読書感想:プログラマーに嬉しいベイズ推論本
ベイズ理論をデータ解析やシステム開発で活用してみたいと思っても、最初はなかなかハードルが高いというプログラマー諸氏も多いと思う。そんな人におすすめしたい画期的な書籍がちょっと前に出版された。
それが『Pythonでスラスラわかるベイズ推論 「超」入門』(赤石雅典 著、須山敦志 監修/講談社)である。
この本の素晴らしいところは、タイトルにある通りPythonによる実例と数学的な説明とを対比させながら、とてもとても基本的な所からベイズ推論を解説してくれているところである。
プログラマーにとっては、どちらかというと数式よりもプログラムコードで説明してもらったほうが分かりやすいという人が多いと思うが、この本はまさにそのニーズに答えてくれる。著者がそういったプログラマーの気持ちをよく分かって書いてくれているな、というのが読んでいて伝わってくるのである。
また、類書ではなかなか説明されていないような、でも意外と落とし穴になるような超基本的なことからキチンと説明してくれているのがありがたい。これが読んでいて「グッとくる」のである。いくつかその例を引用してみよう:
数学の概念をOOPの概念と対応させて説明する本はなかなかお目にかかったことがないし、確率分布の記号は関数のように見えるのに、関数とは全く意味が違うという(私も初心者のときに混乱した)問題が、この本では冒頭でアッサリ説明されているのことに、ちょっと感動した・・・いや嫉妬したというべきか。今からこの本で勉強できる人が羨ましい。私が学生だったころ悩んでいた時間を返して欲しい!的な。
サンプルコードも豊富だし、これからベイズをやってみたいという人は、たぶんワクワクしながら読める本だと思う。是非一度手にとってみてほしい。
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