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クライミング上達マガジン

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クライミングの上達方法や練習方法について発信していきます。
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2020年12月の記事一覧

グレードが甘かったり、辛かったりするのは、なんで?

ボルダリンググレード課題の難易度を数値で表すシステムです。 日本では段級グレードシステムが草野俊達さんによって提唱され、柔道や書道などで使われるようなモデルが定着しています。 数値によって難易度を表すこのグレードシステムですが、完全に難易度を表しているとは言えません。 クライマーによって感じ方の変わるボルダリングの難しさには幅がありますが、システムとしての数値に幅はありません。 数字とは厳格で排他的であるからこそ機能するものです。1と1.1は違います。1.001も1

怖くないと言うクライマーが1番怖いという話

必要な恐怖と不必要な恐怖岩が欠けそうな脆い岩場で、ホールドが持ちやすいからと言って中間支点もあまり取らずにぐいぐいホールドを引っ張りながら登ってしまうクライマー。大きな岩の真下でヘルメットもせず、岩に背中を向けて座り込んで昼食を食べ始めてしまうクライマーは、必要な恐怖を感じ取れていないことになります。 簡単なスラブでそれほどランナウトしていない場面で、足が震えだしてしまい登っていくことができない。トップロープクライミングで体が萎縮してしまい動けなくなる、などの場合は不必要な

マルチピッチクライミングでおさえておきたい8つのこと

1、持って良いホールドダメなホールド クライミングジムでホールドを持つとき、持っているホールドが壊れる事は普段あまり想像しません。極力ホールドの破損が無いように管理された状況がクライミングジムですが、マルチピッチクライミングでは脆いルートもあります。 そういった脆いルートではホールドを引っ張るような動きをすると、持ったホールドを壊してしまう恐れがあるので、なるべく重力に逆らわないように真下に引くように力を込めてホールドを保持します。 人工壁でのクライミングに慣れていると

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運動神経とはなんなのかという話

すばり結論から言うと、以下の3つの要素を器用に使い分けられる事です。 タイミング=時間的な調整 スペーシング=身体の各部位の空間的位置関係の調整 グレーディング=発揮される力の強弱の調節 引用元“discutiamo insieme!” シンプルとてもわかりやすい概念で、説明もしやすい、便利な考え方です。クライミングでなかなかムーブが成功しない場合、自分自身にとってどの要素が欠けているのかを瞬時に判断することは難しいです。 ですが、この3つの要素に分けて考えると、案外

鍛える筋肉は2つ!!5分で出来る自宅トレーニング

クライミングのトレーニングクライミングには様々なトレーニングがあります。最も効率的なトレーニングは登ることそのものですが、今はさまざまな原因でクライミングジムやクライミングエリアに出かけられない人もいるでしょう。 また、普段住んでいるエリアのクライミングジムが営業をやめてしまったと言う話も最近よく耳にします。 そこで今回は、クライミングで最も重要な身体の部位のトレーニングを行うとともに、実際にクライミングをしてなくても、ある程度のパフォーマンスを維持できるトレーニングを紹

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意外と知らない支点構築〇〇の法則

支点マルチピッチクライミングやアルパインクライミングで、重要な支点の構築。皆さんはどういった支点をセットしていますか?木にスリングを巻いたり、ボルトにセットしたり、岩角を使うという手段もありますね。 クライマーは、状況に合わせた支点のタイプをピッチごとに選択する必要があります。クライマー2人分の体重に耐え、且つ墜落衝撃にも耐えうるものが必要になります。 山に行けば、錆びたボルトやハーケンなどをよく目にします。 どれを使って、どれが使えないのか?どういったタイプの支点をセッ

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講師プロフィール

こんにちは、クライミング講師の浅井和英です。私のプロフィールを紹介します。 肩書き佐久平ロッククライミングセンター代表、アンコールクライマーズネット代表理事、クライミング講師、山のcafeランプ経営責任者、お山出版編集長、道楽登攀代表、 多分2004年ぐらいにクライミングを始めました。(山と渓谷社ROCK &SNOW049参照)自分のことですがほとんど記憶がないので、プロフィールを確認する時には、雑誌の取材記事などを参照にしています。ありがとうロクスノ。感謝。 クライミ

隠れた危険を察知する!!ビレイ編

ビレイデバイス皆さんはどんなビレイデバイスを使っていますか? 現在は様々なビレイデバイスが出回っています。オートロックタイプや昔ながらのATC、バケットタイプ。ルベルソのシリーズもかなり多く見られるデバイスのひとつです。 現在はほとんど見ることがないエイト環のビレイや、肩がらみ、腰がらみ、といった手段もありますが、これらはスポーツクライミングの領域において、使われる事はほとんどありません。 しかし、使われていないからといって、現在のスポーツクライミングで使われてないビレ

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インターネット動画とクライミング技術

なんとなく出来そう何か新しいことを始める前に「何となくできそうだなぁ」と思うことがありますが、大体それは間違っていて、物事の深い部分までを観察できてない故に「出来そうだな」と思うんですね。 実際に始めてみるとその難しさを分かって、その時に初めて物事の核心に近づくわけですからインターネットで情報を見て「あー出来そうだなぁ」と思って現場に行く事は、明らかに大事なことを見落としているので危ないわけです。 インターネット情報をもとに自分自身で安全が確保できる場所でブラッシュアップ