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卒業、そして引越し

大学を卒業し、もうすぐ4年暮らした街を離れる。高3の冬くらいに今の大学を受けると決めたので当初は全くこの地に思い入れがなかった。たまたま受かった大学に進学するためにここで一人暮らしをする事になった、ただそれだけだ。しかし、4年暮らしてみていざ引越すと思うと案外寂しいものだなあと感じる。
私は自分のことを薄情な人間だと思っていたし周りの人からもドライだと言われることが多いが、意外と別れは寂しいなあと感じるタイプらしい。

高校を卒業して地元を出る時は正直そんなに寂しくなかった。それは、これから何度も来る機会があるしいつでも帰れる場所だと思っているからだ。
けれど、今回は違う。もう当分ここに来ない気がするからかなりおセンチな気分だ。最高に居心地が良い図書館も、よく行くスーパーのポイントを貯めるのも、いつも遅れてきてムカつくバスに乗るのももう最後かもなと思うとなんだかしんみりしてしまう。

「いや、また来ればいいじゃん」と思うかもしれないが、4年も住んでいたらある程度の場所は行き尽くしてるのだ。それなりに高い交通費やホテル代をかけて遊びに来るかと言われたら当分来ないだろう。なんなら一生来ない可能性もある。
これが東京とか大阪なら多分引っ越しても訪れる機会は割とあるだろうから、この感情は地方で数年暮らして遠くに引っ越す人特有のものかもしれない。

色んな人との別れも結構寂しいが、大学の友人との別れは意外と寂しくない。離れ離れになっても大学の仲のいい友人には今後も会うだろうし、そうじゃなくても人づてやSNSで近況を知れるからだ。

逆に結構寂しいのが会えば話すくらいの人達との別れである。私の場合でいうとバイトや社会人サークルなどだろうか。ここら辺の属性の人達は割と頻繁に顔を合わせていた割には別にそこまで深い関係性でもないし、正直何も知らない。引っ越したらもう会う機会は無いかもしれない。だからこそ、こういうラインの知り合いとの別れが1番寂しいと感じる。

でも、たまに「あー、あの人元気かなあ」くらいにふと思い出すことはあるかもしれない。別にわざわざ連絡をとったりはしないだろうが、思い出した時には「皆どこかで元気に生きていたら良いなあ」と祈っておこうと思う。

と、こんなセンチメンタルなことを書いてみたけど案外、1ヶ月後には寂しさなんてすぐに忘れて新しい土地で楽しく暮らしている気もする。人生は出会いと別れの繰り返しって言うし、そういうもんだと割り切ってあっさり前に進んでいくのも大事でしょう。うーん、やっぱり薄情な人間かも。


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