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クライミング上達マガジン

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クライミングの上達方法や練習方法について発信していきます。
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記事一覧

力みが気になる全ての人に送る、脱力系クライマーになるための練習方法

はじめに クライミングの時に力が入りすぎてしまう。軽やかに登りたいのに理想的な動きとは違ってぎこちない動きをしてしまう。こういった悩みを抱えているクライマーは意外と多いと聞きます。今回は、力が入ってしまう理由の分析と脱力から得られる効果、脱力の練習方法までを紹介していきます。 私が最初にクライミングを始めた時、周りのクライマーと同じようなムーブができないことがよくありました。特に懸垂のようなパワームーブが出てくると途端に登れなくなります。練習を重ね、自分自身でも色々調べつつ

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今更聞けないスポッターあれこれ

はじめに ボルダリングは1人でも手軽に始められる反面、クライマー自身が課題に対してどの程度のリスクマネジメントをしたら良いのか、特に最初の頃はよく分からないというか、気付けないというウィークポイントがあります。 例えば、ロープを使ったクライミングの際には、パートナー同士で安全をチェックし合います。その際に、お互いの気が付いていない部分や、ルートを登る際の準備などを指摘しあえます。しかしボルダリングだとそうは行きません。 人気のエリアなどでは他のクライマーと交流しながら課

妙義山安全登山のすすめ

はじめに今回は東京や埼玉など関東圏からもアクセスが良く、鎖場が多く、人気のある山域として妙義山を例にとって解説をしていきます。 かつて危険な山といえば新潟県の谷川岳とされていましたが、ここ最近は妙義山の方が有名で、日本で1番危険な低山とも呼ばれています。一方で槍ヶ岳やアルプスに見られるような急峻な山々はそのような評価がつくことはありません。アルプスなどは低山では無いので妙義山とは分類は別です。しかし同じ山なのに事故が目立って多い妙義山。この差はどういったものなのでしょうか

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クライミング上達マガジンの紹介お山出版編集部

クライミングにまつわる皆さんのお悩みをケース別にピックアップ。編集部がおすすめの記事をご紹介します。 クライミング上達マガジンのハウツー記事は、まもなく40作。皆さんいつも本当にありがとうございます! 編集部では今回、良くあるケースを5つピックアップして見ていきたいと思いますが、自分と似ているケースや気になる部分を参考にチェックしてみてください。自分に合った技術を、自分のペースで伸ばしていく、その為のヒントを一緒に見つけていきましょう。 noteクライミング上達マガジン

クライミングシューズ痛すぎて履いてられない問題の解決策を考える

アルパインクライミングやマルチピッチクライミング講習会の際、1番よく聞く質問に「クライミングシューズが痛すぎて履いてられないんですが講師の方はどうしているんでしょうか?」というものです。 「履いて試さなかったんですか?」と聞くと、店員さんからクライマーはみんなこうやって履いていると言われた。と言います。「ビニール袋履きました?」と尋ねると、クライミングシューズ痛いという人の約半数の人がビニール袋を履いてからクライミングシューズの試し履きをして足のサイズとピッタリのものを買っ

初心者の皆さんに向けて

クライミングを始めて「上手くなるにはどうすれば?」という質問をよくもらいます。私もクライミングを始めてすぐの頃は同じように思っていました。しかし、上手くなろう、と思いながら何年もクライミングをしていると「上手くなるためにはどうすれば?」という思考は、精神的な負担が大きいことが分かってきました。 自分の中になぜそのようなことが起きたのか、理由は簡単で「上手くなる」という目標にはゴールが無いのです。上手くなるとは具体的にどのような状態を指すのか?具体性はありません。漠然と上手い

終了点の使い方それぞれの方法と判断基準

はじめに今回はスポーツクライミングエリアにおける終了点の使い方を解説していきます。終了点はクライミング終了後、下降のために重要なポイントです。 クライミングルートというのは、自然の岩壁をクライミングのルートとして見出した最初のクライマーがボルトを埋め込んだり、カムやナッツを使って1本のルートとして完成させることから始まります。その際に、どのようなタイプのボルトを使うのかは初登者の判断に委ねられます。強度とコストの両面から考えると、グージョンボルトと言われる拡張型のボルト

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終了点の残置カラビナでトップロープクライミングをしてはいけない理由

はじめにクライミングのルールには大まかに2種類があります。ひとつ目は、他者に配慮するためのルールです。ふたつ目は、安全を確保するために必要なルールです。 ルールには特性があり、誰が、何に向けて行う行為なのか、その境界線を分けて考える必要があります。今回は、終了点の残置カラビナをどう使うのか?にテーマを絞って進めていきます。 ひとつ目のルール多くの方が知っているように、残置のカラビナはロワーダウンの時に使うものです。残置カラビナは、クライミング終了後すぐにロワーダウンに移

クライミング講習の選び方

はじめに今回はクライミング講習を受けようとしている方々に向けて、失敗しない講習会の選び方を紹介します。これからクライミングを始めようとしている方、始めたものの、行き詰まりを感じている方の参考になれば幸いです。 インストラクターとガイドの違いインストラクターはクライミングの技術を伝える人です。ガイドは目的の場所まで案内する人です。これは大きな違いなのでしっかり抑えておきましょう。 それでは詳しく解説していきます。 インストラクターといっても様々な得意分野を持ったインストラク

クラッククライミングで押さえておきたい3つのこと

はじめに今回はクラックについて書きました。フリークライミングやクライミングジムでのクライミングに比べて、クラッククライミングを始めるにはハードルが高いと感じる人も多いようです。 ハードルが高いと感じる大きな理由としては、カムと呼ばれるプロテクションのセットとクライミング技術の習得が難しいといったイメージが先行しがちというとことが挙げられます。確かに、ボルダリングなどに比べるとプレイヤーの数が圧倒的に少なく、そういった背景に比例して技術を簡単に教えてもらえない、知り合いにクラ

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最適解につながるロープワーク思考法

今回はクライミングのロープワークにおける思考法についてお話しします。 結論から言うと「何をすべきではないか」を常に考えることです。 クライングジムでマットの敷かれていない10mの壁をロープ無しで登るのは、すべきではない事です。ではどうすれば良いのか。この時に考えるのは2つ。マットを敷けば良いのか?それともロープを使えば良いのか?クライマーであれば「ロープを使うのが当たり前」となりますが、未経験者であればマットを敷くことを考える人も居るかもしれません。「そんなわけないだろう」

5級を登るために必要なこと3つ

5級の壁ボルダリングの5級というグレードでは、それまでのグレードでは出てこなかったクライミング特有の考え方や体の動かし方を求められます。 多くの初心者がクライミングジムやボルダリングジムでボルダリングを始めると思います。最初は10級から8級といったグレードからスタートして徐々にグレードを上げていくような流れになります。この辺りのグレードでは経験者によるアドバイスを求めなくても楽しめますが、5級あたりに差し掛かると途端に難しくなるイメージを持つ人も多いのでは無いでしょうか。

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1級を登るために必要なこと3つ

はじめに 1級というグレードはボルダリングを主としてクライミングをする多くの方の目標の一つです。ボルダリングを初めて最初に3級の壁に苦労する方は多いということは「3級を登るために必要なこと3つ」の記事で書いた通りです。気になる方は是非チェックしてみてください。 かなりざっくりとしたイメージでグレードは3つの大きな段階に分かれると考えます。 1つ目は、登り方もよく分からないまま、とりあえずボルダリングを続けて行って、どう体を動かして良いのか?どこに力を入れれば良いのか?そう

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恐怖とクライミング

恐怖とクライミングの関係今回はクライミングと恐怖の関係について考え、また、これから恐怖とどう向き合っていくのか?私の経験も含めた観点から話を進めていこうと思います。 著書『Death「死」とは何か』の中でシェリーケーガン教授は言います。理にかなった感情としての恐怖は何か?この本のテーマは死を哲学的に考察することですが、その中で恐怖と死との関係性について話す場面があります。 「クライミング中に滑落してしまうのでは?」という考えを抱いた人は少なくないはずです。逆にそういった疑