一杯の場がつくる、ひとつの物語。
南伊豆町に来てから1ヶ月。
気が付けば、このnoteも32回目の投稿です。
1ヶ月が経った今、改めてこのまちに来た当初を思い返す。
過去につけていた日記を見返しても、漠然とした不安を持ち続けていたように感じます。
それは、昨年5月に仕事を辞めて、ここに来るまでの1年間。
私は、ただひたすらに海を眺めたり。
ひたすらにデッサンを描いたり。
とにかく今この瞬間のことだけに、漠然と目を向けていたから。
いざ、「ローカル×ローカル」のオーナー、イッテツさんの編集プログラムに参加したものの、今後自分が何をやりたいのか分からない。
今、海をぼーっと眺めてるのも、デッサンを描いているのもたのしい。
けれどその楽しいと感じる点を、次のどの点に繋げていいのかが分からない。
「私って何者なんだ?」……
その答えは誰かが教えてくれるわけでもなく、自分の心の中にある。
多分「何者かにならなきゃ」と、どこか焦っていたのだと思います。
でも、このまちで暮らし、人と関わる中で思ったこと。
それは今、目の前を楽しむ人でいいじゃないかと。
私は何者でもないし、それをずっと望んできたんだよなって。
今、私がしあわせだなと思う瞬間。
それは何か理由があるでもなく、ふらっと立ち寄れる場所に足を運ぶこと。
たとえば、ローカル×ローカルの隣にあるベトナム料理屋、「oh!pho」さん。
ここに行くと、オーナーのぐいさん姉妹が出迎えてくれることはもちろん、日々誰かしらと遭遇する。
まちの人。宿のゲストさん。観光の方。
その場限りでおしゃべりをする人もいれば、
「また明日」なんて言葉を交わす人もいる。
いつだって、ここに行けば、誰かに会えるのではないかと期待を込めて向かう自分がいる。
***
思えば、東京で生活していたころも、私は「ふらっと立ち寄れる」カフェがすきだった。
休みの日だって、片道2時間かけて、だいすきなカフェに足を運ぶ。
「お!久しぶり」なんて会話をすることもあれば、黙々と本を読みにいくこともある。
立ち止まりたいなと思ったとき。
誰かに会いたいなと思ったとき。
私は、そんな場所に何度も救われている。
正直私はこの先どうなるのか、まだわからないし、
明日になったとき、自分が何者かになれるとも思っていない。
でも、もし何かをするならば、もう一回、人の集う場所に立ちたいな。
ふらっと言葉を交わせるそんな場所に。
その一歩として、数年前に少し勉強していたコーヒーをもう一度、勉強し直そうと思う。
たった一杯で生まれる、人と人のご縁を紡ぎたい。
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