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登山グレードを知ろう

山岳事故


山岳事故の約56%は転落と滑落と言われています。

筋肉や神経系に関する体力が足りていないことが大きな理由ですが、そもそも行きたい山と行ける山がマッチしていない登山者も多く、そういった意識と肉体の乖離が事故を誘発しています。

事故を起こしているのは、60代以上の事故が最多で、登山経験10年以上というベテランの方々もいます。

若い頃の記憶が残ったまま、体力と技術が低下していて、それに気づかないまま危険な領域に足を踏み入れてしまうというケースが「途中で引き返す」という判断につながりにくいと考えられます。

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滑落に備える


滑落に備えるためには日々のトレーニングが欠かせません。というより、他に方法がありません。

近所の里山など、標高は低くても良いので、平坦ではない山道を週に1回は登りたいものです。

それから簡単なクライミングの練習も、岩稜などの岩登りには最適なトレーニングなので、急峻な山が好きな方には是非おすすめしたいトレーニングです。


登山グレード


クライミングで使われているグレードシステムのクラス1〜5の難易度が登山に該当します。日本ではアルファベットのA〜Eの表記をします。また、藪漕ぎや沢登りなど、日本独自の登山形態もあり、レベルが上がるに従って、体力、知能、技術、全ての難易度が上がっていきます。

クライミングでは当たり前に意識するグレードですが、登山の世界でグレードが意識される機会は少ない傾向にあります。それは、ハイキングから簡単な岩登りまで全てが「登山」として定義されていて「登山」は誰でも気軽に始められるというイメージが強いからです。

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横軸が難易度、縦軸が体力を数値で表しています。
“長野県ホームページより引用“


まとめ


トレーニングには体力や技術を向上させる目的以外に、自分自身のレベルを知るという目的があります。いわばメジャーのようなものです。

そして、これから行く山の地図がなければ目的地に到達することはできません。ネットで情報を集めるのは多くの場合この部分になると思います。

そして最後に、その山の難易度と自分自身の能力をマッチさせるために山のグレード知っておくことは重要なのです。

今まで山のグレードを知らなかった人も、あまり重要視していなかった人も、この機会に自分が行く山のグレードを見直してみましょう。

きっと新たな発見があると思います。

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