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#49 Alexの部下Dan(ダン)

嬉しくて浮足立ったOliviaと私、
AlexとPierreの4人は街の扉へ向かった。


扉を抜けると、
トルコのカッパドキアを思わす
巨大な岩山、無数の穴があった。

その迫力ある岩山に
私とOliviaは圧倒されていた。

「おぉ~。たくさん素晴らしい石が
眠ってそうなとこですねぇ。」

遠くに見える洞窟にPierreは興奮気味だった。


「足元、気を付けてね。
そんなにきれいに整備はしてないのよ。
普段、私達みたいな
採掘チームしか来ないとこだから。」

写真 2021-02-21 7 59 17

Alexが私達に注意を促していると
遠くから声が聞こえた。

お~い!Alexさ~ん!
Oliviaと同じくらいの歳の男性が
こちらに手を振りながら走ってきていた。

おはよ~!と大声で男性に挨拶を返しながら
Alexが私達に説明した。

「彼はDan(ダン)よ。最近入った部下なの。
ただ…ちょっと、おっちょこちょいでね…」

と言ったと同時に見えたのは
Alexの肩越しにDanが盛大に転ぶところだった。


あっ!!と私達が一斉に叫んだのを見て
Danの方を振り返ったAlexは
呆れ顔でため息を漏らした。

「僕は、だ、大丈夫ですっ!…あいたた」

と言いながら、なんとか
私達の元へ辿り着いたDanにAlexは私達を紹介した。

「ほんと、まさに今、足元に気を付けてって
皆に言ったところだったんだから。」

Alexは軽く笑いながら言った。
Danは照れ臭そうに笑いながら謝った。

「ははは。
いやぁ、お恥ずかしい…すみません。」


「Dan、私の荷物は届いているかしら?
みんなの荷物も置きたいわ。」

「あ、はい。
Alexさんの居住スペースに運んであります!
え~と、その穴がAlexさんの…
あれ…こっちだったかな…」

Danはどの穴なのか分からなくなっていた。

まったく…と呆れながらAlexが言った。

「私の部屋ならもう少し先のあの穴よ。
今日中に全部覚えなさい!絶対よ!
Alexは少し声を荒げた。


「Pierreさん、それにあなたたちも
安全のために絶対に覚えてほしい部屋があるの。
一応入り口の上にそれぞれプレートがあるんだけど
ひとつひとつ確認してたらキリがないのよね。
だいだいの場所でいいから、必ず覚えて。

まずはそこの私の部屋
荷物は全部ここに置くから、
1人でも取りに来れるようにね。

それから、その岩山側の隣が作戦ルームよ。
普段は入ることないと思うけど
何か助けが必要なら、
絶対ここに誰か1人はいるから。

私の部屋の真上がダイニングルームよ。
みんなそこで食事や休憩はとるわ。
万一はぐれたりトラブルがあったら
そのダイニングルームに集合だからね。

そのさらに上の段、
岩山の大きな洞窟に一番近い穴が救護室よ。
体調が悪くなったり怪我したらあそこ。

もちろん、私達も応急処置はできるし、
大抵その場で済むと思うんだけど
もしもの時に1人でも行けるように、
1人でも休んでいられるようにね。」


私達は復唱して、しっかり場所を覚えてから
”Alex Captain”と書かれたプレートの穴に入った。



これがAlexの部下Dan(ダン)
出会った時のおはなし。
続きはまた次回に。


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