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仕事の理想と現実を受け入れようともがく

noteの下書きを見たら、書いたままになっていた記事を見つけたので、仕上げて公開することにした。

これは、私が今の会社に入社して3ヶ月経過した頃(2023年6月頃)の話である。この時の気持ちってこんなだったのね、こんなことあったなあ、と数か月前の事なのに、ずいぶん前の事の様に思える。


低迷期は抜けたが・・・。

入社して1カ月目に大失敗をしたために大クレームを受けた私は、ものすごく落ち込んでいた。

そして、その出来事が発端となった低迷期から抜け出せず、苦しんでいた。

「もうやだ」「今日こそ辞めてやる」と思い、出社するのも億劫な日々が続いたが、他の営業仲間と知り合い、彼女たち(ほとんど女性だった)が努力している姿を見る事で、それもどうにか乗り越えた。やっぱり人間仲間ができると強くなる。

入社して数か月が経過し、毎月の手取り金額もほぼ確定した。

前職よりもかなり年収をあげてもらったにもかかわらず、手取りはそれほど増えていないことが判明し、これも仕事に対してやる気が湧かない原因の一つだった。(累進課税により、所得税の課税率も増えたため。)

外回りをしていると交通費もかかるし(建替金として返金される分もあるが)、ネットワークづくりのために自費で参加している集まりもあるし、見た目もそれなりに整えなければならず、年収アップの恩恵がさっぱり感じられない。

ただ、比較的自由にさせてもらえるのはよかった。週次の報告さえしていれば、特に何かを言われることはなかった。

これを「自由」と捉えるか、「放置」と捉えるかは個人差がありそうだが笑


インド人の脳内変換に未だに驚く

数か月間一緒に仕事した結果、誰なら信頼できて、誰が危険人物なのか、徐々に見分けがつく様になってきたが、結局はその人たちとも仕事をしなければならない事に変わりは無い。

少なくとも自分から仕事を依頼する事は辞めたので、リスクを減らす事はできる様になったが、まだ気を付けるべき点は多くある。仕事したくない人間に仕事させる事ほど大変な事はない。

また、インド人特有の脳内変換も、能力にかかわらず発生するので、これが仕事をややこしくしている事があると思う。

(営業職の場合)一般的にインド人は営業しても無駄、大した数字にならないと分かると途端にやる気を失う事が多い。目的が非常にはっきりしていると言える。

ここに、彼らの脳内変換の原因の一つがあるのじゃないかと思う。
明確に結果につながらないものは、対応しなくてもよい。
大きな結果につながりそうなものは、何が何でも獲得したい。

一方の私は、今は営業できない/数字が小さくても将来どうなるか分からないので、小さな依頼でも大事にしたいと思うのだ。


最近も、「以前訪問したお客様が取引を開始しても良いと言っている」と同僚の一人が言い出した。

私と一緒に訪問した後も、先方のインド人担当者と連絡を取り続けていたらしく、取引を開始してもいいと言っているらしい。

これに、日本人担当者にプッシュが必要だと言うので、
どこまで(お客様の)社内で話ができているのか?
話しているなら、日本人の反応はどうか?(日本人が権限を持っているので)
話ができていないなら、提案のどの部分が良いと思えたのか?(私からもそれを伝えるつもりだった)
を聞いたところ、

もうインド人担当者から日本人担当者に話はしている
日本人担当者の反応はニュートラルなので、こちらからもプッシュが欲しい。
と言うのだが、それだけじゃ状況がちょっとよく分からない。

「このインド人担当者は提案のどの点が良くて取引開始してもいいと言っているのか?」を再度聞くが、もにゃもにゃして明確な回答が出てこない。

怪しいなあ。。。大丈夫なの?

これ以上やり取りしても出てこないので、若干怪しみながらも、日本人担当者に電話してみると、「え?そんな話は初めて聞いたよ?(=社内での話ができていない)」との発言が飛び出した。

やっぱり。。。そんな気がなんとなくしてたけどさ。。。
どの時点でこんな風に脳内変換されたの。

「(取引の開始には)親会社の承認が必要で、その根拠を(インドの)社内でまとめる必要があるから、一旦社内で話しますね。」との事だった。

そして返事は来なかったのだった。


この若い同僚は、いつも「他者商品と大きな差がある訳じゃないから、とにかく押さないといけない。」と言っているが、闇雲に勧めても効果は出ないだろうと思う。

だから、どの点を強調するべきかを知りたくて、電話する前にどの部分でメリットがあると思っているのか?を聞いたのに・・・。

これが明確になっていないと、いくら日本人同士だからと言っても、強く勧める事はできないし、最終的に成約には結びつかない。

ただただ「うちの商品いいんです!」と言って、成約につながったとしても、強引に決めると、後で面倒な事になると私は思っている。



誰が担当になるか?いい企業は常に取り合い

私の会社では日本人は一人だけで、私がインド全体を担当しているが、各エリアのチームと組んで営業している。

誰もが名前を知っている様な大企業は、エリアにかかわらず当然どの営業も狙っている。同じエリアのチーム内でも同僚は仲間であると同時にライバルでもある。

そしてリモートが発展した今となっては、別エリアのチームさえ、ライバルになりうる。

「誰がその企業の担当になるか?」の大原則のルールは
「最初に訪問した営業」であり、
エリアが異なる事が判明した場合は
「経理部門・統括部門がある場所のチームが担当になる。」だ。

例えば、デリー周辺で出会って訪問した結果、「経理はムンバイにあるんですよ。」と言われれば、北インドチームのAさんは、西インド(ムンバイ)チームのBさんにお願いする事になる。その会社が成約した場合、成績は西インドのチームに加算される。

営業は数字が大事なので、みんな心の中では他に渡したくないと思っている。当然だ。それは私にも分かる。

しかし、最近のとある出来事で、私はちょっともやもやしていた。


北インドで訪問したある会社の経理部門がバンガロールにあると分かり、経理部門の訪問の調整をしていた時、ちょうどバンガロールに出張になりそうだった。

なので、経理担当の訪問を出張の際に実施しようと思った。
経理がバンガロールにあるので、当然現地チームが担当になる。

しかし、北インドで一緒に訪問に同行した営業は、「この会社の事をバンガロールチームには言わないで。」と言い出した。

え?何言ってるのこの子?

「ちょうどこの頃に出張だし、バンガロールチームと一緒に訪問するよ。」と言うと、
「バンガロールチームには言わないで。この面談だけ一人でuberで行って来て。」と言い出した。

いやいや・・・・。現地に行って、突然、一社だけ私が突然別行動を始めたら不自然過ぎるじゃないの。

それに知らない土地での移動で、一人でuberとか不安過ぎる。(バンガロールは交通渋滞がひどい事で有名)

出張では訪問件数も重要で、角度が高いこの面談は現地チームにもサポートしてもらっていい話を引き出したい。(もちろんヒアリングしてみないと分からないが。)

「原則はそのエリアのチームが担当するんだよ?」と言うと、「今はデジタルの時代だから、リモートでも大丈夫。だって、XX(顧客名)だってうちが担当してるし。」と言い出した。

この顧客のオフィスはデリーから離れている。むしろ別チームの担当と言えそうなエリアだが、北インドのチームが担当していると言う。

言いたいのはつまり、離れた地域でも北インドで担当している前例があるから、このまま見逃して欲しい、と言う事なのだろうと思う。

勝手にやる分にはこちらの知った事ではないが、こちらは巻き込まないで欲しい。

「バンガロールチームには言わないで。」とか、「その訪問だけ一人で行って来て。」とかの発言は、ルール違反と分かっているのに隠しておきたい気持ちが見え隠れした。

営業にとって数字が大事だと分かっていても、なにか心の中がもやもやした。

その時は出張の日程も確定してなかったので、もう一度上司に聞いてからにしようと思い、そのままにした。



後日、お客様に返信する前に都合よく上司が来たので聞いてみると「それでいいわよ。」と、私の認識と一致している事が分かったので、ほっとした。

「誰か反論してるの?必要なら話するわよ?」と言われたが、「まずは自分から説明する、必要だったら助けて。」とだけ伝えて、その場は納めた。

改めてその営業に「経理部門があるところのチームが担当するからね。上司にもルールを再確認してあるから。」と伝えると、「そう。」とあっさり引き下がった。

インド人のいつもの「言うだけ言ってみる。」だったのだろうと思う。

数字に対する執着はこちらも痛い程理解できるが、私が他のエリアの客を取ろうとしているのを一つ黙認すると、今後は何を言っても誰にも受け入れてもらえなくなる。少なくとも(私が担当している)企業についてはルールを守ってもらわないと困るのだ。



仕事の理想と現実を日々微調整しながら、みんながんばってる

入社して数か月が経過し、内定書だけでは分からない現実が少しづつ浮き彫りになってきた。

仕事に(自分が)乗り越えるべき課題があるのは当然だが、若干「こんなものか・・・」とがっかりしている部分があるのも事実だった。

まあ、これで給料をもらっているのだから、今ある環境でベストを尽くすしかない。会社を大きく変える事は(今すぐは)できないけど、自分のアクションを変えるだけなら今すぐできる。

脳内変換は知らないうちに起こっているので要注意だが(中々に厄介)、細かく何度も確認する事で、こちらの認識とかけ離れてしまう事は避けられる。

担当者の優先順位は、全員に平等に接していればいい事だ。

文句を言いたくなる時もあるが、そんな時は外回りの帰りにコーヒーを飲む時間を確保している事はみんなには内緒にしている。

誰にだって小さなご褒美は必要だ。



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