#7　時を操るいたずら妖精の落し物

雑貨屋で会計を済ませている時、
Oliviaのネックレスがキラリと光った。

そのクリスタルのような6角形の柱の中には
歯車やキラキラと光るもの、
宝石のようなストーンが入っていた。

そのネックレス、すごい綺麗！

ありがとう！
庭に落ちてたものなんだけど、
綺麗だったからネックレスにしたの。

…庭に落ちていた？
Oliviaは当たり前のように言うが、
どうして庭に？一体何なんだろう？

困惑している私に
Oliviaは詳しく話してくれた。

この世界には色んな妖精がたくさんいるの。

この妖精は時を早めたり、遅くしたり、
止めたりする力を持っていて
みんなによくいたずらをしてるのよ。

あっという間に時間が過ぎてたり
時間が進むのが遅く感じたり
時間がまるで止まっているように
感じる時ってない？

あれはだいたいこの妖精の仕業よ。

で、その歪めた時間と妖精の力の影響で
クリスタルのような結晶ができるんだけど…

ほとんどは、
妖精がその場で結晶を消してしまうの。
いたずらがバレないようにね。
でも、たまにうっかり落としたままに
なっているのがこれよ。

ワクワクした表情で
Oliviaの話を聞いていた私にこう続けた。

カフェに戻ったら
他にも緑とか青とか…色々置いてあるわ。

綺麗だからたまに拾うけど
何かに使うわけでもないから
良かったらあとで貰っていって。

色が違ったりするの？

ええ、色、歯車の形や向き、
結晶の長さもそれぞれ微妙に違うわ。

この妖精の時間のいたずらって
その時々で違うんだから当然でしょ。

確かにそうだ、と思った。
１つとして同じものはないのだろう。

ちなみにこの妖精自体は、ほとんどの人には
見ることができないらしい。

これが時を操る妖精の落し物を
仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。

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