10年たっても、「買ってよかったもの」。
昼間、急に、妻が小さいものを、手に持って部屋に入ってきて、これ、すごくいいね、と言ってくれた。
それは、10年くらい前に、雑貨屋さんで買って、プレゼントとして渡したものだった。小さいコンパクトみたいなものだけど、開けると、鏡と、あとはブラシが内臓されている小物だった。
そう言ってくれるのは嬉しかったのだけど、どうして今、というとまどいもあったので、妻に聞いてみた。
こんな答えだった。
「もらった時に、すごく、うれしかった。
雑貨好き、花好きとしては、
とても、かわいくて、うれしい小物のプレゼントだった。
昨日、ポーチを整理していたら、出てきた。
いつもおでかけバックの中に忍ばせてる。荷物をコンパクトにして、出かけたい時には、置いていくんだけど、だから、時々、出てきては、その時は、毎回喜べる。
かわいいよね。と思いながら、眺めては、またしまっている。
だから、考えたら、実際には、使う回数は少ないかも。
すごい、小物として優れているな、と思って、全体的にひとつの花になっている。
おもてに、かわいいいイラストの花があって、それで、周囲に、ぐるりと、おしべか、タネか、そのあたりはよくわからないけど、囲まれていて、すごく、花の楽しいリズムまで、よく表現されていて、それで、かわいい。
おもては、かわいい花の表現の絵だと思っていて、あけて、びっくり。ブラシがたたんであって、おしべを表現していると思った。
それで、使う時に、押し出すと、びよーんとブラシになって、さらに、その機能に感激した。
またしまって、裏返すと、ひまわりのようだなあ、と思っていて、裏までよくできていると思った。
最近、植物の絵を描いたり、タネの本を読んだりして、改めて、これはよくできている、作品のような小物だと思って、見せなくちゃ、と思った。
改めて、ありがとうを、いいたくて。」
今回、その小物の、おもてに書かれている文字の意味を、妻に伝えたら、これまでは絵として見ていたから、初めて知った、いい言葉だね、とメモしていた。
すこやかに生きて、
よく笑って、
たくさん愛して。
だいたい、そんな意味らしい。
妻が、そんなに長いこと、かわいいと思ってくれているのは、とてもありがたいのだけど、買ってよかったと、10年たって、また思えるものがあるのは、なんだか不思議な気持ちがした。この小物を買った雑貨屋は、もう、その場所にないはずだった。
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