ISSUE OF #DISTRO - 03. 年表整理「俺は一体... 何なんだ」

2024年3月12日 22:51

ディストロとは、「ディストリビューション」のことであり、音楽業界で言えば、かつてはリリースレーベルとリスナーの間・もしくは小売店の間を仲介する流通業者のことを指していた。
今でもメジャーリリースの作品は流通業者を通して全国のレコード屋やCD取り扱いのある店舗へと取引されていく。
では、何故そんなわかりきったことを改めて研究するのかというと、そこにはその「ディストロ」が担ってきた機能面での役割とは別に文化的側面があるのではないか？という考えからだ。だって自分が続けてきた「ディストロ」っていう活動は上記の数行で説明がついてしまうものではないのだから。
最終的に資料性博覧会へまとめようとしているこの資料はそのディストロを改めて研究し、自分が取り組んできたディストロという活動のすべてを書き残してみたいという試みなのだ。

ディストロが果たしてきた役割って一体なんなの？
仮説はある。
それはDIYパンクが成し遂げてきた革命、「個人のエンパワーメント」の一端である。インディレーベルとDIY草の根ネットワークの始まりは UKのRough Trade(1970年代からの初期パンクの話)まで遡ることになるが、インディーバンドを支えてきたカルチャー・重要要素として①レーベル、②ファンジン、③カレッジラジオといったものがインターネットの発達とともにネット側のサービスや発信に置き換えられていった。ディストロもそのうちの一部で、④としよう。

かつてenvyとkillieの記事で作った年表に、日本におけるテクノロジーと世界の動きも書き出してみた。

個人のエンパワーメントの歴史はインターネットのテクノロジーの歴史と密接に関わる。テクノロジーの歴史は音楽業界の隆盛と衰退の話と密接に関わる。90年代にはすべてが出揃っていることがわかるし、ホリエモン、ひろゆき、前澤友作、イーロンマスク。2020年を回っても重要人物なんだな。

3LAは2010年に始まったが、音楽業界的には衰退の真っ只中でその中でかつて存在していた国内のレコ屋・ディストロが徐々に消滅していった。いまでも現存しているものもあるが、多くは活動を縮小している。

自分は何故生き残ったのか？
そしてディストロとは何だ、激情とは、DIYとは何だ？
そんなしょうもないことで悩み考えている俺は一体…. 何なんだ？