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調子が良い時こそ将来への投資をしよう!

今日はキャッシュフロー計算書のざっくりとした見方について書きます。
キャッシュフロー計算書は財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)のうちの1つで、会社がどのようにお金を得てどのように使ったのかをまとめた表で『営業活動』『投資活動』『財務活動』の3つに区分してお金の増減を把握するもの。

『営業活動によるキャッシュフロー』(営業CF)は本業でのお金の増減を表している項目で、自社の製品やサービスを売ったり、その製品を作るために材料を仕入れたり、海外との取引がある場合は為替による損益なんかもここに表現される。

『投資活動によるキャッシュフロー』(投資CF)は株や不動産の売買、貸付などによるお金の増減を表している項目で、外食企業だと新店出店時の内外装工事費用や敷金の支払い、店舗撤退した時の敷金の戻り、あんまりないかもしれないけど有価証券の売買やグループ会社への貸付金なんかもここに表現される。

『財務活動によるキャッシュフロー』(財務CF)は借入や増資によるお金の増減を表している項目で、銀行からの借入、リース債務の支払い、社債や株式の発行による収入なんかがここに表現される。

この3つの項目にそれぞれプラスとマイナス(収入と支出)がありすべての組み合わせは2×2×2で8通りとなる。

例えば、3つすべてプラスという企業は、本業でも儲かっていて(営業CF)、有価証券や固定資産の売却で収入を得て(投資CF)、銀行からの借入や株式発行などでも現金を集めている(財務CF)。

そんなに現金貯めこんでどうするって話なんだけど、近い将来何か大きな投資やM&Aでも目論んでるのかしらなんて考えられる。

逆にすべてマイナスという企業は、本業で現金を生み出せていない(営業CF)のに、将来に向けた投資のため固定資産を購入したりしていて(投資CF)、さらに銀行からの借入金の返済までしている(財務CF)。

こういう企業はもしかしたら前年度は3つの項目すべてプラスの企業だったかもねとか、過去から積極的な投資を行っておらず現金をたくさん持っていた企業がいよいよ動き出すって感じなのかもしれない。

では、どんな組み合わせが理想的でどんな組み合わせだと問題なのか?
イメージつきますか?

まず、悪い方から(笑)
これは営業CFマイナス、投資CFプラス、財務CFマイナスという会社。

本業で現金を生み出せておらず、銀行からの借入等の返済もしないとならず、有価証券や固定資産の売却でそれらをまかなっている状態。過去の業績で積み上げてきたものを切り売りしてなんとか事業を継続しているって感じ。この状態っておそらく2~3年続けば良い、というか売るものがなくなってくるので早急に本業で現金を生み出せる体質に転換できないと危ない。

この一歩手前なのが、営業CFマイナス、投資CFプラス、財務CFプラスの会社。銀行からの借入はまだできているので、このパターンが表れてきたら要注意って感じ。

最後に理想のパターンは営業CFプラス、投資CFマイナス、財務CFプラスという会社。本業でしっかり現金を生み出していて、銀行などからも資金調達できている。そうして獲得した現金を将来の成長のための投資に積極的に活用しているって感じ。

ただ、何事もバランスが大事だから、投資CFがマイナスでもほんのちょっとのマイナスって感じだと積極的に投資しているとは言えないよね。現時点の事業はうまくいっていて銀行からの信用も高いのだろうけど、やっぱりそういう調子が良い時こそ将来のために新たな事業のタネを生み出すような投資をしておきたいところ。お金は貯めこみ過ぎてもよろしくないって感じ。

キャッシュフロー計算書はこんな感じで見ていけば楽しめると思う(笑)
ただ、作成が義務付けられているのは上場企業だけだから、そもそもキャッシュフロー計算書なんて作っていないって企業も多いと思う。

上場していない企業にとっては、キャッシュフロー計算書より『資金繰り表』の方が重要度が高いしね。それは、キャッシュフロー計算書は過去を表していて、資金繰り表は未来予測をすることが出来るから。

だから、経理関係は税理士さんにお任せって企業では税理士さんが毎月の資金繰り表を作ってくれているってところも多いと思う。現金の見通しが立たなければ安心して経営できないしね。

もし『自社にはキャッシュフロー計算書がない』なんて時は自分で作ってみるのも楽しいかと!簡易的なものならそんなに難しくないし。知りたい方はメッセージもらえればお教えします(笑)

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