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教員免許更新の流れ(体験談)

※ブログからの再編集記事です

教員免許更新はこんな感じだよ、ということと、同じようにこれから更新の方に参考になるように、という意味です。

※注意! 面白い記事ではありません!!教員向けです。

現状はコロナ禍のために免許更新の在り方も変化してきているようです。各自治体のホームページなどで最新情報をゲットしてくださいね。

何か記事に問題がありましたら、教育委員会でも文科省の方でも直接ご連絡くださいね。

結論から言えば、面倒だが有益!でした。

1 更新期限のチェック


まずは更新期限をチェック。文科省のホームページも参考になる。勤務している人は管理職に確認しよう。2年前から受けられるから、分散して受けるもよし、一年でまとめてとるもよし。遅れると、期限延長など手続きが面倒らしい。

2 受講登録


私の場合は、全て近くの大学で受講することにした。いくつかの大学等を利用したり、もちろん放送大学でも開講しているようで、環境があればそちらでもいいと思うが、複数を利用するとこの登録手続きが面倒そう。

鹿児島大学の場合

ア 大学のシステムに受講者登録
イ 大学からパスワードとIDが発行される
ウ 管理システムで受講科目を予約

ここが大変。登録開始日の開始時間にブラウザに張り付いて予約しないと、
人気の講義は取れないです。ライブチケットかよ…

平日実施の講義は「研修」扱いができるので、休日に講義を受けないでいいメリットがあります。また、いわゆる夏休み期間は業務の調整がしやすいので、人気です。講義は小中高など対象免許で分かれているものもありますが、当然「どの免許の人も受けられますよ」という科目が人気です。

これらの条件が重なると、あっという間に埋まります。
朝6時半くらいから多くの先生がパソコンに張り付かないといけない状況が生まれているのはどうかと…
私は、空いてる奴にしました。無理せず。

取る科目は基本5つ。
必修、選択必修、選択×3 です。

イメージとしては、必修が教育全般、
選択必修は校務分掌とか、特に勉強したい分野に少し踏み込む。
選択は、教科教育の話題にもっと入り込む感じ。
開講されるものの中から選んでいきます。

エ 事前アンケート

鹿児島大の場合、事前にアンケートを送信するようになっていました。

オ 書類作成

なかなかここが半アナログで大変。
まず申込書を作る。大学のシステムで。
印刷して写真を貼ります。
所有免許状の情報と、受講科目の情報なども入力します。

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免許が多い場合は、欄が5個しかないから別紙を付けないといけません。

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さらに、それを「証明」してもらわないといけません。
例えば校長に。学校印が必要になります。
自分の所属の長に証明をもらう必要があるからです。
教員免許を使っていない場合、この辺は少し変わるみたい。

そして、「振込依頼書」なるものも作成。
(コピーがどっかいきました)
銀行などから振り込みます。


1講習で6000円!
5講習だから30000円!

ここが教員免許更新の一番のネックかなー。
更新しないと仕事がなくなるのに、自腹切るのかよ?みたいなね。でも、そこまで文句言う価格か?、という気もする。
例えば駿台教育研究所(予備校主催の教育セミナー)なんて、一日で2万円。それからしたら格安。

書類が揃えば申し込み。2週間以内に送ってねという締め切りもあるので
バタバタして送りましょう。無事受理されるとメールでお知らせが来ます。
(全部メールやネットでできるようにしてくれよ…)

3 受講前の準備


大学で受講する場合(そうでない場合もでしょうが)
シラバスや受講内容を事前に確認。また、受講票なるものが必要です。

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印刷して写真を貼ります。
忘れると受講できないことがあるので注意しましょう。

​​4 受講


さあ頑張って受講しましょうね。
基本的に丸一日で1講座、授業の最後に「評価テスト」や「レポート」などがあるのが一般的のようです。大学の先生方がやっているようですが、もちろん先生方もお休みの日に出てきてやっているわけで、教員が支払う講座費の一部がその日の報酬になっているのでしょう。そういう点では、

皆さんの休みを削って知識とお金を回すシステム

ではあります。私が受けた講座は次のようなものでした。人数やテストの様子などご参考までに。

① 選択必修 「進路指導及びキャリア教育」
<人数は60名程度、小中高各種の免許所持者が対象>
キャリア教育の心理学的アプローチを含めて、理論的に発達段階に応じたキャリア教育の在り方を勉強しました。
キャリアアンカー→キャリアデザイン→キャリアビジョン
というキャリア形成の軸を意識しましょう。
グループワークでの討論もあり。キャリアカウンセリングのロールプレイも。
評価テストはレポート。
② 選択 「光の化学」
<人数は10名弱 高校・中学理科対象>
炎色反応などの原子発光や、蛍光・化学発光の勉強、
スゲー高いマルチチャンネル分光器で遊ぶなど。簡単な実験も。
専門の講義は楽しい!
内部エネルギーやエントロピーの勉強や生命現象の関係も。
評価テストは、若干の問題が出題されるレポート。
③ 選択 「社会に役立つ科学技術」
<人数​10人ほど​ 高校・中学理科対象>
※平日実施だったので、「研修」扱いで行きました。
(休日をつぶさないで済むうえ、免許更新の場合は研修報告を出さないで済む。もちろん、有給休暇でもない。職場に研修の処理をして、あとは受講するだけ。)
工学部の先生方を中心に機器分析やバイオマテリアル
有機無機のハイブリット材料などの話題。
「測定マシーンになるな!機器は忠実だが解析するのは人間!」
という熱いメッセージが伝わった。
ついでに、実験設備等も見せていただくことが出来た。
最新の大学の分析機器などを見学させていただく機会はあまりないのでよかった。
評価テストは幾つかの内容を選択してのレポート。

④ 選択 「化学産業に貢献する新しい化学工学技術」
<人数3人! 高校・中学理科対象>
※平日実施だったので、「研修」扱いで行きました。
にしても、人数3人はヤバい。(居眠りどころか、油断もできない)
専門科目の講座ではこのようなことも結構あるらしい。
しかし、大学の先生に結構ガチンコでいろいろ教えてもらえるのは
ホント面白い。化学産業の歴史や、ナノカプセル技術、ソノケミストリー(超音波の化学への応用)などをかなりがっつり教えていただいた。
簡単な実験なども行った。
評価は各話題ごとの内容に関連した問とレポート。
⑤ 必修 「教育の最新事情」
<人数100人くらい 全学校対象>
大きい講義室で、大学の一般教養のような感じ。
正直な所、こうなるとホントに大人の人たちって授業態度はどうなのという感じ。人数が増えるとダメなのか、大人になってからこういうことするのが苦手なのかもしくは、なんでこんな講義なんか受けなくちゃ…と思っているのか。
しかし、せめて免許もちならしっかりして頂きたい!という受講者への苦言はともかく。
発達段階やライフサイクル、家族との関係、脳の話などが前半、
後半は国の教育政策や世界の教育の動向など。
結構講座の内容としては題名に偽りなく興味深い内容だった。
評価は前半後半ごとにレポート。


5 事後処理


講義は受けるごとに大学のシステムで1週間以内に事後評価をしないといけない。
こういうのは大学の先生方に反映されるんだろうか…
さらに数週間すると、受講結果が認められるかどうか、判定が出ます。
よほど変なことをしていない限り、認められないことはないと思います。

一通り履修すると、「履修証明書」が送ってきます。
半期ごとの発行のようで、期をまたぐと複数枚になるのかな。

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うちの大学はこんなのでした。

6 さらに事後処理


修了確認申請書、なるものを作成します。
これは、県の教育委員会の様式でした。

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所持免許や受講した講座を書きます。
(免許がたくさんあると裏面まで書く必要がありました。めんどうなのでここでは割愛)
あと、見てのとおりですが、

手数料3400円収入証紙!!

が必要でした。
収入証紙は警察署や役場などで買えますが、
勤務時間に行くわけにもいかないし時間休等を取る必要があります。これも、免許更新の不評の原因の一つか。
ちなみに、コンビニ等でも買える「収入印紙」じゃないので注意!

そして、所有免許状を裏表コピー。
さらに、所属長(校長等)に原本証明を受ける必要があります。
(各学校等で聞いてみてください。公印が必要です。)

ここまできて、

履修証明書
修了確認申請書
免許のコピー
返信用封筒

を耳揃えて提出です。
(教育委員会は使送便等があればそれで。ない場合は郵送になり、返信用切手も必要です。)


7 そしてついに

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ひと月くらいたって、やっと修了確認証明書が届きました。
免許が多いから二枚(くどい)
結構上等な紙ですが、免許と一緒に保存しておかなければいけません。

平成42年まで有効だって…
平成42年とは…

しかし、笑えないおまけの紙が。

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自分で確認してね!という備忘録カード?つき!親切で涙が出るぜ!!

以上のような流れです。

個人的には、内容的にも悪くないし、免許更新を元にまた勉強しなおす部分もあるなど、ためになりました。

よく問題点として挙げられる部分、価格は妥当かと思います。ただ、更新しないと仕事が続けられないのに自腹かよ、という意見もごもっともで、教員を擁する組織(県や学校)から大学などに講座の費用が流れてもいいのかなと。

また、教員が多忙だという話もありますが、免許更新自体は2年間かけて実施して構わないので、それほど気にならないはず。ただ、手続きが煩雑なので、2年かけて取っていく、という計画が立てにくいのも事実。システムをもっとすっきりさせることができればいいんだろうけど…


以上、教員免許更新レポートでした。