見出し画像

「立ち会い出産」をしてみて

 5月上旬、無事に第三子が誕生しました。3,400グラム超の元気な男の子です。
 今回も「立ち会い出産」を経験しましたが、世の中のパパはどれくらい経験しているのか。2022年に実施されたアンケート調査によると、以下の結果だったそうです。

・「日本トレンドリサーチ」と「青山ラジュボークリニック」による調査
・出産の経験がある293名が対象
■ 67.9%が、出産時に家族などの「立ち会いがなかった」

■ 91.5%が、「出産時に夫が立ち会った」

※日本トレンドリサーチの該当記事(https://trend-research.jp/16059/
※青山ラジュボークリニック(https://nipt-info.com/

PR TIMES  2022年10月27日 記事

 今回「立ち会い出産」3回目を終え、今までの体験を少しご紹介します。




1回目 長女の出産 〜母親は強い!〜

 1回目は長女の出産でした。
 4月下旬、私は職場で残業をしていましたが、20時頃に妻から電話があり、「お腹が痛くて、陣痛が始まっているかも」とのこと。
 急いで業務を終え、電車で自宅に着いたのが20時30分頃でした。妻の母親に介助されながら、苦しそうな声を出している妻。そのまま産院へ車で向かいました。

初めての分娩室。仰々しい装置や、忙しそうに院内を動く看護師さんなどを目にする中、いよいよ妻が分娩台に寝た時、それまでは何となく「パパになること」を感じていた私ですが、ここでようやっと「今日子どもが生まれるんだよな、パパになるんだよな」という自覚と責任感が芽生えました。
 しかし、そう簡単に生まれてくるはずもなく、何度も陣痛に苦しむ妻。「腰をさすって」、「手を握って」と妻に言われるがまま、対応する私。入院バックの中にテニスボール(陣痛の時に腰に当てると良いとSNSで見て準備)があることを忘れ、必死に妻の手助けをしていました。
 陣痛開始から3時間ほど経過した23時30分頃、いよいよ出産の時が。なかなか頭が出てこないので、会陰切開をすることに。私は妻の頭側に移動して、処置を見守っていたのですが、この会陰切開が衝撃的。銀のボウルいっぱいになる程の凄い量の出血と共に、長女が誕生。
 正直、長女が出てきた時の嬉しさを超える、「妻は大丈夫なのか」という心配。しかし、すぐに輸血をしながら、長女を抱いて嬉しそうにする妻を見て、「母親には勝てないな、本当にすごいな」と、安心感と共に、そうしみじみ思いました。

 この時はまだ成長につれて頭の形や顔つきが変わっていくことを理解しきれていない私。長女の顔を見ると、「このままの顔だったらどうしよう」と思うほどの、お猿顔と楕円型の頭。ただ、元気に泣く姿と、3,700g超えの立派な姿で、「元気に生まれてきてくれてありがとう」の気持ちで塗り替えました。


2回目 次女の出産 〜コロナ禍の立ち会い〜

 次女の出産の時は新型コロナウイルス感染症の渦中でした。
 長女での印象が強く、「立ち会い」や「入院後の面会」、また赤ちゃんの抱っこなどが当たり前にできると思っていた矢先、病院側から告げられたのが「立ち会いは分娩時のみで、出産後は面会不可」、退院時のお迎えのみ可とのことでした。

 8月中旬、私は出先で会議中でしたが、妻からLINEで「診察中に破水した」との連絡を受け、会議終了後に急いで車で病院に向かいました。
 長女の時とは違う産院でしたが、今回の産院は母親に手厚いで有名な場所。内装はホテルのように立派で綺麗です。妻は内診中に破水し、そのままLDR室に移動していました。部屋の中には分娩台とソファ、そしてトイレがあり、分娩するまでここにいて良いとのこと。妻の陣痛がなかなか始まらないので、バルーンを使って誘発しつつ、私は一旦自宅に戻ることに。
 正直破水と聞いて急いで戻った私、汗だくでした。保育園に長女を迎えに行き、妻の母親に見てもらっている最中に、とりあえずシャワーを浴びることに。万が一があるので携帯電話を持ってシャワーを浴びていましたが、案の定妻からの着信で「陣痛が始まった」とのこと。
 急いで服を着替え、入院バッグを持って産院へ。バルーンをしてから、予想より早く陣痛が始まった様子。長女の時よりも痛みがあるらしく、3年ぶりに苦しむ妻を見て、「長女の時にできなかったことをしてあげよう」と決心する私。妻と私どちらもマスク着用で汗だくになりながら、妻に言われる前に手を握り、声をかけ、腰をさすることに。破水してから4時間後、次女が生まれました。

 3年ぶりの猿顔と楕円形の頭。でも、長女の時と違って、目が大きいかもと思っている中、早々と次女&妻と引き剥がされ、次に会ったときは、これから入院するという状態の妻と、綺麗に拭いてもらった次女でした。看護師さんにマスク着用状態で写真を撮ってもらい、正味3分ほどの再会虚しく再度のお別れ、何もしてあげられない不甲斐なさと、次女に会えない寂しさ、長女を連れて来れない残念さで、妻よりも私が泣きそうでした。
 入院期間中はLINE電話で様子を確認しつつ、退院日に再会。ここでやっと「2児のパパになったんだな」と、実感が湧きました。


3回目 長男の出産 〜産前から産後まで〜

 そして今回迎えた長男の出産。
 今回は出産前から少し不安要素がありました。それは妻の妊娠高血圧症。出産予定日1週間前ほどから血圧が高く、医師からは「状況によっては帝王切開になるかもしれない」との話を受けました。今までとは違った状況に妻と心配になりつつも、自宅で朝夕に血圧測定。食事に気をつけていても、血圧は少し高めなので、看護師さんに都度電話し、指示を仰ぐことに。
 そんな中、出産予定日より少し早くに陣痛が始まりました。私は今回、出産予定日の1週間前から特別休暇を取得していたため、焦らず妻と一緒に病院に車で向かいました。診療時間内であったので、総合受付で陣痛を告げ、そのままLDR室へ移動。妊娠高血圧症ということもあり、安全に出産するためにも妊娠促進剤のようなものを使用する旨の説明を受けました。同意書をいただき、妻が内容を読んでいる最中に、私はLDR室内のトイレへ。

 トイレから出てくると、少し苦しそうな妻。ナースコールを押して、看護師さんや助産師さんがくると、「自然陣痛で、このまま出産に入る」とのこと。促進剤は結局使わず、出産を始める妻。
 「長女と次女の時に思ったけど、自分で今どれくらい赤ちゃんが出てきているか分からないから、状況を逐次教えて」と妻に事前に言われていたので、妻の頭の方に移動し腰をさすったり手を握りつつも、「今の状況を伝えなきゃ」という使命感にかられていました。「今頭が出てきたよ」というやいなや、”つるん”っといった感じで長男が誕生。陣痛開始から3時間ほど、分娩時間は20分という最短記録で誕生しました。

 出産後は長男の手足確認等の立ち会いと、産後の妻と一緒にLDR室内に待機。「出産早かったね」、「状況伝える間もなくだったね」と談笑。お昼ご飯を食べた妻を入院先の部屋に送りつつ、自宅に戻りました。自宅では、小学校から帰ってきた長女が妻の母親と待っており、「早かったね」との言葉を受けて、「ですよね」としみじみ実感。その後は毎日子どもたちを入院先に連れて、長男との触れ合いを楽しみつつ、無事退院しました。


最後に 〜立ち会いは学びが多い〜

 私は、出産に立ち会えたことを感謝しています。と同時に、毎度感想が違うことにも今回気がつきました。

 1回目は「とにかく衝撃的」。生命が誕生する神秘的な情景に、妻が神様のように思えるほどの体験でした。また、自分が生命を預かる立場になったという重責を感じたのもありました。

 2回目は「立ち会えきれなかった」。コロナ禍ということもありましたが、場面的な立ち会いでしたので、退院の時に初めて「2児のパパになった」と自覚。疲れ切っている妻の顔をみて、「そばにいてあげたかった」という気持ちになりました。

 それらの経験を踏まえ、事前の特別休暇を使いながらの3回目の立ち会い。「しっかり立ち会えた」と思いました。陣痛が来る前から産後の入院するまで側にいられたことで、私も一緒に生命の誕生に向きあえている気がしました。しっかりと長男の誕生に対して、心の準備ができたと思います。

 この「心の準備」は、意外と今まで気にしていなかったことでしたが、とても大切なことだと今回実感しています。この準備ができた「産前休」と、その準備を経たのちの「産後休」について、次回は整理したいと思います。


この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートは夫婦でクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!