてもおもしろいって正直に思いました。

柳澤:僕も動画を見ましたけど、僕と杉本さんが昔いた会社の話題も出てたじゃないですか。まぁ鋭いし当たっていますよね。あの動画を見た経営者のなかには、田端さんにコンサルをお願いしたいっていう会社も出てくるんじゃないかなと思いましたけどね。

杉本:確かにそうですよね。田端さんが上手いのは、分析もそうなんですけれども、「こういうことを言うといわゆるアクティビストたちとか株主がこう感じるだろう」っていうことを、つまり相手の反応がどう出るかをわかった上で発言を投げかける。

いわゆるメディアやPRの役割というか、ステークホルダーとのリレーションで、相手にこう言うとどう反応するかを捉えるのが天才的に上手い人なんですよ。

少し話がそれますが、田端さんってフィールドセールスがすごく得意なんです。相手の役員がこういうことを言うだろうな、こういうことを言えば喜ぶだろうなっていうことを把握するのにめちゃめちゃ長けている。

北斗の拳の「秘孔を突く」みたいな、一撃のキーワードを選ぶのがめっちゃ上手い。だからYouTubeのコメントを見てもすごく反応がいいじゃないですか。

田端さんとは関わりたくないっていう企業もぶっちゃけ多いと思うけど、味方につけると参考になる意見は得られると思うんですよね。

柳澤:僕がすごいと思ったのは、田端さんって“FIRE”してるじゃないですか?もう稼がなくてもいい人なわけです。生活には困っていない。

そもそもGMOやメルカリには田端さんの知り合いも結構いるわけです。当たり障りなく穏便に暮らせば良いのに、わざわざ火をつけに行く。あのモチベーションはどこから湧き上がってくるんだろうなって(笑)。

杉本:こればかりはわからないよね。俺はだったら絶対に嫌だ。できないし、やらない。

何なんだろうな。やっぱりエンターテイナーなんじゃないかと思います。退屈こそが一番嫌なんです。爪痕を残したい。やっぱり江頭2:50なんじゃないかな。1クールのレギュラーより1回の伝説みたいな。

柳澤:前にYouTubeで「電通はクソだ」みたいなことを言っていたんですけど。でも電通って田端さんがLINEにいた時の大口クライアントだと思うんですよ。

杉本:大口クライアントですよ。大口中の大口ですよ。むしろ誰のおかげで飯食えたんだって。電通さん、博報堂さんのおかげもだいぶありますよね。でもそこらへんをスパッと割り切れちゃうんだ…っていうね。

柳澤:伝えたいことがあるんでしょうね。ただ批判をしているんじゃなくて、意図があってそういうことを言っている。

杉本:で、厄介なのはそれが的外れじゃないことなんですよねぇ。


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