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3FacE
2021年11月20日 00:27
――これは、すべての迷える人に送る旅立ちのエールである。僕にはどでかい夢がある。それはもう小さい頃から温めている夢だ。夢の内容はまだ誰にも言っていない。僕の夢は、まだ誰も成し遂げていないことをすることなので、誰かに喋って先にやられたら、計画が水の泡になるからだ。兎に角、言えることは、僕にはどでかい夢があるということだ。***「俺、海外に行くんだ」いつもの、海辺。いつもの
2021年2月1日 21:01
寒いなぁ。 ――お前は寒いだろうな。生憎お前に掛けてやる毛布を私は持っていない。 ハァーッ! 畜生! ここに女房がいたら強く俺を抱き締めて暖めてくれるんだろうなァ! ――お前に女房はいないはずだが? いねえよ、いねえけどよ。俺は貧乏な家に生まれてクソ親父の言うなりに盗みを働いていたが、本当はそんなことしたくなかったんだ。 金品を貰いに入った家に住んでる奴らみてえに、美人で優しい女房とち
2019年12月1日 21:56
「女性と会う約束をしてしまいました」「そうですか。楽しんできて下さい」「でも、仕事が」「何を言っているんですか。その方は、カードに想いを乗せたのでしょう?」「・・・・・・」「むつかしいことは、考えないで。君の今の仕事は女性との約束を守ることです。レディをガッカリさせることがないように。これはワタシとの約束です」 ●●● 私の地元は、霧の町として有名だとい
2019年9月1日 21:27
雲は出ているが、その後ろで月も負けじと光を放っていた。 デスクの上は整頓されており、右端に写真立てのなかで、夕日に照らされて僕と息子が笑い合っていた。補助輪無しの自転車でやっと乗れるようになったときの写真だ。朝から練習を始め、何度も転んで泥だらけになり、汗と涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら、諦めずにペダルに足を掛けていた。僕は息子を見守り頼りなく声援を送ることしか出来なかったが、夕方になり