見出し画像

FF16のゲームレビュー

この記事は、個人がFF16をプレイしていて得た感想を綴ったものです。
当然ネタバレや人による部分も多々含まれますが、何卒ご容赦ください。

また、私はFF病に近いものを患っているタイプの人間です、
ご同意いただけない意見が多く含まれるかも知れません。

もし、FF16をまだプレイしていないのであれば、
何よりまずプレイされることを勧めます。
また、プレイしたけどレビューなどを見ていないのであれば、
この記事より、IGNJの読解力皆無の批判より余程ちゃんとしたレビューである、以下の記事をおすすめします。


総合評価

概ね満足。加点方式でつけるなら85点、減点方式でつけるなら90点。
今年発売のゲームはライザ3とゼルダTotKくらいしかやってないけど、
今のところ、これが私のGotY2023。

丁寧に作られていて不愉快な部分は少なかったものの、
刺さるところも少なかったのが残念。癖が足りてない。
総じて良いゲームではある。
新作AAAゲームとしては大満足なんだけれども、「FF」の新作として見ると挑戦や癖が足りてなくて、思うところがある感じ。

俺たちの作った最高のゲームにFFと名付けるというよりは、
世間のイメージするFFっぽさをかき集めたゲームに近いかな……?
制作陣の野犬感に比べるとおとなしいゲームだと思う

ストーリー

丁寧に作られている良い物語。粗は目立たず、満足感は高い。
個人的に印象に残ったのは、バイロン=ロズフィールドとクライブの再開時の小芝居や、ガブの「俺はシドを継ぐ気はねえぞ」あたり。
全体的にストーリーの進行速度は速く、引き込まれるしやめ時を見失うストーリーだが、時折箸休めのようにFF14スタイル(細かいお使いなどを積み重ねて物語の重厚感/没入感や世界の解像度を高めていくスタイル)を挟むので、その辺りの好き嫌いはある程度分かれそう。
個人的にはなんだかなあと思うような嫌な部分は少なかったが、その分グッと刺さるところも少なかった。FF14の漆黒に合って蒼天に無いものが足りてない感じ。
エンディングが~や後半が~といった意見を見かけないでもないが、
私は別に本編のストーリーで気になるところは少なかった。

カットシーン

カットシーンは多い。
ステージクリア後に、一方その頃世界では……的なムービーが流れるタイプのゲームである。
PS3のゲームかよ、と突っ込みたくなるくらいカットシーンなどの非プレイアブルなシーンが多い。この手のゲームを遊ぶのが久しぶりすぎてもはや懐かしささえ覚えるけど、コレはコレでいいモノだと思う。
カットシーンがプリレンダのムービーシーンと殆ど同じクオリティで、
各カットシーンのクオリティには満足している。

キャラクター

ストーリー感想と概ね同じだが、丁寧に作られていて突っ込みどころのあるキャラクターではない分、印象的なキャラクターも少なかった。
ビジュアル面でも世界全体としての調和は取られている分、角の立たないデザインである。主人公だから際立って目立つというわけではない。
FF13、15は野村哲也氏による強いキャラクターデザイン、FF14では各種族や蛮族の存在による上下に幅広いキャラクターで特有の世界観が作られていたが、そういった特徴は見られなかったように思う。

個人的にジルの声優さんだけ演技は良かったのだけれど、ジルに合ってなかったと思う。

ゲームデザイン

砂場ではなく遊園地。バイキングではなくコース料理。大体、FF14と同じ。
拠点で装備の強化や道具の補充をして、それなりの広さのフィールドを探索して、ダンジョンへ行ってボスを倒す、という流れを繰り返す。
自由度は殆どなく、フィールドでモブハントしたりサブクエストしたりするくらいだが、さほど気にならなかった。

細かいところへの配慮はとても行き届いていた。
ストーリー補完のATR(アクティブタイムロア)を始めとして、用語解説や今の世界情勢解説など、ストーリー展開についていけない人を減らそうという努力は伺える(私は普通についていけたので、実際機能しているかどうかは分からない)。

ダンジョン

SAGAみを感じるくらいにダンジョンは一本道+殆どボス戦。
小ボス+雑魚、中ボス、中ボス、大ボスみたいな構成で、
FF14のインスタンスダンジョンっぽさを感じたが、
FF13-1とかも大体こんな感じだった気がする。
正直なところ、雑魚戦は広範囲技を重ねて叩き込むだけ(で爽快感こそあれど達成感は薄い)なので、会敵回数を減らすって言う判断は理解できる。

サブクエスト

本編に比べてあまりに陳腐。FF14と同じようなおつかい+なぜか襲ってくるザコ敵の群れの掃討、みたいなクエストが殆どでここは残念だった。
まあ退屈なパズルとかよりはマシか……?
終盤に出てくる各キャラクターにまつわるクエストはストーリーの出来に明らかに差がある。各地の協力者とのクエスト、特にマーサの宿、ノースリーチ、ダリミル宿場のクエストのストーリーは出来が悪かったが、ジルやガブのクエストはかなり良かった。

召喚獣バトル

演出はすごい。もう笑っちゃうくらいすごい。すごい贅沢な気分になれる。
今の時代にバハムートが宇宙からビーム撃ってくるのを真面目にやるとは思わねえよ
でも、実際やってることは使えるアビリティ固定の普段通りのバトルでは?と思わないでもなかった。
QTEはそこそこの量がゲーム全体を通して存在していたが、段々と身体が慣れて行って、ここでボタンを押す!とボタン指示が表示される前から自然と押したくなるくらいに演出としては自然だった。

アクション

よく出来ている。気持ちよく動かせるバトルアクションが実現できていて、スタミナの無いアクションゲームとしては最高峰の出来だと思う。
やってることはFF13とだいたい同じ(ブレイクゲージ削ってから大技叩き込む)だが、主人公のモーションがしっかりしてるから動かしててしっくり来るし、敵の技も比較的素直な動きで広範囲技には予兆が出るお陰で気持ちよく動かせる。
敵がディレイして来ないアクションゲームでパリイ決めるのはめっちゃ楽しい。最近遊んだアクションゲームが嫌らしいディレイを掛けたり、やたらHPが硬かったりしていたので、余計に楽しかった。
空から降ってくるメテオなどには攻撃範囲が明示されるなど、充分に親切な設計ながら歯ごたえのある難易度で満足。

ただ、召喚獣やアビリティを入れ替えて戦うことが前提の設計のように思える割に、召喚獣固定で戦うエンドコンテンツのクロノス石塔群はコンセプトとの不和を生じさせているように思えた。(ガルーダとオーディンの石塔が個人的にかなりキツかった)

音楽

すごく良かった。
インタラクティブミュージックの仕組みがとても自然に実装されていた。
これはコンポーザーの祖堅さんの曲作りが複数の曲の要素を組み合わせて制作されているためだと思うが、かなりきれいにバトルと曲の展開がマッチしていて良かった。
(基本的に使わないナンバリングタイトルが殆どなので)FFのメインテーマやプレリュードの引用が気持ち多かった気はしたが、そもそもが良い曲なので気持ちよく聞けた。

個人的な不満点

癖の少なさ

長くなってしまったので、こちらにまとめました。

冷静に考えると違和感はなくもない

召喚獣があそこまで力あるなら、白兵戦やってるところに出さないだろ(原爆を落とすなら実際の戦場じゃなくて敵国の主要都市に落とす)とか、
ベアラー関連は見下す側も保護する側も両極端な反応が多いとか、
ジルは幼馴染のロザリア時代からクライブが好きだったとクエストで明らかになるけど、25歳→30歳の5年間一緒にいながらクライブに対して何もアクション掛けなかったのか?とか
ストーリー全体を通して、
ケットシーのいないFF7という感じだよなあとも思う。
会議シーンで重要人物以外の出席者が軒並みモブムーブ(なんだと、どうする、ザワザワ、みたいな反応)なのも、個人的には頂けなかったが、まあ。

改めて、総合評価

概ね満足。
分かりやすく万人受けを目指した名作。

贅沢なカットシーンの数々、直感的なアクションバトル、
きれいにまとまった物語、気持ちよく盛り上げてくれる音楽、
迷わずに勧められるゲームデザイン、
新作AAAゲームとして見れば、誰にでも勧められる一本だ。

このゲームが好きではある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?