中学レベル日本史・復習編 ⑴時代区分
さて、これまでいくつかの記事で
「自前の体系」だの「学習用体系」だのと
書いてきましたが、「体系」について
具体例が必要かと思います。
ということで、書いてみることにしました。
『ブリッジヘッド 日本史』~中学レベル・復習編
(予定としては全10回)
日本史が苦手な受験生の皆さんも
日本史をやり直してみたい社会人の方たちも
読めばわかるよ、ザックリと!
日本史学習のとっかかり(=ブリッジヘッド)
「中学レベル日本史・復習編」の始まり、
始まり~!!
1.一番大きな時代区分
※「時代区分」=時代の分け方
【ひと言解説】
すごくザックリした時代区分です(笑)が、
これが時代区分の「基本型」です。
区分の基準は、
「どの勢力が政治の意思決定の担い手であったか」
という視点です。
古代であれば、天皇・上皇・貴族(=公家:くげ)。
中世であれば、武家(これは解説不要ですね)。
そして、近代(具体的には明治時代以降)になって
はじめて「国民」という勢力が日本列島に現れます。
(明治まで「国民」意識を持った集団はいません。)
2.各時代の政治制度
【ひと言解説】
さて、歴史というと「誰が天下を取ったか(=支配者になったか)」に意識が向きがちです。
(例:織田信長→豊臣秀吉→徳川家康)
しかし、
「人(支配者)のカリスマ性」だけでやっていく組織は会社でも政府でもあまり長続きしません。
そこで、「その人がいなくなっても、組織が回っていく仕組み」
すなわち政治制度が生まれます。
3.各時代の政治制度の概要
下に4枚いかにも手作り感たっぷりな図があります。いずれも上の○の中が政治決定に直接関わる人、△の中がその決定に従う人たちです。
政治的な決定の中には「新たに課税する」や「ある国と戦争を始める」などのハードな事柄も含まれる場合があります。
そこで、○(決定者)から△(従う人)に対しては、その決定に従うことを前提に利益が与えられます。
その関係を表すのが○から△への青い矢印です。
4枚の各図を比べて頂くと、右側の赤字は色々ですが基本的な構造は変わらない、ということがお分かりになると思います。以下、概要を見ていきましょう。
(1)古代①氏姓制度(4世紀~6世紀)
(2)古代②律令制度(7世紀~12世紀)
(3)中世:封建制度(13世紀~16世紀)
(4)近代:議会制度(19世紀~)
【最後にもう一言】
あれ、明治憲法は天皇が主権者だから、○の所には「天皇」が入るのでは?と思った方。
鋭い!まことにスルドイです!!
ですが、明治政府が成立した後、自由民権運動と2度の護憲運動を経て、戦前の天皇もイギリス流の立憲君主として「君臨すれども統治せず」に徹せられました。そこで大正期には、吉野作造が天皇主権下における「デモクラシー」を「民本主義」と翻訳するなど、実質的には現在の議会制民主主義のあり方と変わらない政体が模索されます。その結果、昭和初年には念願の「憲政の常道」が達成されたのです。(軍部の策動により、残念ながら長くは続きませんでしたが。)
以上を踏まえると、明治時代から昭和初期の議会制も(様々な制約を伴いつつも)現代の議会制度と同じ構造だったと言うことができます。
それはさて置き、原始時代や江戸時代、それに現代史はどうなるの?
それはまた、次回に!
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