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小林百名山記 Vol.4槍ヶ岳

こんにちは。
小林百名山記Vol.5は日本のマッターホルンと呼ばれる、
北アルプスを代表する鋭鋒。

槍ヶ岳(やりがたけ)

登山日:8月

天候:雨のち晴れ

所在地:長野県

標高:3,180m

山屋ならばいつかはその頂を踏みたくなる槍ヶ岳。
初登頂は播隆(ばんりゅう)さんというお坊さんだそうです。
日本の山の初登頂はお坊さんが多いですね!!

今回は2泊3日の山行で初日に上高地から槍ヶ岳山荘までアプローチ、
2日目に一般ルートからの登頂と、小槍を経由する槍ヶ岳西陵ルートというアルパインルートからの登頂と1日で2回の登頂し横尾まで下山、
3日目に上高地まで戻るという累計標高差約2,400mのハードな登攀でした。

今回は3日間の様子をご紹介するので長くなりますが、
よかったら最後までお付き合いくださいね!!

ルートは、

【Day1】約11時間歩行(休憩含め)
上高地バスターミナル→徳沢→横尾→槍沢→槍ヶ岳山荘

【Day2】約12時間歩行(休憩含め)
槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳(山頂)→槍ヶ岳山荘→小槍→曾孫槍→孫槍→槍ヶ岳(山頂)
槍ヶ岳(山頂)→槍沢→横尾

【Day3】約4時間歩行(休憩含め)
横尾→上高地バスターミナル

Day1【試練の初日】

まず最初の難関はテント泊装備とクライミングギアを詰め込んで総重量20kg
のザックを標高差2,400mの槍ヶ岳山荘まで上げる事。
この日はスタートから大雨!!
途中から晴れる予報を信じていざ入山!

朝6時、上高地バスターミナルから徳沢へ。
ここでは朝ごはんを食べます。
雨なので焦らずゆったりと初日のゴール地点である槍ヶ岳山荘をめざします。
まだそんなに歩いてないけど、眠気のまだ残る体に味噌汁が染みます…。
徳沢の朝定食、オススメです。

さてお次は横尾を目指します。
雨は強くなったり晴れ間が出たりと気まぐれでなかなか機嫌を直してくれません。
雨の中の登山は視界が悪く土砂崩れや、標高が高くなると霧がかかり危険な場合もあるので慎重に進みます。

横尾は涸沢への道と槍ヶ岳への道とで分かれており、
今回は槍ヶ岳方面へ!!
ここから槍沢を目指し歩き続けます!
横尾からは平坦な道からアップダウンのある道となり、少しずつ標高が上がっていきます。
どんどん雨が強くなっていく〜泣

槍沢からグリーンバンドと呼ばれる急峻な登りの始まりです!
予報は大外れで雨続き、むしろ強くなっていく。やはり山の天気は読みづらい!
雨に濡れると全体的に重く感じるのは僕だけでしょうか…。
雨のせいで目標の槍ヶ岳は見えず…。
先の見えないものって心折れそうになりますよね…。
でもめげずに頑張ります!
ここから雨がさらに強くなり、霧が出てきたので写真撮れず。
槍ヶ岳山荘までワープ!!

夏なのにストーブ!!!
雨と風で3,000m付近の気温は真冬並み!!
夏でも高い山にはダウン必須です!
雨に濡れたせいで体感温度も下がり続けるのでストーブで暖をとります。
レイヤリングしっかりしといてよかった…。低体温症は免れました。
体が冷える前にテントを設営して濡れたウェアを干します!

初日は天候に恵まれず、良い山行では有りませんでした。
気温も低く夏とは思えない寒さに凍えながらシュラフに包まって暖をとります。
ナルゲンボトルに沸かしたお湯を入れて湯たんぽにするとメチャクチャ暖かい!!
Day2に備えてササっと食事を済ませ、早めに就寝します。

Day2【大本番!!】

Day1のコンディションは最悪でしたが、朝起きてみるとどうでしょう…。

完璧なご来光!!
初日に耐えた甲斐がありました〜
槍ヶ岳にやっと受け入れてもらえたようです。
槍ヶ岳山荘からすぐに一般ルートで登頂を目指します。

一般ルートにしてはそこそこ険しい…。
クライミングやっててよかった…。

サクサクっと登頂!

さてここからが今回の一大イベント!!
槍ヶ岳西陵ルートに挑戦するためにサクッと槍ヶ岳山荘まで降りて、
クライミングギアを装備してアプローチしていきます。

写真中央にあるのが「アルプス一万尺〜小槍の上で〜♪」の小槍と呼ばれるピークで、これを西側から上り頂上を目指します!

アプローチから一般ルートではなくなり、人があまり入らないので岩のほとんどが浮石でした!傾斜も急なので踏み抜かないよう慎重に歩みを進めます!

西陵ルートの基部まで到着!!
ここから本峰の頂上を目指しClimb On!!

圧倒的なスケールの大岩壁と高度感は最高です!!!
しかし前日の雨で岩が濡れている部分があり慎重さが求められます。
浮石にも注意しながら…。

小槍頂上到着

ちなみにアルペン踊りとは「ロープを使い岩壁を登っている姿」を揶揄してアルペン踊りといったそうです。目から鱗でした。まさにアルペン踊りの最中です!!

しかしここで問題発生!!
ロープは60mも長さのあるので絡まってしまいました!
でも大丈夫!不足の事態も楽しみながら対処すれば解消されます!
「ちっくしょ〜う♪」

登っている最中も美しい景色が広がり、
「北鎌尾根」と呼ばれるバリエーションルートを眺められました!
次はこっちから登ってきたいな〜。

小槍を越え!曾孫槍を超え!孫槍を越え!
3つの岩峰を超えて、頂上のある本峰へ!!!

本日2回目の登頂!!

標高3,180m
日本で5番目に高い山をアルパインクライミングで制覇!!
感無量です!!
今まで培ってきた登攀技術を存分に発揮できました!!
しかしここで終わりではありません!
すぐに横尾まで下山しなければ!!
やはり少しハードだ!もう笑うしかない!

日が暮れる前に槍沢を降り、横尾を目指します!
クライミングをしたおかげでアドレナリンがドバドバ状態なので荷物の重さをあまり感じませんでした。
槍の矛先で見た景色の余韻に浸りながら歩きます。
「ありがとう槍ヶ岳」
お昼頃に槍ヶ岳山荘を出発し、横尾に着いたのは20:00くらいで辺りが真っ暗になってからでした。
あとはもう帰るだけ!
ゆったりと夕食を取り眠りにつきました。
あ〜ハードな1日でした。

Day3【ご褒美タイム】

3日目は朝ゆったりと起床し上高地を目指します。
もう旅も終盤です!
3日目の目玉はこちら…

明神池近くの嘉門次小屋(かもんじごや)のイワナ!!
小屋の奥の方に囲炉裏があり、実はそこも座ってご飯が食べれるんです!!
イワナ定食を食べるため横尾からスピードを上げてきました!!
腹が減った!!

創業は明治13年 嘉門次さんが猟をするための拠点として建てたのが始まりだそうです!
日本アルプスを世界に広めたイギリスの登山家W・ウェストンもこの小屋を訪れ嘉門寺さんと友情を深めたとか…。
その時、嘉門次さんに友情の証としてピッケルをプレゼントし、
今も嘉門次さんの愛用した猟銃と一緒に飾られています。
し、渋い…。

さーて北アルプス最後の食事です!!
基本フリーズドライしか食べなかった今回の山行。
温かい炊き立てのご飯と味噌汁を食べるだけで幸せを感じます。
イワナも頭から尻尾の先まで食べられるのでかぶりつきました!!
少ししょっぱい塩加減がたまりません!!
温かいご飯がすぐに出てくる今の時代は本当にすごいです。
便利さとは隔絶した場所から数日ぶりに帰ってくると毎回感じます。

今回の百名山も果てしないスケールで、自然の息吹を感じました!
こんな険しくも美しい山は先人たちも登りたくなるわけです。
槍ヶ岳のクライミングはあまりメジャーではありませんが、登山とは違う槍ヶ岳を見ることができる素晴らしい冒険で、また新たな経験ができました!
北アルプスには百名山がたくさんあるのでまた戻ってくる事でしょう!

それではまた次の山でお会いしましょう!
FJALLRAVEN by 3NITY 新宿小田急ハルク 小林

イワナうまかった〜

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