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青春はうるわし

少年時代と故郷。雲を友にし、花と戯れた自然児ヘッセ文学の二大の主題。
ヘッセは東洋人の魂において、とても近く生きており、むせぶような官能的な魅力と瞑想的な神への愛の清澄な美しさとの交錯が感じられます。

素朴に美しく、純粋な旋律に富んでいて若さを呼吸している。
悲しみも苦しみも分裂も苦悩もない。素直な潤い。自己に対する暴力もない。自然の姿を自分の中に保っている。

楽しき時な命は美わし。
青春は美わし。
それはもはや来たらず、されば重ねて言わん。青春の年々は美わし。青春は美わし。
淀みなく溶け合って魅力をなす。

淀みなく自由で、風韻に富んでいる。澄んだ心境を持つ彼の作風は東洋的な感じを与えるのは偶然ではないと。

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