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乙女でいることの窮屈さ



 眠たい気持ちに嘘は無いはずだったのは3秒前、隣で眠る君の頸椎をなぞってみた午前6時45分。また、心が満たされないまま朝日が昇るのを見届けてしまった。東向きの窓、おやすみモードの携帯電話、2人の体温が染み付いたシーツは汚れていたし、こんな話は前もした?カーテンの隙間から漏れる光が君のくせ毛を照らしている。光を受けた金色は余計に眩しくて、愛おしくて、苦しかったはず。冬の空気は痛くて寒い、寒い寒い寒すぎるあまりに悴んだ右手の薬指にはささくれ、これは私がまだ17歳の時のお話。おはようもおやすみも不必要なんて寂しいかも
 背伸びして第一志望校に挑戦するか、安定に取れる第二志望校を選ぶか、出願締切の前日にコイン投げで決めてくれた先生は今年で辞めちゃうし、全然喋れないフランス語はルーレットで選ばれちゃったし、大学近くにある古本屋でのアルバイトを夢見るし、おいしいパフェは食べられなかった!死
解放
 君の綴る文章はあまりにも横読みに向いていない。君の文を追いかけるのは君の言うことに従っているみたい、反発したい気持ちでいっぱい
ごめんなさい、実は一生乙女だから私は私に魔法をかけて現実と乖離した世界を彷徨うことしか出来ません、故に、人間らしいというか生々しいことが苦手!生や性や正を感じなくなってしまうくらい脳内処理が追いついていないなら電磁波に乗せられた愛だけを本物だと信じますなぜなら一生乙女だから
窮屈
 朝日が昇るのを見届ける前に眠りにつくべき
今は2023年の12月29日、午前1時15分。
洗濯し終えたばかりのシーツをめいっぱい広げる
結局一度も王子様は迎えに来なかったので、現世に手を振る。のぼせたままだった


40度近い高熱があるってこと、気づかないほうがいいこと、 抱えきれないよひとりだけでは

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