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20キロ減量して見つけた「Dライン」

 ある芸人さんが、30キロダイエットしたのに、あんまり気づいてくれない、という話をテレビでしていました。久しぶりに「Dライン」のことを思い出しました。

「デブライン」、略して「Dライン」のことは、ずいぶん前に、たぶん自分だけが「発見」して、私が個人的にごく周囲の人間に語り、だけど、期待するような反応はほとんど得られないまま年月がたっています。

 自分としては、「発見」した時は、けっこう本気で、すごいことだと思ったのですけど、最近は、自信を失っていました。ただ、どこかで、同じように「発見」している人が他にもいるのでは、という思いも、ずっとあります。

(「Dライン」が何かだけを知りたい方は、『「Dライン」の発見』と言う項目だけを読んでいただいても、分かると思います)。

太る生活

 20代の時、就職して、出張が多い仕事で、初めて焼肉屋に行くようになり、週に3回くらいは食べていた時期がありました。同業他社の先輩方は優しく、また、おいしい場所を知っていて、日本のあちこちに行くと、その土地のおいしいお店に連れていってくれました。

 札幌だと、冷凍じゃないジンギスカンがあるんだよ、と言って、細い路地を何度も曲がり、自分だけでは二度と行けない場所の屋台に連れて行ってもらい、小さい皿を積み上げるように食べました。とても、おいしかったのですが、他のジンギスカンを食べなかったので、どう違うかも分からないままで、考えたら、申し訳ないような気もします。その時、隣に座った見知らぬ中年男性が皿を積み上げているので、なんだか対抗心もあって、負けないように食べました。

 焼肉屋でも、少し余ったりすると、若いんだから食べなよ、と言われて、確かにまだ若かったので、いくらでも食べられる気がしました。

 就職して3ヶ月で、ズボンを買い換えました。運動する習慣がなくなり、体重が増えていたのは、なんとなく気がついていたのですが、体重計に乗ることもなく、仕事を覚えるので他のことを気にする余裕もなく、気がついたら、1年足らずで10キロ以上太っていました。
 最初の会社は、1年半くらいで辞めました。

 それからも微妙に体重は増え続けて、気がついたら、80キロを超えていました。
 太っていることが普通になり、ちょっと暑いと汗をかいて、暑がりでした。
 結婚して、妻の作ってくれる料理を食べて、時々、体重を減らしたほうがいいかな、と思って、思いついたようにちょっと食べる量を減らすという、オーソドックスなダイエットをして、2キロくらい落ちては、また戻るの繰り返しでした。

 ゆでたまごダイエット。リンゴダイエット。不思議なのは、ようかんダイエット、というもので、寝る前に一本食べると、やせる、というのを本気で言っている人もいました。さすがに、そういうダイエットに手を出すことはありませんでしたが、何年かのうちに、手を変え品を変え、これだけを食べたら、こんなにやせた、という話は、何度も何度も聞きました。
 ただ、自分ではほとんど実行しないまま、太ったままでした。

本気でやせようとして、始めたこと

 いろいろあって、体重を落とそうと思いました。
 その頃は、82キロくらいありました。
 身長が167センチですから、完全に肥満です。ただ、同じように太っている方なら、同意してくれるのでは、と思うのですが、本人は、それほど太っているとは思っていませんでした。
 40歳手前の頃でした。

 本気でやせようと思って、選択したのは、食べる量を減らして、運動する。そして、本当に少しずつ体重を減らす、という方法でした。成人男性に必要なカロリーは、1日に2100キロカロリーくらいと知りました。

 まずは、1日1800キロカロリーくらいにしようと思いました。
 それからは、何かを食べる時は、カロリーを気にするようになりました。コンビニの棚でも、パンなどを買う時に、裏を見るようになり、すぐに300キロカロリーを超えるものが多く、何も考えずに選ぶと、びっくりするくらい、その棚で一番カロリーが高いものを、今まで選んでいたことに気がつきました。
 2000キロカロリーって、これしか食べられないんだ、と思い続けていました。
 同じようなことは、やせたあとに読んだ、この本にも書かれていて、あ、やっぱりそうなんだ、と思えました。

 妻にも協力してもらいました。
 ごはん茶碗を小さいものにして、一杯しか食べないようにしました。
 その頃、私と妻と義母で、1合炊いたら、三人の夕食と、義母の朝食のためのおにぎりも作れました。最初は、おなかが空いていたのですが、少しずつ、少食になってきました。
 
 そのうちに、3食を食べていると、やせないので、1日2食にしました。それは、今も続いているのですが、おやつは食べているので、厳密にいったら、たいしたことはありません。アルコールも飲まなくなったのですが、そのかわりかどうかわかりませんが、毎日、チョコレートを食べるようになりました。

 同時に、運動も始めました。
 筋肉をつけて、基礎代謝を上げる方法をとりました。
 久しぶりに、腕立てとか、腹筋とか、スクワットを始めました。ずっと自宅で続けました。
 「ターザン」が、教科書でした。
 とはいっても、時々買うだけでした。トレーニング方法が、何年かに一回、かなり変わる時期があって、それを取り入れると、あきずにすみました。

 年数がたつほど、トレーニングメニューは少しずつ増えていきました。
 週に3回ほど、家で筋トレをして、ダイエットは続けていて、トレーニング方法は、厳密にやったほうが効果があがることも、ちょっとずつ実感していました。

 月に800グラムくらい。本当に少しずつ体重を落としていきました。 
 1年が経つ頃、10キロくらい減りました。
 気がついたら、脇の下あたりの肉のつきかたが、かなり変わっていました。それでも、周囲の人間には、やせたことを指摘されたり、気づかれたりすることは、ほとんどありませんでした。

「Dライン」の発見 

 結局、全部で約20キロやせました。そこまでに2年ちょっとかかりました。

 20キロやせていった時間の中で、不思議だったのは、ある時期から、急に「やせた?」と気がつかれ、そのあとは、「たった1キロ」減っても「やせたでしょ」などと言われるようになったことでした。

 ある仮説をたてました。
 太っていない人間にとって、あるレベル以上、太っている人たちは、全部、同じように見えるのではないだろうか。
 だから、本人にとっては10キロ減らして、ずいぶん落とした、と思っても、周囲の「標準体型」の人にとっては、「太った人のまま」なので、やせたように思えない。
 あるラインを超えると、急に敏感に気がついてくれる。
そのラインのことを考えました。

 わりとはっきりと思い出せたのは、体重のことをメモしていたこともあります。
 
 身長 ー100=Dライン

  これが『「Dライン」の法則』だと思いました。(Dは、デブの略)
 
  自分にとっては、67キロを切ったあたりから、周囲の人が、1キロの変化にも、敏感に気がついてくれるようになりました。そのラインを超えると、はっきりと認識してくれるようになるのではないか。

 つまり、(身長―100)の体重以上は、デブと認識され、それ以上の体重は、ほぼ同じと認識され、そのラインを超えて下げてくると、そこからは、「デブではないかも」と認識され、1キロ減っても、きちんと気がついてくれる。

 2年かけて、20キロやせて、「発見」したと思ったのは『「Dライン」の法則』でした。
 その後も、周囲の人で、ダイエットしている人がいると、なるべく注意深く、周りの方々の反応をみるようにしてきましたが、その「Dライン」の法則は、あてはまっているように思っていました。

  今も、62キロくらいを維持しているので、その後もリバウンドもほとんどなく暮らしています。基本的に1日2食のままですし、夕食は小さめの茶碗1杯ですし、でも、チョコレートは毎日のように食べています。筋トレも続けています。

すぐになくなった「人気」

  やせていった頃、悪い病気ではないか、と怖くて遠慮して、あまり話しかけられなかったというご近所の人も、自分でダイエットしてやせた、と知ると、特に女性の人気は、ちょっとだけ、あがりました。

   どうやって、やせたんですか?
 
 そう聞かれて、食べるカロリーを計算して減らして、同時に筋トレをして筋肉を増やして基礎代謝を増やす。そして、毎月、本当に少しずつ、1キロくらい減らしていく。
 そんなことを話すと、明らかに、がっかりされて、人は去っていきました。

  もっと画期的な、短い期間で、あんまり地道な努力はいらないダイエット。

 たぶん、そういうことを求められていたので、私の答えは、あまりにもつまらなく、オーソドックスすぎて、期待には、まったく応えられなかったようでした。


 やせて、寒がりになりました。だけど汗っかきは変わらなかったので、出かける時に、必ず着替えや、冷房対策の上着の両方を持つようになり、荷物は増えました。


   冒頭の30キロ減らした芸人さんも、彼があげたデータによれば、まだ「Dライン」に達していないようでした。さらにやせて、「Dライン」を超えてくれれば、周囲の反応を確かめられるのに、とひそかに期待はしています。


 たぶん男女でも「Dライン」は変わってくるのでは、という予測もしていますが、あまりにもデータが足りません。かなり太っていて、そこから少しずつやせて、周囲の反応が変わってきた、そんな同じような経験がある方がいらっしゃったら、コメント欄などで教えていただければ、とてもありがいと思っています。


(他にもいろいろ書いています。↓もし、よろしかったらクリックして読んでいただければ、幸いです)。

40年、セルフカットを続けてきて、学んだこと。

付箋の幅について、考えたこと。

「リースの庭」ができてました

「入浴剤とジャスミンティー」&「歯磨きとチョコミント」


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