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名曲怪説

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いろんな音楽を分析的に語ります。
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#音楽

名曲怪説05 - New

名曲怪説05 - New

2015年4月27日、東京ドームにてポール・マッカートニーをこの目で見た。
それからちょうど二年後。
2017年4月27日、東京ドームにてポール・マッカートニーに再会した。
すばらしい夜だった。

***

さて、今回はポールの一番新しいアルバム『NEW』(2013年)より表題曲「New」について、その旋律を追ってみます。

まずはクラヴィネットの音色が印象的なイントロです。

「ソ」から始まって

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名曲怪説04 - But Not For Me

今日はジャズのスタンダードを取り上げてみます。

アメリカの大作曲家ジョージ・ガーシュイン(1898〜1937)が書いた『But Not For Me』です。もとのメロディーラインの分かりやすさということで、まずはビリー・ホリデイの歌唱でお聞きいただきました。

著作権の消滅しているPD(パブリック・ドメイン)作品なので、旋律を書き出してみました。

さて、旋律に注目してください。何か気づくことは

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名曲怪説03『黄金の歳月』

名曲怪説03『黄金の歳月』

こんにちは。2016年も残すところあと数時間となりました。いかがお過ごしでしょうか。僕は先ほど横浜で年越し蕎麦を食べ、正月用の買い出しをして帰って来ました。部屋の大掃除を諦めたらほとんどやることがなくなったので、久しぶりにこのコーナー、いってみましょうか。

(ジングル。アカペラ風に)めーいーきょーくかいせつ〜♪

ラジオ番組を文字起こししたかのように書き出してみましたが、もちろんジングルなんて存

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名曲怪説02『サーフボード』(後編)

 えー、いきなりですが、前回の記事に間違いがありました。

 最後に出した楽曲構造の譜例ですが、Bのあとに続く16小節分がすっぽり抜けていました。お詫びして訂正いたします。(譜例はすでに訂正済みです。)

 さて、予告通り今回は「トライトーン」をキーワードとしてジョビン作曲の『サーフボード』について控えめな音楽分析的視点から書いてみます。

 Bの部分の旋律を楽譜にすると次のようになります。(後の

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名曲怪説01『サーフボード』(前編)

 まずはこちらをお聴きください。

♪Antônio Carlos Jobim - Surfboard

 僕の敬愛する音楽家のひとり、アントニオ・カルロス・ジョビン先生の『サーフボード』という曲。1964年に発表したアルバム「The Wonderful World of Antonio Carlos Jobim」に収録されています。おそらくこれが初録音だったかな。
 本題に入る前に、この3pag

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