あの素晴らしい加藤和彦をもう一度

昔、あれだけ愛車やカセットプレーヤーで聴きまくっていた高中正義も竹内まりやもアレンジャーの清水信之,松任谷正隆も実は大きな共通点があったことを今日初めて知った!
み〜んなトノバン=加藤和彦に見出されたお陰でその作品群が私のコレクションに加わるところとなっていたのだ。彼自身のアルバムは一枚もないというのに・・・

ミリオンヒット:帰ってきた酔っぱらいがラジオ関西を震源地に各局でパワー・プレイされ始めた頃、大阪MBS近くの我が家にいた小学生と旧友は早速オープン・リールのテープレコーダーのスピードを9.5センチ/秒に落としてくだらないアングラソングを吹き込んで倍速再生して遊んでいたっけ・・・・。

学生ユニット;フォーク・クルセイダースが革新的なメガヒットを生み出したのは、まだビートルズが現役バリバリでアルバム制作に注力していた時代だった。

フォークルの解散後1番目立っていたのは実は、はしだのりひこの方でシューベルツやクライマックスのヒット曲は相当に売れていた。学業に専念した北山修を別にすれば加藤和彦の位置付けはどちらかと言えば作曲や制作を手掛ける裏方のポジション?(と思っていた)

いやいや大変な誤解だった

映画トノバンがいよいよ公開されました

70年代はメジャーな媒体に乗らないと目に触れなかった秀作も数多い。隠れた名曲にもスポットを当てながらスタジオミュージシャン、作家、アレンジャー、制作、版権担当者、デザイナーにお気に入りのシェフに至るまで膨大なインタビュー動画を2時間繋ぎ合わせると言うドキュメンタリー作品なのに満席の劇場は食い入る様に見つめる目でいっぱい。

BBC 2で放映されたサディスティック・ミカバンドのスタジオライブ“Old gley whistle test “(1975)はVTRの保存状態も良く,当時の演奏をリアルに魅せてくれる。左で高中がギターを、奥でドラムを幸宏が叩く。まだYMOやブルー・ラグーンがブレイクするよりずっと前だ。トノバンもギターでリードする。

泉谷しげる、吉田拓郎との関わりも発見だったし、知らなかった人脈の広さ・つながりも然り、とにかく表からしか見えていなかった集積回路の裏側の基板が全て加藤和彦と言うプロヂューサー、アーティストと繋がっていたことにひたすら驚く。


ビートルズが解散し、グラムロックが脚光を浴び始める頃、まだ海外旅行には種痘もビザもいちいち必要だった時代に足繁くイギリスに通っては最先端の感覚とロールスロイス・シルバークラウド iiを持ち帰り、活かしてきたトノバン。
トノバンがいなくなったのは丁度iーphoneやiーpadそれにYoutubeが生活に入り込み始めたタイミング。常に時代に先駆けてきた先駆者には素人が簡単に過去の名作を漁れる環境が堪え難いものに映ったのだろうか?

エンドロールに続くあの素晴らしい愛をもう一度。今朝のラジオ🍩ドーナッツで聴いたばかりのverをメイキング込みで楽しめたのは何より。あとワンコーラス続いていたら落涙だった。満席の観客の中では私の頭はまだ黒い方のうちだった(染めてるんだけどネ)


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