『HYPERTEXT : SAPPORO POSSE OFFLINE #1』を2024年の3LA指定図書にしますので買ってください。
先日入荷していました『HYPERTEXT : SAPPORO POSSE OFFLINE #1』ですが初回分は即売して再入荷分もまもなく在庫がなくなる見込み。
このnoteが公開されることには、すでに売り切れているか、もしくはまた再入荷が出来ているかもしれない。とにかく今年2024年の3LAの指定図書の1つとすることにしたので、我々の思想を1つレベルを上げるためにも是非買っていただきたい。
「特集:カウンターカルチャーと陰謀論」という副題に偽りのない、カウンターカルチャーと陰謀論の関係性を語りながら(それもそれぞれの章が独立しているようにみえながら全体を通して一本の物語になっており、小説を読んでいるかのような味わいすらある)しかし、それらは音楽の歴史としても深く関わっていながらあまり音楽評論では語られることはない物語があってめちゃくちゃ面白かった。
なおかつ、ここが自分にとっては重要な点なのだが、「カウンターカルチャーと陰謀論」というだけでなく、視点を変えて考えればこれらは大衆が社会に作用する力を発揮するには、またはメディアとは?というところの問いにも通じるところがある。すでに発売から時間も経ったので若干のネタバレも含まれるかもしれないが、読了後忘れないうちに思ったことを書いておきたい。
ユヴァル・ノア・ハラリの妄想
ZINEを読みながら、まず思い出したのがこの「サピエンス全史」で、人間の脳が虚構を信じられるなら陰謀論だって当然信じられないわけがない。
すごく面白い本で(特に上巻)、根拠はわからないけど著者ハラリの妄想にしてはめちゃくちゃ納得する点は多い。
人類が飛躍的発展を遂げたのは脳の革命=概念、神話、虚構が効力を発揮するようになったからだっていうのがざっくりな要約だが、<想像上の秩序>を信じるのと同様に、それが意味があると信じられる理由があれば陰謀論だって信じてしまうのはもう人間の性なのかもしれない。「信じる」ということと同じく「疑う」という機能も脳にインストールされてるのがなかなか凄い。
実際、音楽家の音楽はその音だけで評価されるのではなく、音の背景にある世界観が重要になる。「世界観」というと抽象的だが、同じく抽象的な言葉だが「神話」と言い換えることも出来る。ポップ史に名を残すミュージシャンは音だけでなくそれらを補強する神話を持っている(むしろ神話を音が補強している)。
ジミ・ヘンドリックス、ビートルズ、ローリングストーンズ、ボブディラン、、、このZINEの中でもいくつかの章と関連して名前が上がっている彼ら伝説となった音楽家たちはそのエピソード群によって神話作られている。ならば、その神話を作ることが出来れば音楽をより売ることができるのでは?と考えるのが資本主義である。
大塚英志 『体重人格探偵サイコ』と『物語消費論』
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