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ただいま送活中

チャーハンぶり(#チャーハン大賞)に姉tomoeと両親に会いに行く。実家マンション前の一本桜はすでに花びらは散っていて葉桜となっていた。年末父の癌の事を聞いた時は、この桜が見られるかどうかも想像ができなかったから、両親がこの桜をふたりで見上げたと思うととても嬉しい。

幸いに父の身体に住みついている癌はまだ悪さをせずにいてくれている。といっても普段の体重からはすでに10キロは減っていて、父の大きな背中の記憶というか、ガッチリしていた頃の面影を知る私から見たらどうしても小さく見えてしまう。

やせ細ってきているがそれでも父は毎日5000歩以上は歩き続けている。すごいことだ。普段仕事をしている私は夕方に携帯アプリから「おめでとうございます!今日は1500歩ですね!」なんていうメッセージが届くくらいなので、5000歩がいかにすごいことかと思う。1500歩が少なすぎるという説もあるけれど。

今日はいつものウォーキングはお休みにして母が少し遠い病院に通院するので、むかし家族で暮らしていた小さな駅までtomoeに車で送ってもらうことにした。

tomoeが運転、私が助手席、後部座席に両親が乗った。この4人で車に乗るのはおそらく25年ぶりくらいだ。たった30分程のドライブだったけど、とにかく会話は車を降りるまで尽きなかった。

4人で乗るなんて久しぶりだねー!
何年ぶり?ナオが高校生くらいだよ。
三和に車で買い物に行ってたじゃん!
白いカローラっていつ乗ってたっけ?
えー?カローラだっけ?
黒いクラウンは誰に売ったの?
ナオが免許取ったばっかの時にお父さんに内緒で車借りたよね。笑
そうそう!駐車場停めるのに時間かかってtomoeが飛行機乗り遅れたんだよねー!
あのマンションの駐車場狭かったよね!
あー!ここの道キレイになったねぇ。
ナオがこの近くでバイトしてたんだよね!
えー?こんな所まで来てたんだー?
昔この道路なかった!駅変わったねー。
なーんて、かくかくしかじか。

短い時間でも楽しい。嬉しい。
みんな笑ってる。ずっと笑ってる。
なんとも心地よい4人だけの空間。

へんな話、父の死を意識しだしてから家族がまた繋がった気がする。むかしむかしの小さなコミュニティ。幸せだったってやつだ。

人は必ず死ぬ。誰もが知ってる。
私たちも知ってる。
それはきっともうすぐやってくる。

両親は先日終活セミナーというものに参加してきたらしい。私は父を見送るまでの間、気の向くままにここに記していこうと思う。

(文・写真 イガラシナオ)

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