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弱小ギルドが大きくなるまで【第二話】
【第一話】ではギルド設立からルーキー達が成長するまでの過程をお話しましたが今回はギルドが大きくなるまでの過程をお話していきます。
ある程度大きいギルドではギルド内の仕事をギルマス、サブマスで分担しており当ギルドも分担制にしていた。無理にお願いする形では無くそれぞれにログインできる時間、出来る仕事を聞き取りして無理のない範囲でお願いして、誰もやらない仕事、面倒な仕事を私がやるという体制で運営していた。
その体制の後しばらくして1名のサブマス(以下ターミネーターと呼ぶ)の様子が気になるようになった。
そのターミネーターのプレイスタイルは発言こそ少ないが腕はピカイチ。ワンピースで例えるならゾロのような人。そのターミネーターだけギルドの仕事を何も担当しておらず他のサブマス達から不平不満が出るようになった。腕は確かなのでこういう事で評判を落とすようでは不憫に思い簡単な仕事をお願いすることにした。嫌がったりする様子は無かったが、なにかしら不満があるようにそこで感じた。
彼にお願いした仕事は簡単に例えると「日曜日の〇時ぐらいにドアを開けといてね」という感じのお仕事。週一回のお仕事だった。
だがいざその日になると、ドアが開いていない。私が開けることも可能だがターミネーターを信じて少し待つことに。少し待ったが結局来ることはなく、他のメンバーも大勢待たせる形になるので私がドアを開放。
初回だし仕方ないか。もう一度やり方を教えようとその後連絡すると思っていたのと違う回答が
「自分面倒くさいの大嫌いなのでやりません」
まぁ仕方がないと。ただこれより簡単な仕事がない、他のサブマスが不公平になる旨を伝えたが話がまとまらず、不本意だったがサブマスから一般メンバーに降格させる対応をした。本人も了承してくれたので、その後はあくまでメンバーさんとして対応するように。
それからも殺戮マシーンかと思うぐらい無言でただただゲームを続けている。だが周りとは一切コミュニケーションを取らない。不気味さすら感じたがプレイスタイルは人それぞれだ。ギルマスが個人的な感情でメンバーの印象操作するようなことは厳禁。しばらくは静観することに。
それからは空いた枠に新しいサブマスが入り新体制として再出発。
ギルドのランキングも100位→80位、80位→60位とメンバーさん、サブマス達のおかげで徐々にではあるが確実に強くなっていった。
話は変わるがギルマスである私のプレイスタイルを簡単に紹介しよう。
「最前線で強く、面白い人でありたい」
をモットーにプレイしてました。仕事、プライベートが許す限りはログインしてプレイしたり独自で勉強したりしてテクニック、有益な情報は可能な限りギルド内で拡散しておりました。そのおかげかメンバーさんも定着して週末はみんなでゲームしながらチャットをしたりとギルドの雰囲気も独自なものに変化していくのだった。
ただし私が一番懸念していたのが発言する人が偏り内輪ノリみたいになるのが心底嫌だったので、会話などは希望する人だけ別の専用チャットで話すことだけは徹底していた。(5chなどでギルドの雑談が目障りなどの書き込みも多いため)
サブマス降格したターミネーターも腕は確かなので、テクニックなどを伝授できる場、気軽に話せるような場を設けて再浮上出来るような工夫を実施してきたがすべて空振りに終わった。
それまでは一目置かれていたのもあり話を振られたりもあったが段々と周りからも腫物扱いを受けるようになりログインはしているが居ないものみたいに変化していくのが目に見えて分かるようになったが私もなす術もなく日が経つだけだった。
そんなある日、ターミネーターが唐突にギルドを抜けた。
正直ホッとした。
女性メインのサブマス達から愚痴の連絡が来たり、ギルド追放してほしいなど、私自身もその対応に苦慮していたので肩の荷が下りた気がした。
私は男性である。
ある恐怖を感じた。
「この女性サブマス達を敵に回すと非常にまずいのではないか」
背に腹は代えられない。まじで気を付けようと本能的なのかそれからは女性サブマス達の顔色を伺いながらのゲームライフが始まるのだった。
今になって思えばターミネーターもこういった雰囲気に嫌気が差したこともあっただろう。彼なりに辛い思いもしたと思う。
ストレスが無いギルドで更なる活躍が出来るのを祈ることしか出来ませんが、長い間お疲れ様でした。
屋台骨を陰ながら支えてくれたメンバーが抜けたのはかなり痛手だがギルマスである以上は将来を考えないといけない。
次回は女性サブマス達との生活を書きたいと思います。
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