6. provide 〈vid:➀見る・➁分ける〉 【2024.7.8加筆・修正】
第6講の〈見出し語〉は provideです。前講のvisも今回のvidも基本的な意味は①「見る」ですが、もう一つ<vis, vid>には②「分ける」という重要な意味があります。人は対象を「見て」いると、違いを「分け」たくなる生き物のようです。
☑️記号のルール
1. 発音記号は使わずカタカナ表記をします。アクセントは太字で表します。
2.★マークは良く使われるカタカナ語、※マークはポイントです。
A. 「語源」で〈見出し語〉を覚える
provide = pro(前もって)+vid(見る)+e(動詞化:する)
→前もって(需要・必要とされるものを)見ておく
=(動)プロバイド「供給する・与える」
★インターネットのプロバイダー(provider:サービス提供(事業)者)
▶語源<vid>=①「見る・見える」・➁「分ける」
B. 「接頭語」で〈同一語源の単語〉を覚える
① evidence= e(=ex:外から)+vid (見える)+ence(名詞化:もの)
=(名)エビデンス「(客観的な)証拠」
★「エビデンスを示せ!」
→evidenceの接頭語 e-は、この後たびたび出てくるex-(外)の短縮された形です。「外見から(誰が見ても)客観的にそうだとわかる証拠」ですね。
➁ divide = di(=dis:離れて)+vid(分ける)+e(動詞化:する)
→分けて離す
(動)ディバイド「分ける」
③ devise =de(離れて)+vis(分ける)+e(動詞化:する)
→分けて考え出す
(動)ディバイズ「考案する」「工夫する」
※名詞形はdevice(名)ディバイス⑴「考案」・「工夫」⑵「装置」(=考案されたもの)
※➁と③はまったく同じ語源構成ですね。もともと、divide(分ける)からdevise(考え出す)が派生したとされます。これは学習法の点で大変示唆に富む話だと思います。対象を「分ける」としっかり違いが「見えて」きて、新しいアイデアを「考え出す」ことができる、ということです。
C.「接尾語」で〈派生語〉を覚える
① evident = e(=ex:外から)+vid (見える)+ent(形容詞化:ような)
=(形)エビデント「明らかな」
➁ provident =pro(前もって)+vid (見える)+ent(形容詞化:ような)
→前もって先を眺めるような様子
=(形)プロビデント「先見の明のある(=先の見通せる)」
➂ provision =pro(前もって)需要を+vis (見る)+ion(名詞化:こと)
=(名)プロビジョン ⑴「供給」・(2)「準備」
※vid=visであることがわかる変化形!
④ provisional =pro(前もって)+vis (見る)+ional(形容詞化:ような)
→将来予想される事態への「準備」(provision)として
=(形)プロビジョナル「一時的な」「仮の」
※provisionが「供給」なのに、なぜprovisional が「一時的な」なのか?これは語源を確認して初めて理解できる事情です。
▶️第6講では、8語の見出し語&関連語を確認しました。【2024年7月8日に記事を加筆・修正しました。】
▶️ただ「回す」のではなく、語源の意味を理解しながら繰り返し読めば、読んだ分だけ蓄積があります!
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