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食べ塾97:科学的&動物的な本日の来店人数予測や弁当販売個数は何で決めるか

  この投稿記事を書くにあたってWEB検索をしばし行ってみたが、
今からお知らせするような統計資料を基にした科学的な要素での予測やいろいろな自店の過去データから見える動物的な勘での「本日の来店人数」を導き出す記事は何一つありませんでした。

すべての記事が事業計画書を作成するときの基本形やその亜種ばかりでした。このような記事を私と同じような飲食コンサルの方が投稿されても
おかしくないのです。必ず知っておくべき一つの要素と思います。

このような昭和の時代に生まれた動物的勘の予測ノウハウや昭和~令和の時代に大手の飲食企業で日々行われているデータ分析&科学的予測迄を
今の飲食店主さんや店長さん、料理長さん、弁当店主さんは、いやでも
活用して、より正確に予測することが仕事の一部になっています。
(*以下の記事を是非ご一読ください)

<本日~翌日の来店人数予測の重要性>
●本日の総売上高予測・・・翌月の目標月商・日商設定の再確認や微調整
●ランチの売上予測➡来店人数予測
●ディナーの売上予測➡来店人数予測
●翌日の来店人数予測➡仕込み予測・スタッフのシフト調整

予測をするなんてできない、予測なんて面倒くさいと思っていると
そのお店は赤字か黒字でも対した売上ではありません。
理由は、綿密なFL(比率)コントロールができていないからです。
 *Fはフードコストで食材費、Lはレイバーコストで人件費です

来店人数予測ができれば食材のロスを減らすことができる
ストックした食材を解凍や洗浄をして仕込めば、時間とともに劣化が
スタートします。余れば、鮮度落ちして翌日以降には廃棄かまかないに
回ります。これで食材原価率が2%以上上がります。

来店人数予測ができれば人件費の抑制ができる
例えば天候の急変が前もって予測できれば、出勤するスタッフ総数を
減らすことができます。需要の低い日はシフトを絞り、需要の高い日は
シフトを拡大してコントロールすることで、月間人件費は安定します。

「明日は天候が悪いから来店人数は50%~60%の予測で仕込みとシフト調整をしましょう」でいい訳です。


■予測要素1:
 来店人数予測で一番重要なのは天候です!

①雨

 飲食店から見ると、雨は嫌な雨と恵みの雨があります。
嫌な雨は、午前中から降る雨で一日中降る雨です。
恵みの雨は連休の時の雨です。遠出はしないからGWとかは好成績に
なりやすいのです。でも多くの雨は来店客が減る効果になります。
  
・午前中から降る雨~今日は早めに帰ろうと傘を準備する日➡×
・午後イチから降る雨~傘の準備なし・夕方までにやめば吉➡〇
・夕方から降る雨~傘の準備なし・予約が入っていれば吉、なければ
 まあまあ厳しいかも➡△

雨の具合も強・中・弱を記録しておくと集計データで売上差がわかる
事になります。

②強風

 弱者(女性・子供・高齢者)は台風や強風に弱く来店比率は、
結構落ちることになります。台風で80%減、突風の日で50%減という
体験があります。

③積雪

 私の住んでいる街は、1年に1回も積雪がありません。従って積雪が2cmあると、大渋滞になり5km先に行くのに3~4時間かかったこともあります。すべての車が恐る恐る時速15kmくらいで進んだり止まったりします。南国に近いほど積雪予報があると、シャットダウン的になります。
滅多にないことですから。北国の人から笑われますね。

*晴天、曇天の日は、売上高に直性津の影響はないと思います。

④気温

 気温によって売れる料理も変わります。特に最高気温が15℃以下になると温かい料理が好まれます。九州エリアでは冬もの料理のシーズンは12月~3月(山間部は4月)までの期間であり、25℃の気温に達する頃から生ビールやクールドリンクが倍増します。25℃~30℃未満の気温はソフトクリームやパフェなどがよく売れ、30℃を超えるとかき氷が売れます。

店内の温度調節でも、室温を1度上げると生ビールの需要が5%~10%増したという記事も過去に見たことがあります。(*昔のFR店の例)

 小さな子供さんを連れた母親の方や、高齢者の方は、最高気温30℃を超えるごとに、昼間の外出は控えるようになりますので、この客層を持つランチ店は、冷たい麺料理などの対策が必要です。

<1年後の予測に役立つ気候データづくり>

売上げ記録とともに作成しておくと前年度実績が役立ちます

大手の弁当の製造販売会社さんなどはもっと精密なデータ管理をして
生産個数=完売個数にしていると聞きます。

 飲食店の仕込みは、慣れと勘で行っていますが、これからは定期的に
オーダー数分析をして、春夏秋冬3か月ごとのランチの主要仕込み食材の数量やディナーの仕込み数量を5%未満で余るくらいの正確な仕込みをする
密陽が出てきます。

予約客相手のお店の方が仕込み食材は100%消化できますが、来店注文型のお店は、あくまで責任者の慣れや勘でされていることが多く、もっと科学的手法を取り入れていただきたいと思います。

気象庁のホームページで店舗のあるエリアの過去データはすべて
閲覧&プリントできますから後からでも作成可能です

■予測要素2:曜日別分析をして稼げる日と
 稼げない日を知っておこう!

 私はこの表を作ることで、どう対策をとればこのお店が売上を上げられるかをダイレクトに知ることができました。
(*よろしかったら読後に、シェアをお願いします)

数字は任意です 結果もサンプルで任意です

 この曜日別分析データは、そのお店の基本情報になります。
FLコスト率と同程度の自店分析データです。

エクセルに入力して3か月間くらいを投入して平均値をとれば
立派な資料になります。

ただし、正月の3か日を含む最初の日曜日まで、5月のGW期間とお盆の期間(九州でいうと旧盆の8月10日~お盆明けの最初の日曜日まで)の日商は
除外して入力して平均日商を計算すると、お店の基礎売上力がわかります。

<曜日分析データのメリット>
1,平日売上分析で、繁忙日と非繁忙日があることがわかる
  
お店により、
月曜日~木曜日がやや低い場合・・・平日平均値=4曜日合計÷4 です。
月曜日~金曜日がやや低い場合・・・平日平均値=5曜日合計÷5 です。
その平日平均値で、月曜日~日曜日の平均値を÷と、各曜日の売上効率が
%で表示されます。100%未満が非繁忙日です。

2,平日と週末の売上比率差が数値で具体的にわかる

95%以下・・・儲からない日➡仕込みやシフトを低いほど絞る日

96%~105%・・ほぼ平均日商の日➡基準の仕込み量、シフトの日

106%以上・・・金土日に多い
        稼げる予測の日➡仕込みやシフトが「何割り増し」かは
        比率でわかります。(*164%なら基準の1.6倍)
        もちろんこれに当日の天候要素を加味します。

■売上要素3~7:

 

3,季節

  年中同じメニューであっても、売れる数量は季節で変化します。
夏季はスタミナ補強やのど越しの良い冷たい料理が好まれますし、冬は体を温める料理が好まれます。

同時に、積雪期、降雨期、熱暑期はどうしても来店客が減少します。

4,催事・大型の地域イベント

  これもその催事やイベントと同じ客層を持つお店にとっては、来店客数に影響します。サッカーの試合があると、20代~40代のお店は20%客数が減り、試合が終わった時間から客数が増えるということも体験しました。

5,自店の商圏内の競合他店の閉店・新規開業で増減する

  必ずしも同業種でなくても、当然に同じ客層・同じ客単価帯のお店であれば、影響し合っていることになります。
人気店が閉店すれば10%~20%来店客数が増えることもあります。
人気の新規店でしかも中大型店になると、逆に10%~20%は数か月間減ることになります。それが固定化する場合もあります。

6,値上げメニュー切り替えの影響で減少するお店がある

  値上げをしないと飲食店は採算が取れません。しかし、値上は諸物価が上がって生活を維持しにくい客様層では、来店利用度が減少して1日あたりの来店人数が減る場合があります。

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