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食べ塾53:来店客減少時代でもお店が利益を出せる5つの条件とは?~変化を見越した新たな店づくりをしよう!

  オードリー7の私も今年の半ばには73歳に達します。
しかし、ガンバル素晴らしい若者がそこにいて、80代・90代の尊敬すべき
多くの先人の方々がいらっしゃいますので、まだまだ70代はハナタレ小僧
に過ぎないと思っています。ますます精進してゆきたいと思います。

飲食業は苦難ばかりの不運な業界と思って
いませんか?

  私は、今後の時代に即応した変化とそれに続く成長が楽しみです。
いつの時代も、時代の新たなニーズを腹いっぱいに取り込んで、
お客様たちが望む形で「飲食業」は成長し続けてきました。
適合した業種業態が生き残り、そうでないものが滅びるだけです。
決して平等で公平な世界ではありませんが、したことのありのままの
結果が出る正直な世界です。それで、私はこの世界が大好きです。

他の業界と同じく、
すべてのお店が生き残れる前提の世界ではありません

  新規開業のお店が誕生した翌日から、イス取りサバイバルゲームが
始まります。その商圏内に必要なお店だけしか生き残れません。
そして、3か月目・4か月目の開店景気が終わったころに、ある程度の
新規来店客が固定客になってくれていなければ、
採算割れを起こして、運転資金を食いつぶして、数か月後に消滅する
お店になってしまいます。

失敗せずに前に進めるこれからの飲食店づくりの「コアな条件」を
以下にご説明します。

■1:「単一条件」に絞って高効率化を図る

●単一食材業態

  メインで使う食材を1種類に絞り込むことで、
・客層の絞り込み
・食材の絞り込み
・一定客単価のキープ
・仕入金額の絞り込み
・スタッフの絞り込み
・他店との大きな差別化
などが行えます。
個人経営者が1店舗を有し、その売上で生活を営むためには、
一番ふさわしい形態の一つかと思います。
*食材が一つになれば、調理技術の多様さが反対に必要です。
 創作力が求められます。

●単一調理業態

  串焼き業態、蒸し物業態、茹で麺業態など調理する方法が
ひとつしか選択しない業態開発です。
調理する方法はひとつですが、その調理方法で美味しく食べられる
「提案食材」は四季折々に多くの食材が必要です。

また、食材ごとにその食材をいっそう美味しく食べるための、
たれ、ソース、薬味などの研究力が必要です。

*和洋中華エスニックを超えたボーダーレスな遊び心で開発する
 ことがとても大切と思います。

■2:キッチン1名・ホール1名・最大40席が
   理想の飲食店舗規模です

●キッチン1名

  これからのキッチン(厨房)づくりは、「調理1名+調理機器」で
料理の仕込み・調理を行う時代と思います。
調理機器の組み合わせで、1人分~2人分以上の働きをしてくれます。
月商200万円以下であれば、調理1名だけというお店は、意外と多く
あります。

オーナーシェフで経営した場合、社員1人分25万円で雇用した場合と比べると、25万円÷65%÷0.5=76.9万円(*原価率35%、労働分配率50%の時)
膿瘍になり、1名を雇用する贅沢経営をすると、約77万円の売上が必要と
なります。よって、1名で調理できる「メニュー数」「調理手段」に
絞り込むと良いということになります。

●ホール1名

  これは今からどのお店も令和の店づくりとして課題と思います。
・人手がいない
・時給を1000円~1500円に上げないと問い合わせすらない
・欠員を長期で引っ張ると、サービスの低下につながる
などがあります。

これは、知らず知らずに「今までに戻す」という雇用のイメージで
考えているからです。仕組みを変えないと利益は出ません。

今いるスタッフ数でできること
または
ひとりでできること

を根本から考えて、できる仕組みを作る時代と思います。

<飲食店のホールスタッフが1名の時の方程式>
むかしファミレスのランチのピークタイムに1人がちゃんとカバーできる
最大席数は、4人掛け×5テーブル=20名 でした。

フル満席で20名×着席率50%=40席
これがホールスタッフ1名で、手際が良ければ完全カバーできる人数です。
実際の接客する人数は1回転で10名~20名 です。
*もし足りない場合は、時給1,000円以上で3時間パート雇用しましょう。

■3:短時間集中営業時間制に変える
 1日の営業時間は5~8時間で!

●店内営業が有利な時間は店内営業する

   一般的に言えば、通常で11時または11時30分に開店して、
22時以降に閉店するお店が多いと思いますが、
・店内売上時間は「儲かる時間だけ」営業する

儲からない時間はさっさと店内営業はOFFにするメリハリが
必要です。

●アイドルタイムは別の売上手段で稼ぐ

・料理のテイクアウトとデリバリーで売上を立てる
・弁当総菜を店頭で売る
・通販商品づくりをする
・冷凍商品づくりをする
・店内売りのテイクアウト商品づくりをする
などの方法があります。

立地やお店の特性を生かして考えてみましょう。
きっと、これやってみようというアイデアが生まれます。
やって、うまくいったらそれが続けるネタになります。

いずれも「キッチン機能だけ」でできる方法です。
ホールの人件費・光熱費はOFFでゆけるので、その分利益は
生まれやすくなります。

●閉店時間はぎりぎりまで縮めて早くする

 22時閉店でなく、深夜手当が発生しない「21:00閉店」が
あってもいいかと思います。

■4:受注手段の多様性を持つ時代

  人口減少や、外食客の高齢化で、来店客が年ごとに減少する
時代です。それに加えて、コロナ禍でデリバリーの便利さも加わり、
ますます来店客が先細くなると思います。

オーダーの受注手段を充実させましょう!
・来店後の店内オーダー
・店頭に来店して受けるオーダー(予約など)
・電話・メール・FAXによるオーダー(デリバリー・テイクアウト)
  *飲食店はもっとIT受注が増えると思います。
   お客様にLINEをQRコードで登録いただければ、オーダーは
   文字で記録で来て聞き取りによるミスも防ぐことができます。
   ただし、スピーディーな対応も難しい場合が多々あります。

■5:くれぐれも贅沢にお金を使わないで、
 少しでも多く利益を生み出す時代です!

1,店舗は土日ピーク対応型から、平日対応型の規模に変える
2,キッチンスタッフは最小限度にする~最少人数でできることをする
3,ホールスタッフも最小限度にする~  〃
4,新規出店をする場合は、投資を必要最小限度にする
  ・土地代は永久にペイできないと考える
  ・建物はもっと長期でしか償却できないと考える
  ・投資額が低いほど「ペイライン(採算点売上)」は下がります。
   栗磁化できるまでの期間が短くなります
  ・売上高の多さよりも、継続して経営するための利益を生む、
   利益優先の考えたかをする。(利益第一主義です)


人件費に多くの資金を使うより
仕組みづくりに投資したり、
調理や接客の作業支援機器に投資したりしましょう! 


大きな可能性を秘めた令和4年の始まりです。
今年もよろしくお願いします。

(了)

 








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