「地元」で人生が完結するヤンキーを羨ましいと感じる理由
東京から広島に移住して2年半近くがたった。
相変わらず広島で広島が地元だという友達ができない。
普段付き合いのある友達は皆、学生時代つまり東京にいた時から付き合いのある人や他県から来た人たち、さらには外国からきた人たちがほとんどだ。
友達のほとんどは、大学を卒業した人が多く、海外へ渡航した経験のある人が多く、新しいことにも積極的に取り組むタイプの方々が多い。
広島に来てからもそのようなタイプの方々とよく出会う。
しかし、どうしても自分と同い年位の人たちと会社の壁を超えて仲良くしようと言うのがなかなか難しい。
どんなにインターネット上で話ができる友達がたくさんいたとしても、日常的に対面で会えないとなると、たまに寂しい気分を感じるものだ。
そんな時、ふと地方のヤンキーたちはうらやましいと感じてしまうことがある。
見下したような言い方になってしまって申し訳ないが、彼らは学歴が低く、考え方も薄く狭いのかもしれない。
何も考えず、高校卒業したら適当に地元の会社に就職して、ノリで付き合った彼女と結婚して、家庭を築いて、ただその日を暮らしているように自分には見えていた。
でも、やはり彼らには今のネット社会や東京を中心とした価値観からは見出せないような幸せを持っているように僕は感じる。
生まれ育った地元で、小さい時から知り合いの仲間が半径5キロの生活圏内にあり、結婚してからもお互いの家族で支え合って暮らしている。
東京に比べたら収入は高くないかもしれないが、若くして結婚して子供を作り、家族や友達にも恵まて幸せな生活をしている。
髪の毛を染め、派手な格好をし、タバコを吸い、友達同士で馬鹿なことをやっているヤンキーもたくさんいる。
馬鹿だなと思うけど、そんな彼らが自分にはうらやましいと思う。
良い大学を出て、良い会社に就職し、そこでキャリアを築いていく。
働くことが第一で、地域社会での人間関係や人生における楽しみと言うのは二の次の考えで今まで走ってきた。
いや、小学校から大学に出るまで、僕はずっと東京と言う生まれ育った地元にいたが近所に友達ができなかった。
家族で集まって、休みの日に遊びに行ったり、親戚付き合いを楽しむということも両親が離婚したため、小学校以来経験していない。
もちろん東京には友達がいるが、自分が生まれ育った地域社会と言う狭い範囲の中においては全く知り合いはいない。
つまり、僕には地元という感覚がないのだ。
広島で暮らす中、実は僕も心の中で地方のヤンキーたちが日常的にしているような濃密な人間関係を経験したいと思っていた。
夢や目標達成するためにより良い学歴やキャリアを目指そうとする。
そのために自らのコンフォートゾーンを抜け出して、付き合う人間関係すらも頻繁に変えていく人はたくさんいる。
特に海外思考の強い人は世界中に知り合いはいるが、さて、自分が生まれ育った地元(ここでは生活圏内レベルの狭い範囲)にどれだけ友達がいるだろうか?
確かに、自分のレベルが上がれば上がるほど付き合う人間の種類も変わっていくのかもしれない。
ただ、たまに自分は思う。
地方の若者みたいに自分が生まれ育った環境に根差し、その中で幸せを見出すと言う生き方もそれはそれで良いのではないだろうか。
僕の場合は、地元で生きづらさを感じていたから、その環境変えたくて外の世界に積極的に出ていた。
地方から東京に上京してくる人の中にも、地方の閉塞的な環境が嫌で東京に出てきたという人は実際に多い。
自分の身1つで東京に来て、良い学歴、キャリアを積んでこれた人は、確かにすごいし尊敬したいと思う。
けれど、だからといって地元に残った同級生を見下したりはしないで欲しい。
彼らにも彼らなりに等身大の生き方を模索して、今ある環境の中で幸せを見出してきたのだから。
自分に誇れる「地元」がある人は幸せだ。
帰れる場所があり、迎え入れてくれる家族や友達がたくさんいる。
自分がどんなに変わろうと昔からのあのままの自分を受け入れてくれる環境がそこにはある。
今、僕は東京に限らず、世界中に友達がいる。
日々インターネットを通して、様々な地域に住む人たちと会話をしている。
機会があれば、実際に会いに行きたいと思うがやはり遠い。
東京は国内だから月に1度のペースでも通えるが、海外となるとあまりにも遠い。
やはり様々なバックグラウンドを持った友達と広く付き合うことで、自分自身の成長につながると思う反面、地元で気軽に会って飲みに行きれるような友達も欲しいと思う時がある。
結局、どんなにインターネットやウェブが発達したとしても、人間は最終的に対面でのコミュニケーションを求めるんだなというのを感じた。
コミュニケーションと言うのは文字情報だけではない。
声のトーン、目の動き、お互いのバックグラウンドなど様々なものが混ざり合うことで、お互いの意図や理解することができるのだ。
だからこそ、これからも対面で人と会うというのを大事にしていきたい。
僕には地元がない、その分世界中どこでも友達が作れるような人間になりたい。
今日はここまで。
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