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深夜30分

こんばんは。今日もお疲れさまでした。

コロナの影響で町が静かになって、週末はホテルに泊まることが増えました。ちょっと広いお風呂に入ったり、いつもと違う朝食を食べたりしてリフレッシュするのです。

そんなことを話していたら、同じホテルの別の部屋に泊まるから会おうと言われました。何回か会っていたボーイフレンドだったので、私は承諾しました。

ホテルも静まる日付が変わった頃の時間。私は彼の部屋を訪れました。子どもを部屋に置いてきたので、時間は30分くらいしかありません。ちょっとナイトキャップに付き合ってもらおうとお酒を持って行ったのです。

でも、彼にとってその30分は違いました。部屋に入った瞬間、ハグをされてそのままベッドに誘われました。ベッドのヘッドレストに、浴衣の紐が括られていて、手首がそこに固定されました。アイマスクで視界を塞がれ、口をキスで塞がれ、私のウエストを彼がしっかりと抱えていました。

体の色々なところが、沢山の液体で濡れていくのが分かりました。

全てが終わったところで私はやっと解放されました。でも、声がうまく出ません。何がなんだかわからない30分でした。彼はいつものように優しく、私の持ってきたお酒を丁寧にグラスに注いでくれました。二人で乾杯したそれは、すでに少しぬるくなっているように感じました。

約束の時間を終え、部屋に戻った私は、子どもの寝息を確認して、大浴場に向かいました。何もしていないのに、体中が痛くて仕方ありませんでした。お風呂で足を伸ばして、全てを洗い流せた私は、そのままスッと眠りについたのです。

私は何もなかったように、その彼とその後何回か会いました。彼はその夜を気にしていて何度も「ごめんね。今日は優しくするからね」と言っていました。彼があの30分になぜあんなことをしたのか最早よく理解できませんでした。

今日もふかふかのベッドで、よく眠れそうな気がします。でも、もうどのホテルに泊まっているのかを誰かに話すことはやめました。このふかふかなお布団を、できるだけ長い時間楽しみたいのです。おやすみなさい。

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