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半分の誕生日

掴まり立ちをしそうだ。

現在6ヵ月になり、ハイハイをするべく床に密接していた膝は立て膝のような状態になった。何かに掴まって立つ素振りはするけれどまだそれは叶わない。が、脇を抱えて立たせてやると笑顔で前進しようとする。
一人座りも出来るようになった。一人でちょっこりと座っている姿はどこかキャラクターめいていてコミカルで可愛らしい。

お風呂に入れる際、まず自分の身体を先に洗ってから、風呂場に隣接した洗面室に転がっている娘を拾い上げ、おむつを脱がせて洗ってやり二人で湯船に入るのだけど、あんまりにも動き回ってしまうため、転がしておくことが出来なくなった。

座れるようになり、それと同時にじっとしていられない。成長は嬉しいけれど腕を組んでしまった。
我が家に訪れた小さな過渡期。そこで登場したのが西松屋で買ったビニール製のイス。名品だった。娘はしっかりと座り、おとなしく待てるし、価格も安い。そして手軽に洗える。バスタイムが一気に楽になった。
西松屋、いつもありがとう。

先日、動物園につれて行った。実家の猫と対面した時は、「おおぅ」と声を出した後、身体が硬直し泣き出してしまったことがあったからどうだろうと思っていたが、結果として泣き出すようなことは無かった。
長い手足を駆使し、縦横無尽に動き回るフクロテナガザルという猿に興味を示していた。喉元にある袋を膨らませて大声で鳴いている猿にシンパシーのようなものを感じたのか、娘も共鳴するように、楽しげに声を出していた。
成長とはあまり関係のないこういう光景を、何となく引きずったまま、大きくなった子どもに向かって「そういえばあなたは…」なんて話し出すのだろうなと思う。

離乳食も始まった。十倍がゆに始まり、カボチャ、ほうれん草、しらすに真鯛。毎朝、少しずつ食べ物の味を知っていく。リアクションが新鮮で面白い。とくにインパクトがあったのはシャインマスカットとしらすだ。

両親から貰ったシャインマスカットを何粒かジュース状にし食べさせると、前のめりになって離乳食スプーンに食いついてきた。飢えたピラニアのようだった。「美味しかった」が分かり易く伝わってくる。嬉しい反面、家に常備できるフルーツではないので早く忘れてほしいとも思う。
一方でしらすは口に合わなかったらしく、顔を歪めてあからさまに嫌がった。理由はなんとなく理解できた。食べやすいように粉砕されたしらすは、身体の“黒”と“白”がぐちゃぐちゃに混ざって出来たてのコンクリートみたいな色をしていた。その上圧倒的に生臭かった。その表情になってしまうのも無理はない。

我が家の離乳食は今のところ、基本的に手作りだ。
食材を細かく切り、ブレンダーで砕き、小分けにして冷凍保存する。食べる際に少し水をつけてレンジで温める。

この一連の流れを全て嫁がやってくれている。
ペースト状の食材が服に飛ぶし、洗い物も多く、計量をしたりなど、苦労がつきない。
さらに食べなかった食材はとろみをつけたり、だしを足してみたりとゴールがない。食べるようになるまで改良が続く。

大変なのは食べさせている最中も同じ。いやそれ以上かもしれない。口も服も手もべちゃべちゃで、途中から遊びだして全然食べないし、本当に終わりが見えない。これも担当しているのはほとんど嫁。休みの日にあげるだけ、なのに全然食べなくて時間がかかるし、すこぶる汚れるしでため息が溢れる。自分は育児に比較的参加している方かと思っていたが、娘の生活を支えているのはほとんど嫁なのだなとここまで書いていて実感した。
娘について書いていたらもっと嫁へのサポート(と書くと反感を買うかもしれないが)がたりてないことに気づかされたハーフバースデー。

今週末にはついに卵が解禁される。細心の注意を払い、責任を持って、僕が食べさせよう。

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