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「こういう働き方」は、本当に理想に過ぎないのだろうか。

 もう忘れ去られそうになっているのだけど、「老後の資金2000万円不足問題」というのがあって、不安をふくらませた上に、解決もされないまま、なかったことにされた一連の流れを、個人的には、少し覚えている。

 その時に個人的に確認できたのは、自分はとにかく働き続けるしかない。それも、長生きするのであればなるべく健康で死ぬ直前まで働きたい。そうしないと、生きていけないのは変わらない、というような覚悟について、だった。

 でも、同時に、このままだと、過酷で孤独な労働を、高齢者になってもしているような未来しか見えなくて、それが、とても不安で、暗い気持ちになった。

 ただ、それは、本当に自分だけの責任なのだろうか、と少し思った。
 もっと、「今とは違う働き方」があるのではないかとも感じていた。

時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?

働く場面での年齢差別が厳格に撤廃され、定年という概念がみんなの頭から消えたら、多様性が拡がって、生きるのが楽になるんじゃないか?
定年制撤廃、退職金課税制度の見直し、最低賃金1500円、非正規が入る大規模な労働組合、できたら私のようなフリーランスが加入できる労働組合も欲しい。
どれも実現したら私の生活は劇的に変わる。私を覆っていた不安の雲が、サァ〜と晴れていくようじゃないか。真の働き方改革って、これじゃない? 

 この書籍は、ライターである著者が、アルバイトもしながら生きてきて、その生活の中での疑問などを、立憲民主党の議員・小川淳也と対話していき、全体を通しても興味深く、意味も大きいのだけど、この中で働き方のことにも触れている。
 
 それを一部、引用したのだけど、この部分だけでも、歳を取っても、組織に属さなくても、働ける選択肢が広がるので、それだけで、私自身も、不安が減っていくような気がして、それが、政治によって、社会の制度が変わることで実現も可能だと思うと、ほんの少し希望は見える。

 「こういう働き方」が常識になれば、これから先も、ずいぶんと違ってくるのに、とは思う。

ぜんぶ運命だったんかい  

 打ち合わせの出席者も3、4人だけ。10人もいる企画会議なんてめったにお目にかかりません。サクサクとやることが決まっていきます。絶対に会議室にいなきゃいけないルールもなく、自宅や外国人の人ともネットで遠隔会議をしていました。
「いやいや、そんなんじゃ仕事できないでしょ」と思うのですが、日本と同じように、いやそれ以上にクオリティの高いプロジェクトが仕上がっていくのです。
 競合プレゼンに負けても、「私の力が及ばず申し訳ありません」などといった自罰的な態度をとる人は誰もいません。ただその結果を淡々と受け止めるだけです。日常的に「よくやったね!」「素晴らしい」などと仲間を褒め合い励まし合っているのです。昭和のしごきの名残を経験した身としては、これでどうやって成長できるのか半信半疑でした。
 クライアント、代理店、制作会社、それぞれの関係がとてもフラット。必要以上にペコペコもしないし、へり下ることもありません。 

 この本は、「#検察庁法改正案に抗議します」のTwitterデモの最初の一人として有名になった著者が書いていて、全体の内容も、とても興味深いのだけど、その中で「F国」の「働き方」を描写した部分を引用した。

 その国の名前を明かさないものの、そして、この環境を実現するために様々な戦いはあったのではないかと想像もできるものの、こうした「労働環境」は実在すると知ると、もし、こうだったら働きやすいのに、とうらやましく思った。

「こういう働き方」は、本当に理想に過ぎないのだろうか。

 たった2例に過ぎないのだけど、それでも、「こういう働き方」は、本当に理想に過ぎないのだろうか?という気持ちになり、同時に、「こういう働き方」が常識になれば、これから先も、歳を取ったとしても、明るい気持ちになれるのに、と思った。

 2022年の働き方は、少しでも「こういう働き方」へ向けて進む

 妄想に近い期待かもしれないが、それでも、そういう予想を立てたいし、現時点では、具体的に何をすればいいのか分からないのだけど、そちらへ向かう努力はしたいと思っている。



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