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名前も知らない人と過ごす彼の夜

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

「時間があればイチャイチャしませんか?」彼は言いました。

その日、マッチングアプリで出会った彼とランチに来ていました。彼はアプリに写真を載せていませんでした。でもそんな人はたくさんいるし、私は顔で誰かを求めていなかったので、それでもいいと思いました。お互いをギュッとするようなデートを求めている方でした。

デートをせずに、お互いを求めることもありますが、なんとなくランチを選んでいました。彼からは悲しみや、同調の匂いを感じなかったからかもしれません。

ピークを過ぎたそのレストランは、ガラガラでした。自分たちのテーブルの側には誰も座っていません。近くでボーイさんがシルバーを磨いているのが見えました。

私たちは、ランチを食べながら、お互いのマッチングアプリ歴史やエピソードを話していました。どんな人に会ったとか、どんなことをしたとか、どんなことが会ったとか、パートナーはいるのかとか、色々です。

彼は、見た目は素敵な男性でしたが、少し壊れていました。そして、それを自覚していないようでした。誰かと触れ合うのが、とても好きなようで、それなりに沢山の女性と会っていました。結婚前だと言っていたので、その反動かと最初思いましたが、彼は結婚してからも同じ生活をすると言っていました。

マッチングアプリで出会った女性と体の関係になれなくても、彼はハプバーに行って楽しむことを知っていました。

彼の話を聞きながら、私はぼんやり自分のことを考えていました。私は、見た目や職業や体の触れ方で、男性を選ぶことなどありませんでしたが、誰でもいい訳ではないようです。彼のように「あなたでもいいけど、ダメなら他の人がいるから問題ないよ」とは言えませんでした。

ボーイフレンドの彼らが欲しいものをくれないなら、他の人にそれを求めるけど、それは誰でもいいわけではないのです。少なくともランチをしている彼ではないようです。

彼は、今週も他の誰かと体を重ねる約束をしています。うまくいかなければ、「いいよ」と言ってくれる誰かを求めるのでしょう。きっと、それは彼の欲望を叶えてくれさえすれば、名前も言えない誰かでも構わないのです。

彼の話を聞いているのは、楽しそうだけど、今、私は彼に抱きしめられてもきっと何も満たされないでしょう。手をつないでドキドキしても、熱い視線でお互いを見つめて、心を灼くことが想像できません。

今夜も彼は、誰かと会って、名前も知らずに抱きしめるのでしょうか?

彼に会って、ボーイフレンド達にとても会いたくなりました。私は彼らがいいのです。おやすみなさい。

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