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#20 妖精を呼ぶ小さな薔薇のブーケ

あっ!
ちょっと待って!!


Eveの家の玄関を出る時、
急いでEveが後を追ってきた。

それ、ちょっと見てちょうだい。

Eveが指差す先の木箱には
大小様々、色とりどりのお花が
雑多に置いてあった。

整っていた庭や
丁寧に飾られていた花とは
対照的な置き方にとても驚いた。


わぁ。綺麗なお花たちね!
でも、このお花たち、どうしたの?
お庭のお花じゃないの?


最近、庭のお花を増やしすぎちゃって
小まめに間引きしててね…

蕾とか、見頃のものとか
剪定してるんだけど
そのまま捨てるのはかわいそうで
こうしてとりあえず取っておいてるの。

あなたたち、
いくつか持ってってくれないかしら?


そうなの!?
Eveの育てたお花たち、
とても鮮やかで綺麗だから好き!
カフェで飾らせてもらおっと。

ホント綺麗だし、かわいい。
私も少しいただきます。


ありがとう!
欲しい人に貰ってもらえたら
この子たちもきっと喜ぶわ。

ウチはもうお花だらけだから。

Eveは苦笑いしながらそういった。


Eveさん、
これ、とても小さいお花ですね。
薔薇もすごく小さい…


それ、小さい妖精が来やすくなるのよ。
この近くに妖精の集まる森があって
そこから少しいただいてきたのを
この庭で増やしたの。


妖精の集まる森!?
面白そうな場所…


今度行ってみるといいわ。
あなたならきっと見える妖精も
多いだろう
から。


はい!行ってみます。
お花の色は
もともとこんなに種類があるんですか?

もともと色は多いけど、
私が作った色もあるわ。
色とりどり、鮮やかな方が面白いでしょ。


ホント、見てるだけで
幸せになるような鮮やかさです…
でも、派手すぎなくて可愛らしい


そうなのよ。
それに、色んな色のお花を
組み合わせて飾ったりするの、
すごく楽しいの。


確かにその日の気分とか
何か、誰かをイメージして
組み合わせるの、楽しそう。


たくさん持って帰ってね!



これが妖精を呼ぶ小さな薔薇のブーケ
仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。


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