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ドラマ『波よ聞いてくれ』 作り手のバックグラウンドが見えるというラジオの魅力

ドラマ『波よ聞いてくれ』、面白いです。

鼓田ミナレ(小芝風花さん)の振り切ったキャラクター、そして茅代まどか(平野綾さん)との丁々発止のやり取りにワクワク。

ラジオは自由だ


ラジオ業界や現在のメディアに対する示唆に富んだセリフも印象に残ります。例えば、第4話のこのセリフ。

放送事業としてラジオがテレビに優っているものが4つだけある。何かわかるか?地域密着性、災害への対応力、反応の速さ。あと1つは…『自由』だ。作家の思いついた企画、パーソナリティとの雑談で浮かんだアイデアが次の放送で実現できる。成功か失敗かもリスナーの反応ですぐに分かっちまう。まどろっこしさのない怖い世界だが、それが癖になるんだよなあ

『波よ聞いてくれ』第4話

ふと、自分が中学・高校生の頃、オールナイトニッポンを聴いていた記憶がよみがえりました。
ドラマでさわやかなイケメンを演じている俳優さん(小栗旬さん)の下ネタ炸裂トーク、世代問わず人気を集めるアーティスト(吉岡聖恵さん)のコンプレックスぶちまけ自虐トーク・・・。

テレビで見ている姿からは想像もできなかったパーソナリティの素顔を感じ取り、親しみが湧き、以前にも増してかれらを魅力的に思いました。

そうか、あれは、ラジオの持つ「自由さ」がなせるわざだったんだ。

私が、歌でも小説でも論文のような固いものでも、自分が「面白いな」「素敵だな」と感じたものに出会ったとき、次に気になるのが「これを作った人にはどういうバックグラウンド(経験や思考など)があり、なんでこれを作るに至ったのだろう」ということです。

ラジオでは、そのような、作り手のバックグラウンドが垣間見える気がして、面白かったのだと思います。

『波よ聞いてくれ』は作り手のバックグラウンドを見せてくれる


『波よ聞いてくれ』では、ラジオ番組の作り手であるパーソナリティ、ディレクター、放送作家など様々な立場の登場人物のバックグラウンドや譲れない思いが描かれた上で(あるいは小出しにされつつ)、劇中劇(劇中ラジオ?)のシーンが描かれます。例えば、鼓田ミナレが全くの未経験からパーソナリティに起用されたという経緯は、型破りな企画を続けるというラジオの番組内容に表れています。

「この人だからこそ、この作品(番組)を作れたのだ」というバックグラウンドを見せてくれるのが嬉しいのです。「生身の人間が作り出すからこそ面白いのだ」という、人間賛歌のようなものがある気がして。
chatGPTがいくら面白いモノを作れても、この点では人間もまだまだ捨てたもんじゃないはずだ、きっと。

そして久連木(小市慢太郎さん)がかっこいい


冒頭で引用したセリフの発言者でもある放送作家の久連木(小市慢太郎さん)。第4話では、ADの南波瑞穂(原菜乃華さん)との出会いが描かれていました。

溢れるラジオ愛と一方で業界への冷静な目、そして「図々しい夢を持て」とのアツいメッセージ・・・こんなのを憧れの人からもらったら、そりゃあ好きになっちゃうよなぁ、というくらいかっこよかったです。その後瑞穂に新しい目標が出来たのも良かったぁ。


・・・「ルパンかよ畜生」!笑


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