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論説 神の存在証明(13)神の名を呼ぶとき【短編集:創作1000ピース,69】

【はじめに】

この「【論説】神の存在証明」は「神様はいるのか?」という問いに対して著者の考察をまとめたエッセイです。

「神とはなにか?」「存在するのはどのような状態なのか?」という、言葉の定義を出発点とし、宗教や神話を例にして、「神の存在」について論じたものです。

論理的、科学的な側面から神の存在と神とはなにかを論じており、宗教、オカルト、スピリチュアルな要素は含まれておりません。
純粋に哲学的な思考で論理を展開しています。

論説で語られる宗教に関する知識はすべて著者が書籍等から得たもので、そこから著者が感じた印象も含んでいます。

信仰を批判したり、信仰心を傷つける意図はございませんが、何かしらの宗教を信仰している方、神の存在について強い信念をお持ちの方は不快に感じる可能性がありますので、閲覧をお控えください。



【前回の議論】



余談その7:神の名を呼ぶ彼らの心の中には神様がいる


余談が本論の話数を超えてしまった。なんてこった。

本論は「神の存在証明」の道筋に沿って書いているが、余談は感じたことをただ書いている。

余談の方が話すことが多かったとは…。
本論は結論ありきで道筋を立てたので語ることが少なかったのかもしれない。

さて、本題。


オーマイゴット!の意味

英語で「オーマイゴッド」という言葉がある。むやみに口にするような言葉ではないとも聞くが、驚いたとき、嬉しいとき、悲しいとき、絶望した時に英語圏の方が口に出す印象がある。

辞書に載るような言葉に「神」がある。
そこからしても、キリスト教圏の言葉だと強く感じる。

一方、ニュースでアラブ諸国の人が空爆の被害に遭い、周囲の悲惨な状況に「アッラー」と嘆いていた。

「アッラー」はアラビア語で神を意味する言葉で、「オーマイゴッド」と同じように使われる言葉だと感じた。

アラブ諸国でイスラム教を信仰している国には生活レベルでイスラム教の息がかかっている。アラビア語の言語形成にイスラム教が影響を与えたのではないかと思ってしまうほどだ。

「オーマイゴッド」も「アッラー」も日常に軽い気持ちで使う言葉ではないだろうが、絶望的な状況で言葉にするシーンを見かけて、話者の精神的支柱として神様が彼らの心の中に存在しているんだなと理解した。

言葉になるくらい、宗教、神が人々の生活に浸透している。
すごいことだ。


「神様のバチがあたる」という言葉

日本では「神様のバチがあたる」と言う言葉があって、祖父母がよく言っていた。

同じ年代のおじいちゃん、おばあちゃんもそんなことを言っていて、似たような世界観を持っていた。
でも、私の両親はそんなことを私には言わなかったし、私も自分の子供には言ったことはない。

祖父母に散々言われてきた「早く寝ないと雷様におへそを取られるぞ」も、子供には言ったことはない。

それらの言葉は子供の躾の手段として使われていて、本質的ではないと思ったから、私は「神様」の単語を借りて躾けようと思ったことはなかった。

言い伝えや迷信や階段がしばしば子供の躾に持ち出されることがある。
夜更かしを止めさせたいなら、夜更かしによって生じる不利益を説明して納得させた方が合理的と思ってしまう。


私は軽々しく「神様」を口にできない。

脱線してしまったが、私は気軽に「神様」と口にできない。
他人と共有する「神様」のイメージがないからだ。

「神様のバチがあたるよ」と言っても、「どんな神様なの?」と聞かれてしまうし、自分でもそう思ってしまう。

しかし、宗教世界で生きている人間たちにとっては、他人と語り合える「神様」の共有イメージがある。
だから、神様を話に持ち出しても成立する。

そして、「おお、神よ」と口に出すとき、確実に彼らの心の中には確かに神様がいるのである。

私には、見えないけれど。


結び

神様について哲学したくなって書き始めた「神の存在証明」
私の中にある哲学のネタが尽きたのでこれで余談を含めたすべての議論を終わりにする。

駄文にお付き合い頂き、感謝にたえない。

ありがとうございました。


〈了〉

参考文献

本議論を展開するにあたって、刺激を受け、また勉強になった本。

■図解 世界5大宗教全史

■世界の宗教地図 わかる!読み方

■誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門




*** 創作1000ピース ***

 たくさん書いて書く練習をするためにまずは1000の物語を書く目標を立てました。形式は問わず、質も問わず、とにかく書いて書いて、自信と力をつけるための取り組みです。

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